サウナでリフレッシュ。スウェーデンのスモールハウス「Kvarnhuset」
19世紀の農家の家をリノベーションした、シックでモダンなスモールハウス。建っているのは、北欧・スウェーデンのBjäre 半島で、首都ストックホルムよりも、デンマークのコペンハーゲンに近い自然豊かな場所。
休暇用に建てたという、約50平方メートルほどのこの小さなバケーションハウスの名前は「Kvarnhuset (クバーンフーセット)」、英訳すると「Mill House (ミル・ハウス)」で、和訳すると「製作所」の意味。設計したのは、スウェーデン人の Gert Wingårdh (ヤート・ウィンゴード) 。
黒塗りの外見とは異なり、白いオークの木材をふんだんに使った室内は、天井の傾斜に沿った三角の大きなスライドのガラス窓から、柔らかい日差しが入り、とても明るくなっている。
室内の壁や天井に堅いオークの木材を使用し、床や壁の一部には表面が白い石灰岩を使っている。この2つの異なった素材が、北欧らしいシンプルでセンスのいい空間を演出している。
オープンキッチンからリビングへの段差を利用したビルトインのソファも、床の色に合わせた色調でセンスのよさを感じる。
リビングとワンフロアーになっているオープンキッチンは、少し小上がりになっているので、外の景色を眺めながら調理を楽しむことができる。IHコンロ・オーブン完備で機能的、収納もたっぷりで、ロングバケーションでも不自由なく快適に過ごせそうだ。
リビングの正面は全面ガラス張りのスライド式のドアと窓になっているので、外の景色と一体感があり、室内に広がりを与えてくれる。さらに、太陽の光が十分に入る日中は、非常に明るく暖かい。夜は、窓際にある暖炉が部屋中を暖めてくれる。
2階部分は、屋根裏部屋のようなシンプルな寝室となっている。リビング側の床をスリットして下の明かりを上手く利用している。
寝室の片面の三角の窓から、優しい朝日が差し、爽やかな朝を迎えることが出来そうだ。
このスモールハウスの特徴は、なんといっても室内にサウナがあることだ。
平均気温が氷点下になる北欧ではサウナ文化が根付いている。発祥はフィンランドだが、ここスウェーデンでもサウナは人気。
日本でもサウナがある家を目にするが、ほとんど四角い木の枠に囲まれた異空間が、室内のインテリアの雰囲気とそぐわないことが多い。
今回のバケーションハウスは、室内にサウナを設置することが大前提で設計された。しかし、サウナだけをポツンと取り付けるのではなく、サウナ室とキッチン、リビングが違和感なく繋がり一部屋になっている。内装をオーク材と石灰岩に統一したのも、サウナ室に適した素材にあわせたものだろうと納得。
日本のサウナの内装はヒノキなどを使っているが、普通の階段状になっていてデザイン的には少し味気ない。
しかし、このサウナ室の座る部分は、すのこのように細い木を使って丸みを帯びた曲線にして、座り心地の良さと北欧らしいデザインセンスの良さを演出している。
洗面所の壁も、幾何学模様がアクセントとなって美しい。
サウナに欠かせないのが、火照った体をクールダウンさせるための水風呂。
このスモールハウスの水風呂は、サウナ室のガラス戸を開けた屋外にある。
この水風呂は雨水も利用していて、石灰岩で作られた樋を伝って水風呂の中に雨水を貯める仕組みになっている。水面に浮かぶ落ち葉も風情があり、自然との一体感を感じながらリラックスすること間違いなし。
この休暇用のスモールハウスの特徴は、なんといっても「家にサウナがある」ということだ。それも、インテリアや室内空間を壊すことなく、室内の中に溶け込んでいる。
スモールハウスを作るとき、そのライフスタイルや暮らし、目的が明確になっていると、このような無駄のない設計を実現できるのでは。
このように気軽に利用出来るサウナが家にあったら、仕事の疲れも吹き飛び、リラックスできそうだ。
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