自然の風に癒されて、エコでシンプルな別荘暮らし

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最近、自然の風を感じながら、眠った記憶はありますか?

日中はとてもとても元気に鳴いていたセミの音や車の音も静かになる夜。最初は少し暑くて寝苦しくても、徐々に気温がおちてくるとかすかに涼しくなってきた夜風が開け放した窓から入ってきます。その風を感じながら、自然に眠りにつく。朝は、鳥の声と陽の光、そして輝くような一日を予感させる爽やかで穏やかな朝風で目覚める。贅沢ですね。そんな素敵な体験をしてみたくありませんか。

もちろん、日本国内にもそんな素敵な体験ができる場所はたくさんあるとは思いますが、今回お勧めしたいのがインドネシア・バリにある高床式の別荘です。バリ在住の建築家Alex Dornierが展開している自然にプレハブ工法で建てられている自然に優しいStilt Studios (高床式のステューディオ)と名付けられたこのプロジェクトは、変わった形の場所や難しい地形の建設予定地でも、建築ができることを体験できる空間を産み出す試みです。

17,500以上の島々から成り立っている国、インドネシア。この国ではすべてが建築向きの場所とは、言い難い状態です。Dornier はこの建物であれば、遠く人里離れた場所でも素早く建てられると提案しています。この建設方法こそ、地域の皆さんが待ち望んでいた経済発展の後押しになるでしょう。

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Dornierは、吊るした伸張性のある構造に様々な変化を加えています。そして、別荘の正面デザインはそれぞれに趣きが異なり、デザインと素材に関してはカスタマイズもできる様にもしました。

「僕達はマルチレベルソリューションや大きさが違う別荘を建築することに取り組んでいる。このプロジェクトのコンセプトは増築したり、別棟を建てたり、拡張可能であることだから。また、別荘に共通していることは小さいということとコンパクトであるということ。地面から離れるという体験を提供するために最小限のスペースに減らす必要があったから。」と彼は説明をしてくれました。確かにベットルーム、キッチン、そしてバスルームもコンパクトでミニマルです。

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風を感じながら、眠れるシンプルなベッドルーム。でもよく見ると、脱いだ衣類をいったん入れておけるスペースや服をかけるスペースもあります。洗った服をかけておいて、乾いたら着る。すこし汗ばんだときは、すぐには洗わず、服をここにかけて、風で乾かしてまた着る。そんなエコで効率がよい暮らしもできますね。

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食事やお茶、仕事をするテーブル。ここでも風を感じながら、暮らすことができるようにしてあります。また、その横にはクローゼットも用意されています。最小限のものしか入らないクローゼット。ここに入れる荷物は厳選されたお気に入りのものだけにしましょう。スペースがないことが、ここで過ごす時間をシンプルかつ豊かにしてくれるはずです。

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天然資源の使用量を最小限にする仕組みに加えて、他にもサスティナブルな工夫があります。例えば、建物の中で直射日光による太陽熱の影響を減らすために屋根は大きく突き出しています。雨水は貯めて使えるようにしてあります。風は、風上から入り、風下へと、建物の中に風が吹き抜けるシステム。電気はソーラパネルを活用しています。そして、この高い場所にある別荘では、建物を包み込むような緑の草木の下で、植物や食べ物が育つことができるようにと気配りがされています。素敵ですね。この別荘に1週間滞在してみると、いままでの人生観が変わるかもしれません。

 Dornierはいつか彼の事務所をこのStilt Studioに移動させたいと考えています。その時はこの森から木を一本も減らすことなく建築する予定です。

 彼はこれらの別荘のほかに、外観に竹と草をふんだんに使ったビーガンレストラン、再利用した木で建てた家、そしてトラックのタイヤをリサイクルした天蓋があるレストランなどのプロジェクトをバリで取り組んでいます。こちらも併せてぜひ訪れてみたいですね。

 

project info:

name: stilt studios location: bali, indonesia function: prefabricated villas design: alexis dornier instagram: @stiltstudios, @stiltstudios.designs, @alexisdornier

 

via: designboom