屋上ハンモックでお昼寝。キュートなスクールバスのモバイルホーム
バンライフは、トラックやバスに住んでもバンライフと呼べるみたいです。ちょっと短めのレトロなスクールバスは、アメリカの若い夫婦がDIYでコンバージョンしたもの。屋上デッキのハンモックに揺られながら、日光浴や星見が楽しめる快適モバイルホームです。
爽やかなミントブルーにペイントされたスクールバスは、ミシガン州ホランドのベン・タッカーとマンデの若い夫婦がオーナー。2人は定職と住居を持ちながら、1992年製のインターナショナル・スクールバスを改造して、2017年からバンライフをはじめました。
ベンは以前に、友人たちとコンバージョンしたスクールバスで各地を巡り、ボランティア活動を行っていました。地元に戻りマンデと結婚した後、2人はアウトドアアドベンチャーを探求するために、中古のスクールバスを購入します。夫婦は夜と週末にDIYを行って、約7カ月かけてコンバージョンを実行しました。
全長7.3m・幅2.1mのモバイルホームは、児童図書『シャーロットのおくりもの』の登場人物から、Fern(ファーン)と名付けられました。かわいらしい印象のちょっと短めの胴体は、市街地や荒野での取り回しにすぐれています。
室内を明るく開放感のある雰囲気に保つために、2人は壁に水平方向の杉の板と、白く塗装した松の垂直パネルを組み合わせました。フローリングにはアカシアの堅材を、キッチンカウンターには厚手の集成材のブッチャーブロックを使用。ホワイトと杉の自然な色合いに、ライブエッジの木のアクセントが絶妙なカラーパレットです。カーテンは銅のレールと白いリネンで構成。エクステリア、インテリアともに、やさしいフェミニンな印象が漂います。
バスには、シーティングエリア、キッチン、フルサイズのXLマットレスと、後部ドアからアクセスできるアウトドアギア用のベッド下収納を備えています。ビルトインソファは、マンデが元のバスの座席からフォームを取り出して自分で縫製したもの。「ここはスローダウンして、心をクリアにするための空間にしたかったんです」とマンデ。
キッチン上の棚には香辛料が並び、瓶の底のマグネットが天板に張り付くので、移動中にもガタガタいいません。キャビネットのノブは石でできていて、フルサイズのコンロは1950年代のRVから取り出されたもので、見事にぴったりとマッチしています。
屋外シャワーはタンクレス給湯器を通って配管され、キッチン向かいのミラードアのクローゼットの中には、ポータブルトイレが隠されています。キャビネットのカウンター下には冷蔵庫があります。95リットルの給水タンクがキッチンとシャワーの水を供給し、95リットルの排水システムと連動。プロパンタンクで、タンクレス給湯器とオーブンレンジに熱を供給しています。
ファーンの一番の自慢は、2枚のパドルボードが収納できる杉の屋上デッキ。4本のハンモックポストを取り付けてハンモックを吊るせば、昼寝をしたり満天の星空を見上げることができます。天気のいい日には、後部ドアにある梯子をつたってデッキに登り、屋上ピクニックが楽しめます。
「スモールスペースでは、人はより自然と調和します。わたしたちは、昼と夜の自然のリズムと天気のムードを大切にして、スローなペースを受け入れています。ロードライフのシンプルさこそが、最大の贈り物といえます」と2人は語ります。
とはいえ、1年少しの間に16,000kmを走破してきたカップルと愛犬のペニー。2018年5月にはファーンの新しい同乗者、息子のソーヤー君も誕生。赤ちゃんと一緒のバンライフは大変そうですが、2人はどこか余裕しゃくしゃくの様子です。
3人+1匹を乗せたスクールバスは、ロードトリップの間にも着々と進化を遂げているそうです。地元の友人カップルも、ファーンの姉妹バスをコンバージョン。バス友とのショートトリップも楽しそうです。