スクールバスを家族の住まいへ「Blue Bird All American skoolie」

via: https://www.windrivertinyhomes.com/

英語には「skoolie (スクーリー)」という単語がある。簡単に説明すればスクールバスを個人で買取り、それを改造したものを指す。つまり、これは多くの場合モバイルハウスを意味するとも言えるだろう。このような単語があるということは、スクールバスを改造する取り組みは、アメリカでは珍しいことではないということだ。

via: https://www.dwell.com/

このスクールバスのリノベを依頼したのは、1児の母であるエリザベスさんとその夫。

今回のスクールバスのリノベプロジェクトに携わったのは、Wind River Tiny Homes (ウインド・リバー・タイニーハウス) という会社で、アメリカでカスタム&持続可能なタイニーハウスビルドとしてパイオニア的な存在だ。

日本ではスクールバスと言ってもあまり馴染みが無いかもしれないが、主にアメリカ大陸やオーストラリアなど、広大な敷地を持つ土地では子供たちの通学専用のバスが走っているのをよく見かける。

via: https://www.dwell.com/

アメリカでは「Blue Bird All American school bus (ブルーバード・オールアメリカンスクールバス)」とよばれ、ブルーと言いつつも車体は真っ黄色だ。もちろん今回のスクールバスも、買い取った直後の改装前の外装はド派手な黄色。

via: https://www.dwell.com/

内部はお世辞にもあまり綺麗とは言えない、非常に機械的な感じがして、ボロボロの状態だった。「本当にここに住めるのか?」と思ってしまいそうなほど。

まず、座席シートで埋め尽くされていたが、住まいのスペースにするためにすべて撤去。バスの大きさ、23.2平方メートルをそのままモバイルハウスのスペースとして広々と使えるようになった。

さて、これが改装後の写真だ。

via: https://www.windrivertinyhomes.com/

「これぞスクールバス」と言わんばかりの真っ黄色だった車体は、シックなブレーブルーを基調に、アクセントとして白のラインを施した品のいい色合いになった。

元々付いていた窓もすべて取り払い、必要な箇所にだけ窓を取り付けた。全面窓だと、室内は明るいが、プライバシーがなくなるからだ。

via: https://www.dwell.com/

車内を見てみると、ボロボロだった室内が驚くほどモダンでおしゃれに変身している。壁は白を基調にして、味のある木材や真鍮などの金属を装飾的に施すことにより、非常にシックで上品な感じが出ている。

キッチンなどの水回りの他、ゆっくりとくつろげるソファーもビルトインして、快適なリビングになっている。実はこのソファーはベッドにもなるので、来客用にも活躍しそうだ。

via: https://www.dwell.com/

もちろんソファーベッドだけではなく、家族でゆっくり眠れるメインのベッドもある。

実際に住むとなると、収納スペースはどうしても必要になるが、このモバイルハウスでは、リビングと寝室の間に幅広くたっぷりとクローゼットをとっているため、収納に困ることもない。

via: https://www.dwell.com/

キッチンは冷蔵庫、コンロ、レンジフードなど、普通の家となんら変わらない設備が整っている。
キャビネットも黒を基調としてシックさを強調している。

via: https://www.dwell.com/

少し黒く加工された重厚な棚板と、それを支える真鍮のデザインもモダンな感じ。外の景色を眺めながら料理ができるシンクと調理台もこのようにバッチリと完備され、快適なキッチンスペースを確保している。

via: https://www.dwell.com/

小さなワーキングテーブルもある。
スタンドアップ式でスペースを省略できるだけでなく、座りっぱなしの姿勢を回避できるため、健康にもいい。欧米では結構人気のスタイルで、日本でも取り入れる会社も増えている。

via: https://www.dwell.com/

この家族は基本的にはアフリカで暮らしているが、冬には、アメリカに暮らす友達や家族に会うために、このモバイルハウスで旅しながら暮らしているそうだ。多住居的な暮らしを追求する上でも、このようなモバイルハウスというのは一つ良い方法と言えるだろう。

via:

https://www.dwell.com/