第2回:Hazel Atlas|アメリカンヴィンテージ・グラスウェア
ポップな水玉やストライプが可愛い今回のグラスウェアはHazel Atlas。前回は、Anchor Hocking社のFire Kingをご紹介しましたが、ブランド名が有名になったFire Kingと違って、Hazel Atlasは会社名。そんなHazel Atlas社のグラスウェアをご紹介します。
Hazel Atlas Candy Stripeのマグ
Hazel Atlasの歴史
Hazel Atlas社は、1902年にHazel社とAtlas社が合併され誕生しました。その元となる会社は1885年、ウェストバージニア州に誕生。1885年というと日本は明治18年、アメリカはまだ建国から100年ちょっと、西部開拓時代です。
1929年に始まった世界大恐慌に飲み込まれるように、次々と数多くの会社が消えていってしまったのに対し、Hazel Atlas社はその時代重宝された、家庭用の実用的なグラスウェアを生産していた先駆者だったので生き残ることができたようです。
1902合併当時は果物や食料品を保存する瓶などを生産していましたが、他のガラス会社も同じような製品を生産していたのと、会社を拡大する目的で、1923年からディナーウェア関連のグラスウェアを生産することにしました。その当時、家庭用のグラスウェアというと高価なものが多かったので、シンプルでなおかつ手頃な値段で手に入れやすい製品を販売することにしました。その結果、色のカラフルなHazel Atlas社のグラスウェアは瞬く間に大人気に。残念ながら、Hazel Atlas社は1956年に他社に買収されてなくなってしまいましたが、今でもたくさんのコレクターが、Hazel Atlas社のグラスウェアをコレクションしています。
透き通るような特徴のあるシャーベットカップ
Hazel Atlasの種類
Hazel Atlas社のグラスウェアで有名なのは、Candy Stripe 、Moderntone、Rippleシリーズや、子供用グラスウェアの「チャイルドシリーズ」が人気。Candy Stripeはその名の通り、カラフルなストライプが目印。Moderntoneはグラスウェアに色を焼き付けたグラスウェア。Rippleはグラスウェアの縁がフリルのようになっています。チャイルドシリーズは、子供用のマグやボウルなどの製品で、可愛らしい動物などが模様になっています。
子供用のマグとシリアルボール(ディープ)
他にも、ままごとセットやシリアルなどの商品を購入した際に配ったおまけのものもたくさん存在。Hazel Atlasはかなりの数のシリーズがあるので、集めるのが大変。しかも、ディナーウェアやグラスだけではなく、瓶やガラス容器、灰皿まで多岐にわたります。
ヴァセリングラスの通称リフ。
昔はこういうガラス容器に食べ物を入れて冷蔵庫で保存。
そして、大恐慌時代にこぞって作られたDepression Glassの仲間の通称ヴァセリン(ウラニウム)グラスもあります。これは、少量のウランがガラスに入ったもので、ブラックライトに照らすと独特のグリーンやイエローカラーが浮かび上がって見えるのです。ウランと言えば真っ先に思い出すのが核燃料。原子力発電所で使用されるものが思い浮かぶかもしれませんが、ウランと言っても人体に影響のない量なので、普段使用しても大丈夫なグラスウェアなんですよ。
Hazel Atlasの目印はHの下にAが入ったマーク。グラスウェアによってはついていないものもありますが、Hazel Atlasのグラスウェアを探す場合はこれを目印に探すと間違いないナシ。後は、先ほども説明したシリーズもので探すもの見つけやすいのでは。
これはゼリーの型。Hazel AtlasのHAのマークが底についています。
アメリカのヴィンテージグラスウェアと言えばFire Kingばかりが取り上げられてしまいますが、日本ではHazel AtlasのグラスウェアもFire Kingに負けず劣らず人気。Fire Kingを集めている方でも、他のものも集めてみたい!と言う方、Hazel Atlasもお手頃で可愛いコレクションになること間違いなしです。