今年のテーマは「小さくても楽しい家」!第3回タイニーハウスデザインコンテスト募集開始 (応募登録2/28 作品提出3/31 まで)
今年で3回目を迎える小菅村×YADOKARIの共同プロジェクト「タイニーハウスデザインコンテスト」の応募登録&作品募集が始まりました!
プロアマ問わず応募でき、入賞すると本物のタイニーハウスが村内に建設されるのが特徴のこのコンテスト、応募登録期間は2019年2月28日まで、作品応募は3月31日までです。
第2回の昨年は、前年よりも注目度が増し、応募登録総数365組、作品提出者124組。国内はもちろん海外からも複数の応募があり、タイニーハウス・ムーブメントの世界的な広がりを感じさせる盛り上がりとなりました。
第3回の開催にあたって、主催者である山梨県小菅村の舩木村長に、改めてこのコンテスト発足の背景や、今年のテーマに込めた想いを伺いました。
二拠点居住や移住者が増え続ける、多摩源流「小菅村」
舩木村長:「小菅村は人口約710人。多摩川と相模川の源流部にあり、森林が総面積の95%を占める山間の小さな村です。首都圏の水源として100年以上に渡りブナやミズナラの森を守ってきました。
東京からのアクセスも2時間と比較的良く、近年は二拠点生活者や移住者も増え続けています」
舩木村長:「その要因としては、子どもを自然豊かな環境で育てたい家族に向けた『源流親子留学』など、村の持続的な繁栄を目指して長年続けてきたさまざまなプロジェクトが、ここ数年でようやく実を結んできたからだと思います。
また、村民一人一人の顔が見えるサイズの小菅村では、物事の決定スピードが速く、新しい試みの実現もスムーズです。外部から来る人への受け入れにもオープンな風土があり、サポートを惜しまない。何かにチャレンジしたい人や移住者たちが溶け込みやすいのだと思います」
村の中にすでにタイニーハウスが点在
「村民みんなのなりわいづくり」をモットーとする舩木村長がいち早く整備した、村で最も集客のある温泉施設「小菅の湯」と「道の駅こすげ」には、週末や連休ともなるとバイクやキャンピングカーで大勢のお客さんが訪れます。その数は年間約20万人にも上るというから驚きです! 敷地内には、第1回タイニーハウスデザインコンテストで最優秀賞を受賞した作品の実物も設置されており、来訪者の興味をひいています。
それ以外にも、過去の受賞作が複数、村の中のいろいろな場所に建築されており、タイニーハウスは小菅村の特徴的な風景になりつつあります。
小菅村がタイニーハウスに取り組む理由
なぜ舩木村長は、タイニーハウスに取り組むことにしたのでしょうか?
舩木村長:「村の豊かな森林資源を活かしたいという想いからです。かつて首都圏への木材供給で栄えた小菅村には、資材としての森だけでなく技術力も人材もあります。しかし放っておけば材木の需要は減り、人の手が入らなくなって山が荒れてしまう。高齢化によって大工の貴重な技術や、循環型の山の文化も失われてしまいます。
一方で、小菅村に興味を持ち、移住して来てくれる20代や30代の若い人たちも増えてきたので、彼らに住んでもらうための住宅を用意する必要も出てきました。空き家もあるのですが、傷んでいたり、大きすぎて今の若い人たちの暮らしに合わない場合も多いんです。
こうした状況を総合的に見て、タイニーハウスがその解決策になるのではないかと思い至りました」
村の複合的な課題への突破口として、タイニーハウスは期待されているんですね。
今年のテーマ「小さくても楽しい家」に込めた想い
毎年テーマを設けて作品を募集しているこのコンテスト、今年の応募テーマは「小さくても楽しい家」です。これには、村長のどんな想いが込められているのでしょうか?
舩木村長:「家はもともと、家族が身を寄せ合って楽しく過ごすための場所だったはずです。それがいつの間にか、財産や名誉の象徴になり、投機の対象になり、高額のローンを払うために、子どもを外に預けて夜遅くまで働いて家族がバラバラになってしまうという状況が起きています。
もう一度、暮らしや住まいの原点に立ち戻るということを、今年はみんなで考えたいと思うんです。
タイニーハウスは小さいだけに、住む人がいろいろと工夫していくことが大事ですし、それが楽しさでもあります。設計する時も『楽しい家って、どんな家だろう?』と発想するのはきっと楽しいでしょう。
小さな家をどう楽しくするかを考える。今年はそんなコンテストにしたいと思っています」
タイニーハウスを考えることは「暮らし方」を考えること
昨年のコンテストで村長賞に輝いた作品は、小菅村に住んで仕事をし、必要な時だけ東京に通うというテレワークの場としてのタイニーハウス。小菅村で過ごす日と東京で過ごす日のタイムスケジュール提案が具体的で、ソフト面のデザインが評価されました。
舩木村長:「もちろん建築物のコンテストなので、建築のプロや建築を学んでいる学生さんなどにもたくさん応募していただきたいのですが、今年はアマチュアの方の夢のある発想にも大いに期待しています。
タイニーハウスを考えることは、建物のデザインだけではなく、『暮らし方』のデザインを考えることだと思うんです。家は寝る、飯を食う所ではなく、一生のうちいちばん長くいる所ですから、どんな暮らしだったら楽しいかなぁという、暮らし方のアイデアを起点に考えてみてほしい。建築の知識や技術がなくても構いません。主婦の方や女性の目線も大歓迎です」
舩木村長:「最優秀賞・優秀賞の他に、特徴的で面白いアイデアは○○賞として評価します。住まい手の楽しい暮らしをイメージしながら、考える方も楽しんでほしいですね」
昨年は、応募の前に小菅村を訪れて好みの立地をリサーチし、小屋を建てる場所まで指定して応募してきた方もいます。実際に自分が暮らす前提で考えると、より熱が入りそうですね!
デジファブ導入!ものづくり村へ進化の予感
一方で、2018年には小菅村の公民館を改修し、子ども図書館やキッチンスタジオ、シェア工房のある複合施設が完成しました。
1階のシェア工房では、最新のデジタルファブリケーション設備を導入し、県外から移住してきた造形アーティストが講師となって、制作活動や村民へのワークショップを開始しています。
デジタルファブリケーションとは、パソコンと接続されたデジタル工作機械によって、デジタルデータを木材などのさまざまな素材から切り出し、成形する技術のこと。つまりはパソコン画面に描いた絵が、そのまま自動的にパーツとして木のパネルなどから切り出され、それを組み立てるだけで家具等がつくれてしまうのです。
夢みたいなタイニーハウスも実現可能?
このシェア工房の設備を使えば、なんと組み立て式のタイニーハウスをつくることもできます。ノミやカンナ、大工の技術が全くない人でも、自分で描いた夢の絵からタイニーハウスをつくることができる日も遠くないかもしれません。
そういった意味でも、今年のタイニーハウスコンテストは、専門的な知識や技術に捉われず、自分自身に身近なところから楽しい暮らしのアイデアを発想していく「暮らし方のコンテスト」だと考えてほしいと舩木村長。
新しい暮らし方を創造しよう!
ものづくりや、自然の中での暮らし・学びの環境が整いつつある小菅村では、住まいの既成概念に捉われることなく、自分の足元から、自分流の「楽しい暮らし」をつくっていけそうです。
第3回タイニーハウスデザインコンテストで、その夢を思い切り描いてみてはいかがでしょうか? もしもその暮らしのアイデアが楽しいものなら、すぐに本物が建ってしまうかもしれません。小菅村にはその場所も、手段も、材料も、すでに整っているのです。
応募者不問!「タイニーハウス デザインコンテスト2019 小菅村×YADOKARI」
応募登録2019/2/28 作品提出3/31 まで
コンテストの詳細・応募申込はこちら
⇒ http://kosuge.yadokari.net/
⇒ http://tinyhouse-kosuge.com/