【イベントレポート】これからの鶴川団地に想いを込めて 鶴川万福祭
コミュニティービルダーが鶴川団地で暮らす人や、町田市民と一緒に、鶴川団地の新たな魅力を創造・発信していく未来団地会議「鶴川団地プロジェクト」。
鶴川団地で暮らし始めてもうすぐ1年となるコミュニティービルダーの鈴木さん、石橋さんはこれまで、団地の人たちとイベントやインタビューを通してさまざまな交流を行ってきました。
そして、3月6日には鶴川団地内のセンター広場で鶴川万福祭(つるかわばんぷくさい)を開催!
万福とは、「数えきれないほどのさまざまな幸福」という意味です。
2022年になり、季節は冬を越え、間もなく春を迎えようとしています。あっという間に過ぎていく時間の中で、なかなか周りの環境についてだったり、自分のことをじっくり考える時間が取れない方もいるのではないでしょうか。
今回は改めて想いを「絵馬」としてアウトプットし、団地に暮らす人みんなで「これから」に想いを馳せるイベントです。
絵馬企画のほかに、ライブやえほんの読み聞かせ、音楽教室の駄菓子屋さん、おりがみコーナーなど、企画満載!
そんな万福祭の様子をレポートします。
絵馬に子どもも大人もワクワク!
晴天のもと、石橋さん、鈴木さんを始め、スタッフは朝から準備で大忙し!
鈴木さんは風船でセンター広場を彩っていきます。ピンクの風船は一足早く桜が咲いたようで気分も華やぎますね。万福祭スタート前から、準備の様子に興味津々の表情を見せるお子さんもいらっしゃいました。
イベントスタートと同時に賑わいを見せたのはやはり絵馬。
絵馬に書くテーマは、「鶴川団地にあったらうれしいもの」、「鶴川団地でやってみたいこと」、「鶴川団地の好きなところ」の3つ。
「やってみたいこと」では「鶴川団地全体で鬼ごっこ」「お笑いライブをやってみたい!」「マラソン大会」などみんなで楽しめるようなアイディアがたくさん。
「あったらうれしいもの」ではあったら嬉しいお店のほか、小さなお子さんの字で「ふうせん」という絵馬も。
さらに、「好きなところ」では「楽しいイベントがあるところ」や「暮らしている人、訪れる人が笑顔なところ」という思わずニッコリしてしまうような言葉がありました。
それぞれの絵馬を見ていると、団地で暮らす人たちの鶴川団地に対しての想いをリアルに感じられるように思います。
絵馬を書くと、お菓子ガチャも回せるということもあったのでしょうか、お子さんたちもたくさん参加してくれたのが嬉しいところです。
音楽ライブでみんなが一体に!
イベントスタートからほどなくして登場してくださったのは、音楽ライブ担当「ハ~モニ~」のおふたり。鶴川育ちのパーカッション・ヒロシさんと、平塚育ちのサックス・山口創士の2人組ユニットです。ユニット名の由来は、セントラル商店街にある「ゼネラレルストア ハ~モニ~」なんだとか。なんと、イベント当日がデビュー日!
軽快な音楽とトークに、大人、お子さん問わず、ぞくぞくと人が集まってきます。
子どもたちに大人気の曲も山口さんのサックスとヒロシさんのパーカッションでカッコよく演奏され、子どもたちもウキウキ。
自然と沸き起こる手拍子。
この日のことが子どもたちにはどんなふうに思い出として残るのでしょうか。
声は出せないながらも、「ハ~モニ~」ならではの振り付けでみんなで体を動かして、手を叩いて……。短い時間でしたが、集まった人たちの一体感はバッチリでした!
ライブ後のおふたりにお話をお聞きしました!
「セントラル商店街にある『夜もすがら骨董店』で石橋さんたちと知り合って、今回声をかけてもらったんですが、『地元で演奏できるなら!』ということで参加しました。鶴川で生まれ育って、いまはミュージシャンをやっているんですけど、ひょんなことから地元で演奏できる機会をもらえて嬉しいですね。
鶴川団地に住んでいるとは言え、イベントには参加したことがなかったんです。
僕が小学生のときに比べると、セントラル商店街や、センター商店街も少しずつ寂しくなってきたな、という印象はあったんですが、初めてイベントに参加してみて活気はあるんだな、って。
どんどん地域にこういうイベントが根付いていって、若い人や、いろんな人を巻き込めば、もっと盛り上がる姿が観られるのかな、って思いました。
こういうイベントがあることで、子どもたちがいろんな文化を触れながら大きくなっていく姿が観られるのはいいですよね」(ヒロシさん)
「(ヒロシさんには)いろいろ連れまわしてもらってるんですけど、鶴川団地で行くとこ行くとこ好きになっちゃってて、僕ももう鶴川から出られないです(笑)
コロナで落ち込んでいる中で、こういう明るい場所があると、普通にみんな楽しいですよね。参加してみて、いろんなイベントができそうな可能性はあるな、と思いました」(山口さん)
子どもたちが夢中!だんちでえほん
ライブに続いて行われたのは、石橋さんと鈴木さんによる紙芝居です。
石橋さんが「紙芝居はじまるよ~!」と言いながら拍子木を鳴らすと、更に子どもたちが集まってきました。
この日は「はなさかじいさん」からスタートし、全部で3つの作品を披露しました。
後ろ姿からでも、子どもたちが集中している様子がよく分かります。その姿に大人たちも思わずニッコリ。
そんな大人たちも「そういえばそんな話だったなあ」と気がつけば紙芝居に惹きつけられています。
途中、ハプニングもありましたが、おふたりの紙芝居が終わると子どもたちから大きな拍手が沸き起こりました。
終了時間まで大賑わい!
紙芝居終了直後からはセンター商店街にある音楽教室「和音の木」さんが駄菓子をたくさんのせた屋台と共に登場。
時間は11時半。子どもも大人もちょっとおなかが空いてくるころ? 紙芝居を観終えた親子で大賑わいでした!
おりがみコーナーにも多くの人が立ち寄りました。
5~7枚の折り紙と、説明書がセットになっているので、その場でお友達と一緒に折る子もいれば、おうちに持って帰ってから楽しむ、という子も!
音楽を聴いて、紙芝居を見て、折り紙を楽しみ、おいしい駄菓子を食べるなんて、楽しい休日になったのではないでしょうか。
住人の方からのリアルな声が嬉しい
最後に、石橋さんと鈴木さんに万福祭の感想をお聞きしました。
「大成功だったと思います! これだけたくさんの子どもたちが来てくれて絵馬があってライブがあって、お菓子があって。めっちゃよかった。この規模感でやるのは2回目なので商店街の人たちとも声かけてくれたりしたのも嬉しいですね」(石橋さん)
「イベントを続けてみて、いろんなプレーヤーさんと一緒にやることで、『こういうことをやってるんだね』って共感をいただいたりとか、『こういうのもできるんじゃない?』という新しい会話に繋がっていて、それが次につなげられるきっかけにもなっているように思います。あと少しずつ、参加してくださったお母さんとかからリアルな感想の声が届くようになって、『またやってほしい』っていう声が直接もらえるようになったのもすごく嬉しかったです。やってることがちゃんとその人たちに日常でワクワクしてもらえるようになっているな、って感じられて」(鈴木さん)
子どもたちの楽しそうな笑顔が印象的だった万福祭。
いつか、この万福祭が鶴川団地の恒例行事になったら……と希望を抱かずにはいられません。