都会の喧騒から逃れるためのオフグリット小屋「Mono」
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アメリカ合衆国、オレゴン州最大の都市ポートランドから車を90分程走らせた森の中に、ポツンと建っているのが今回のスモールハウス。このスモールハウスのオーナーは、ソフトウェア開発者のステファン・エリオットさん。
仕事でコーディングをしたり、メールや電話をしたりと忙しい日々を送っている彼は、その慌ただしい日々から抜け出し、解放してくれる場所を探していた。
もともとキャンプ好きの彼は、落ち着いてキャンプができる場所を探していたのだが、山奥に出かけるたびにキャンプ道具を車に積んで、降ろして、という作業は面倒くさいし、貴重な「時間」がもったいない、と思うようになった。そこで、キャンプ道具の収納小屋としてスモールハウスを作ろうと思ったのが当初のきっかけだった。
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エリオットさんが建築&デザインを依頼したのは、様々なサイズと用途向けにスモールハウスを販売している、「Drop Structures (ドロップ・ストラクチャー) 」という会社。今回エリオットさんのために手がけたスモールハウスは、「Mono」という製品だ。
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スモールハウスの総面積は13.3平方メートル。
送電線もない大自然の中、太陽光パネルを設置して電気を賄い、環境に配慮した持続可能なモダンなプレハブ小屋となった。
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この小屋でまず目を引くところは、出入り口になるファサードと背面が全面ガラス張りになっているところ。
家の中から視界を遮るものは全くなく、まるで内と外が一体化しているかのような開放感があり、大自然を存分に味わえる。日中は自然光が差し込むため、室内は明るく、余計な電気を必要としない。
「正面と背面が全面ガラス張りということは、プライバシーなどはないのではないか」と思われる方もいるかもしれないが、ご安心を。
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外側からみれば、正面入り口と背面の両側に、それぞれ2枚の大きな木の扉が取り付けられているので、就寝時や人目を避けたい時などは、この扉を閉じてプライバシーを保つことができるのだ。
もともとがキャンプのための「物置小屋」としての役割も兼ねて建てられたスモールハウスであるため、小屋を使用しないときは、セキュリティの面からも、大きな扉で守られている。
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狭い室内ながら、収納スペースの工夫と機能性のアイデアが随所にみられる。上を見上げれば、天井には大きなものを置ける棚が吊り下げられており、スペースを有効活用しているのがわかる。もっとも目を引くのがハンガーボードを利用した棚だ。
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置きたいものに合わせて自由に棚の長さや、棒の位置を調整できるため、薬やコップ、キャンプ用品や本など整理しておいておくのに最適だ。棒にカゴをぶら下げたり、お皿を立てて収納したり、色々な使いかたが可能で、それを考えること自体も楽しそうだ。
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棚の下には仮眠ベッドもあるため、数日ならここで過ごすことも不可能では無い。周りの景色を眺めながら眠りにつく、なんと贅沢な時間だろう。この時間と開放感こそが、エリオットが望んでいたものかもしれない。
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周りに息をのむほど美しい自然がある。
だからこそ、建設の際、そこに与える影響というものを考えなければならない。それが、自然の中に何かを建設するものの使命であり、ミニマリズム的な精神の基本でもある。
このスモールハウスは環境保全の面からも、素材をよく厳選して小屋を建てた。もし、なんらかの原因で火災が起きてしまったとしても、大気汚染物質を出さない素材、単純に大きなキャンプファイヤーとなるような素材を選んだ。
プレハブ構造なので、この完成形をそのまま持ってきて、クレーンで吊り上げて、あとは簡単な取り付けとユニットのセットアップをすればわずか4時間ほどで取り付け可能。この手軽さと、後々のことも考えた設計ができる点が、プレハブタイニーハウスの利点と言えるだろう。
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