【イベントレポート】\鶴川団地センターシネマ Vol.1/ みなさん、さようなら 僕は一生、団地の中だけで生きていく

東京都町田市にある「鶴川団地」で新たに暮らす「コミュニティービルダー」が団地住民や町田市民と共に団地の新たな魅力を創造・発信していく取り組み「鶴川団地プロジェクト」。

コミュニティビルダーの石橋さん、鈴木さんと共に、さまざまなイベントを行っていますが、10月24日には初の映画イベントを開催!

会場となるのは団地の賑わいの中心でもある鶴川団地のセンター広場。そこにスクリーンを作り行われた野外上映イベントの模様をレポートします。

準備に奔走!

センター広場での映画イベントは初めてということもあり、試行錯誤をしながらの設営です。

スクリーンが張られると、イベントの雰囲気もグッと盛り上がってきます。

スタッフが設営する中でも、日曜の夕方ということもあり、子どもたちも元気に走り回っています。

中には「何するのー?」と聞いてくれる子も。

コミュニティビルダーの鈴木さんも鑑賞席の区分けや椅子のセッティングやなどで大忙し!

どうするのが見やすいか、どうしたら居心地よく鑑賞できるのかも悩みどころです。

日も暮れ始めたころ、設営も完了。

この日の午前中に出来上がったばかりの「チャリンコ屋台」も登場。

来場してくださった方に配る予定のお菓子をディスプレイ。お祭りっぽさも出てきてなんだかワクワクしてしまいますね。

また、夜は冷え込む可能性もあるということでカイロもお渡ししていました。

開場時間になると団地のみなさんが少しずつ受付に。

もちろん消毒、検温など、感染対策もバッチリです!

上映する映画は……?

この日、上映したのは2013年に公開された『みなさん、さようなら』。団地を舞台とした物語です。

時は1981年。主人公の渡会悟が通う芙六小学校から107人の生徒が卒業した。卒業生は全員芙六団地の住人。団地の敷地内には商店街があり、八百屋、本屋、服屋、理髪店、ケーキ屋などがあり、団地の外に行かなくても生活することができる。

そんな環境下にいた悟は、中学校には行かず、団地の中だけで生きていくことを決意する。

中学校は1日も出席しないまま卒業。団地内にあるケーキ屋に就職し、変わらず団地から出ていかないまま。しかし、団地で暮らしていた同級生たちはひとり、またひとりと引っ越していく。

20歳になっても団地から一歩も出ない悟。実はそれには理由があった--。

主人公の悟の13歳から30歳までを演じたのは濱田岳さん。悟の同級生で婚約者の早紀を倉科カナさん、悟の親友・憲明を永山絢斗さん、悟の隣人で悟を誘惑する有里を波瑠さん、義理の子どもに虐待を繰り返している男・堀田を田中圭さん、と豪華キャスト。

子どもから大人までの悟を演じても違和感を抱かせない濱田岳さんの演技は圧巻ですし、さわやかな役柄を演じることが多い田中圭さんが他に類を観ない悪役を演じているのも注目ポイントのひとつ。

監督は『アヒルと鴨のコインロッカー』などを手がける中村義洋さんです。

上映中の様子は……?

映画の上映は定刻の17時半からスタート。

事前に予約をされていた方だけではなく、「いまからでも席ある?」と飛び入りで参加してくださった方も多くいらっしゃいました。

また、通りがかりの人や、商店街の人たちの立ち見も!

こんなふうに気になったから足を止めて観てみる……ということができるのも団地の広場で行う野外上映会のいいところかもしれませんね。

上映会途中で足を止めて立ち見をされていた住民の方からはこんな声も。

「今までこういう機会がなかったので、またやってもらえると、団地も周りも活性化していいのかな、と。団地内でのお祭りもずっとなかったのでこういうイベントがあるのは嬉しいですね」

……と、早くも、次回の上映会への期待の声が聞かれたのでした。

最後に、コミュニティビルダーの鈴木さんに感想を伺いました。

鈴木さん:日が暮れる時間帯からの上映のため多少冷えましたが、中には防寒対策をしっかりとされている方もいらっしゃって、観にいくための気合いというか用意周到さに良い意味でやられてしまいました。(笑)

鶴川団地センター名店街での上映はとても開放的だったので通りすがりの人にも気づいてもらいやすく、かつ出入り自由という点は、ある意味ひとつの気づきになりました。

「今日何かやってるんだ、ふらっと立ち寄ってみようかな」という環境が自然と作れるので、鶴川団地周辺に住む方々にとって容易くイベントにご参加いただけるのは、この広場の魅力だなと思いました

大小問わず色んな規模感で、継続的にイベントを開催しながら、地域住民と活発なコミュニケーションや関係を育んでいきたいです。

無事に終了した第1回鶴川団地センターシネマ。次回は鶴川団地の住民のみなさんとどんな映画を一緒にみることができるのでしょうか。楽しみです。