星空や月見に最適。エコロジカルな特許取得の360°回転キャビン

その名もズバリ「Micro Cabana Rotativa(マイクロ回転小屋)」。切り落とされた三角形のキュートなキャビンは、カップルに人気のポルトガルのキャンプ宿泊施設。冬には太陽を求め、夏には西日を避けるようにくるりと回転できます。ゲストたちは、ベッドの前の大きな窓から星空や月を眺めながら、ゆったりと眠りに落ちていきます。

ポルトガル北東部ブラガンサは、モンテジーニョ自然公園の中にある牧歌的な村。回転小屋は、Cepo Verdeというキャンプサイトに設置され、Booking.comやAirbnbで貸し出されています。宿泊料金も、大人2人1泊約3800円とリーズナブル。
マイクロキャビンは、地元の建築家テルモ・カダベスが設計。いとこと大工の友人の助けを借りて、およそ半年かけて建設されました。テルモは、キャビンの360°回転メカニズムの特許を2014年に取得しています。

ブラガンサの代表的な宿泊施設は、伝統的な石積みバンガローとテント。回転キャビンは、隔絶した森の中にあり、新基軸の回転ギミックとプライベートな環境から人気を博しています。
回転キャビンの非対称の変形Aフレームのデザインは、牛に引かれる伝統的な羊飼いのワゴンからヒントを得たもの。400 × 245cmの大きさで、内部の床面積は約8平方メートル。


キャビンは、パイン材や断熱用のコルク、エクステリアを覆う黒いスレート瓦といった天然素材から造られています。室内には、2人用のベッド、テーブル、スツール、収納、ランプと電気プラグ1つというシンプルな設備のみです。



インテリアには、タイニースペースを有効活用するための、多機能な家具がカスタム製作されています。壁には折りたたみ式テーブルがあり、2つのスツールは横に倒すとベンチシートに。これらは、壁から展開する大きなベッドを支える台にもなります。

ベッドは開かれると、室内のほぼすべての空間を占めます。傾斜した面にある大きなガラス窓から、星空を眺めながら眠りにつけるよう考えられたレイアウトです。

キャビンを回転させることで、ゲストはお好みに応じて、森のランドスケープをパーソナライズできます。より日光を取り入れたり、遮ることも自由自在。

キャンプサイトには、レストラン、プール、バーベキュー施設、子供のためのプレイグラウンドがあります。キャビンの外にある専用バスルームも利用可能です。
テルモは、この特許回転機構を商業目的のために利用したいと、熱力学と耐久性テストを行うために、プロトタイプの段階で公開したとのこと。実際に貸し出すことで、ユーザーのフィードバックをもとに改良を加えるスタートアップ的なアプローチです。

ポルトガルはEUの中でも物価が安く、温暖な気候とユニークなカルチャーから、若者の移住者が増えている国です。美味しいワインと食事、温かな人情と哀愁の音楽。住んでみたいな!ポルトガル。