オフグリッドハウスの作り方「funky piece of property」

via: https://www.dwell.com/

Suzanne Shelton(スザンヌ・シェルトン)はカルフォルニアに本拠を置くShelton Group(シェルトン・グループ)という会社のCEOだ。

このShelton Groupという会社は環境に焦点を当てて頑張って取り組んでいる企業や組織、個人を支援する会社だ。

2009年にテネシー州にあるSharps Chapel(シャープチャペル)というコミュニティーのそばの池にオフグリッドのパビリオンを建設しようとした際に、そのようなクライアントに対してアドバイスをするのは簡単では無いと悟った。

そんな中、この川沿いに気軽に楽しめる小さなキャビンがあるといいと思いつき、それを実際に制作するに至った。

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この建築物の名前は「funky piece of property(ファンキー・ピースオブ・プロパティ)」

木材を縦にして、所々に穴があいたあみあみになっている壁がなんともお洒落でかっこいいしどこか日本的な雰囲気もある。

作りや構造は極めて簡単だ。
鉄のフレームで構造を作り、そこに虫除けの網戸を貼りつけ、さらに事前に作られたシダのパネルもフレームに付けていくだけ。
組み立てるのにかかった時間はたった3日のみ。

作りとしては非常に単純だが、気軽にふらりとよってゆっくりと時を過ごすことができる素敵なキャビンが完成した。

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場所の利点、地の利を生かすために建物はなるべくオープンにしているが、やはり水辺ということもあり、現実問題として虫が非常に多い。
そのため、このような場所に網戸をつけるのは非常にいいアイデアだと言える。

オフグリッドのキャビンを作成する際に苦労したことは雨水や太陽光をどのようにするのかということだった。

また太陽光発電パネルを設置するのは非常に手間なだけでなく高価であった。

また太陽光パネルで発電できる電気には限りがあり、それをやりくりするのも大変であった。
通常のAC(並列)システムでなく、DC(直列)システムを導入することで電力の消費を防いだ。
さらに、それをACに変えるインバーターを通して家電製品に繋ぐと、インバーターの部分でさらに電力が大幅に消費されてしまうため、そもそもDCで稼働する装置や機器を購入し使うなどの工夫もした。

それでも使う全電力の30%を使うために、40本以上の木々が倒されてしまう計算になってしまうなど、本当にエコでオフグリッドな家とはどういうものなのかと考えさせてくれるきっかけを与えてくれるスモールハウスとなった。

そのような問題がたくさんあり、結果として10,000米ドル(およそ100万円ほど)の追加費用が必要となったが、このように努力をしたプロセス自体は無駄ではなかったという。

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そのような努力を繰り返した結果、家にワイヤーを引いてこなくても十分な量のエネルギーを生み出すことに成功した。

それはもちろん、エネルギーをどう生み出すかということもあるが、家に対して本当に必要な機能はなんなのかということを考え直して、家にかかる余分なエネルギーを削っていくことで、必要となるエネルギーは減らしていくことができる。

また、そのスモールハウスの使い方次第で「どれくらいの使用頻度、滞在期間なのか」ということもあらかじめ決めておくことで必要とされるエネルギーを減らしていくことができるだろう。

スモールハウスは、その特性として「場所を選ばない」というものがあり、僻地にも設置しやすい点が大きなメリットではあるが、そのような選択をした場合は、エネルギーの観点からオフグリッドハウスにするというのが現実的な方法としてある。

もちろん、それは決して簡単なことでは無いが、しっかりと計画を決めて、知恵を絞ることによって思い描いた夢は、現実となり得るのかもしれない。

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