経済も環境も。持続可能なスモールハウス「the indigo cabins」

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ここは水と水車とオレンジの国、オランダ。

オランダに本拠を置く、建築会社のwoonpioniers(ウーンパイオニア)が設計したのは誰もが簡単にカスタマイズでき、持続可能性も考えたモジュラー型のスモールハウスだ。

デザインはスモールハウスに採用されるオーソドックスなフォルムのものといってもいいだろう。

正面玄関の全面は全てガラス張りにしており、デザイン的に美しいだけでなく、開放的な雰囲気を作り出し、室内全体に太陽の光を取り込むことができるため、日中の室内が電気を使わずに自然光で明るくなる。

持続可能性に関しては、実際に住む人と地球にとっても健全であることを目的として、このスモールハウスでは人工的で毒素を発生させるもの、資源に限りがあるものをなるべく使っていない。
多くの材料を木材や植物の繊維素であるセルロース、わら、麻の繊維、羊毛、土などの有機素材で作っている。

実際に室内は白い木目調の壁で貼られており、自然の温かみが十分に出ている。

つまり、これらの素材は簡単に育てることができて、使った後は土に戻すことができる。

基本的には半分吹き抜け、半分はロフトとなる形で2階部分があり、ここは基本的に寝室に使うのがスタンダードだ。

家正面の多きな窓がこの2階部分まで伸びてきており、周りの自然を望むことができる。
屋根に付けられた天窓もあり、朝になれば自然光がベッドを照らすため、自然に眠りから覚めることができるのだ。

このスモールハウスはできるだけ小さめに建てて、もっとスペースが必要であれば拡張することもできるし、逆に余分ならば縮小することができる。

さらに、建物の寿命がくれば、簡単に解体でき、それを土に返すことができるので、実質的に環境のダメージはゼロ。
また、必要となれば、すぐに生産できる素材を使うため、建築物を組み立て直すこともできる。

モジュラー型にすることで、使う素材を減らし、建築する労力も減らし、さらにコストを削減することにもつながる。

また、このようにコストが下がることでマスプロダクションが可能となり、この製品をより多くの人が使うことができるようになるのだ。

モジュラー型なので、バラバラの材料を現地で組み立てることになるのだが、難しくはなく、ほとんど誰でも簡単に建てることができるようになっているという。

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モジュラー型では、購入者が自分自身でビルドしていかなくてはならない。
自由に建てることができるため、カスタマイズ性は上がるものの、一方であまりにも自由すぎるとどう建てたらいいのかということを迷ってしまう。
その点に関しても対策は万全で、このキャビンを建築するにあたって、購入者はwoonpioniersのサポートを全面的に享受することができるのだ。

キャビンを建築する土地の気温や、太陽の位置を年間を通じて調べ上げ、そこの自然環境や、ライフスタイルを考慮に入れていく。
それらのデータをコンピューターに入れ、分析させ、様々な建築に関してのシナリオを作っていき、それを洗練させ、実現可能な形で最終案を練っていく。

また、woonpioniersは太陽光パネルとバッテリなどの電力装置や雨水のシステム、コンポジットトイレや塩生植物などを有効活用した「オフグリッド」の家つくりに関しても力を入れている。

キッチンやシャワートイレなどの設置もこれで自由自在となる。

これらを活用すれば、僻地でも、インフラに頼らずに自分の力で生活していくことができるようになる。

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絶対とまでは言わないものの、スモールハウスの文化が育つためにはやはり多くの人が実際にそこで暮らす人が多く必要となるだろう。
そしてもちろん、ミニマリズム的な観点から持続可能性を放棄してはならない。
今回のスモールハウスはそのどちらもクリアした、非常に現実的で画期的な住まいだといえるのではないだろうか。

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QUOTE

経済性と環境性。
どちらもクリアした、非常に現実的な素晴らしいキャビンだ。