木製かつモダン。タスマニアのスモールキャビン「Freycinet Lodge」
ここタスマニアは、オーストラリアでもっとも住みやすい都市として有名な、メルボルンのさらに南にあるオーストラリア最南端に位置する島。自然豊かなこの島の、東海岸に位置するColes Bay (コールス・ベイ) 沿いの森の中に黒く、シックで、モダンなスモールハウスが建てられた。
この森はフレイシネット国立公園で、ここでのキャビン型宿泊施設は、1990年代から30年近く前から始まっている。当時から60棟のキャビンがビジター用に建てられていた。
そして現地の建築会社ルミナル・スタジオによって、この公園内に9棟が新たに建築され、その中の一つが今回紹介するこの「Freycinet Lodge (フレイシネット・ロッジ)」。
黒い外装に、カーブしたガラス窓、それにオーストラリアらしい木材が融合した非常にスタイリッシュなキャビンが完成した。
木材はオークの木と、オーストラリアのユーカリの一種であるアイロンバークという密度が高く硬い木材を使っている。つやつやとした素材がモダンな雰囲気を表現するのに一役買っている。
ガラス窓や、黒い外壁が周りの自然を映し出し、この海岸線沿いの自然の風景をその身に纏っているようだ。
中に入ってみると、期待を裏切らないモダンな暮らしが広がっている。
森の木々と、ウッドデッキの延長線であるかのように、木を基調とした内装で、室内も有機的でなめらかなな感じを受ける。基本的に建物の外壁の大半がガラスでできているため、中と外との境界があまりなく、まるで大自然の森の中に住んでいるかのような感覚になる。
日中は太陽の光を室内にふんだんに取り込むことができるため、照明に頼る必要もあまり無い。
ソファーでくつろぎながら、周りの木々の間からオーストラリアの美しい海の景色を眺めることが出来る。
奥にはキングサイズのベッドが入る寝室がある。
照明の使い方も面白い。木の壁に一筋の輝くラインが走っており、それがこの部屋のメインの照明となっている。
このようなライトワークで、この家とその暮らしがさらにスタイリッシュなものになっている。
ここは、もともと「持続可能な生活」という概念が始まったタスマニアという土地だ。
もちろん、このスモールハウスがそのままそうというわけでは無いが、少なからずその概念が息づいている。
このスモールハウスもこのようなモダンな作りながら、もちろん環境に配慮したエコフレンドリーな作りをしている。例えば、この家のすべての要素、つまりデザイナーから素材、内部の家具やアート作品まで全て現地のものを使用している。
この家のもう一つ大きな特徴と言えるのが広いウッドデッキだ。家はコンパクトに抑え、このウッドデッキを家の延長と捉えて有効活用している。
例えば、このデッキにテーブルを置いて食事をすればダイニングになり、いつでも新鮮な空気とともに最高の料理を味わうことができる。また、ウッドデッキの死角のスペースにはバスタブを設置していて、天気の良い日などは湯をためて露天風呂なども楽しめそうだ。
ウッドデッキのエッジの回りには、転落防止用の柵の代わりにネットを取り付けている。このネットがハンモック代わりになって、リラックス空間を演出している。
スモールハウスのメリットの一つは「どこでも建設可能」ということだ。
モダンな暮らしを堪能しながら、大自然の森の中で自然と一体になるように生活できる。スモールハウスは、捉え方によってはポテンシャルがあり、使い方によっては多くの可能性を秘めていると思わせてくれる。
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