鶴川団地コミュニティビルダー  暮らしレポートvol.18 鶴川団地プロジェクトのふりかえり 〜感性を育む暮らし〜

こんにちは、鶴川団地コミュニティビルダーのおすずこと鈴木です。

…という、暮らしレポートの書き出しもこれが最後になります。鶴川団地プロジェクトがスタートして(鶴川団地に暮らして)3年という月日が経ちました。

楽しみと不安が入り混じった状態で始まったプロジェクトと団地暮らし。振り返れば、人生の転機と言えるほどの沢山の出会いと心豊かな生活を送ることができました。

今回は総まとめとして、以下の3点に関するレポートをお届けします。

・鶴川団地で暮らして良かったこと
・鶴川団地プロジェクトに参画して良かったこと
・偶発的なプロセスを愉しむこと

鶴川団地で暮らして良かったこと

1つ目は、四季折々の景色を楽しめること。

団地内の草花、蝉の鳴き声、金木犀の香りなど、五感で春夏秋冬を感じることができます。身近なところで季節感のある暮らしはとても気に入っています。

〜春〜

〜夏〜

〜秋〜

〜冬〜

2つ目は、気の合うお友だちやご近所さんに恵まれたこと。

中学時代は吹奏楽部に所属していた私。高校時代からダンスを続けている石橋。私たち二人とも音楽や表現が好きという共通点があり、鶴川で有難いご縁がありました。

出会いは、ひとつのカホン。セントラル商店街で聞こえてくるリズム、それに続く演奏。偶然その場にいた私たちは親近感が湧いて、気がつけば踊り出す石橋。最初のコミュニケーションは、言葉ではなく「音楽」と「踊り」でした。

この出来事がきっかけで、その後色んな方々と繋がるようになりました。今では同世代、子育て世代、両親世代、子どもたちなど幅広い交流があります。まるで親戚が集まっているような感覚です。

3つ目は、ご近所さんの子どもたちと触れ合う機会が増えたことで私自身が活力をもらっていること。

好奇心旺盛な行動や素直な感情表現をしてくれる子どもたちと触れ合う中で、日々考えさせられることがあります。子どもたちの表情を見て「私自身がどう感じて、どう在りたいか、何を伝えていきたいか」を感覚的に気づかせてもらっています。

子どもたちと向き合うということは、ある意味私自身と向き合う時間でもありました。

鶴川団地プロジェクトに参画して良かったこと

1つ目は、私たちらしく活動ができたこと。

まずは私たちが心から楽しめることを見つけて、その上で納得感のある活動をさせてもらいました。その背景には周囲の方々の理解と協力があってこそだと思います。

「絵本の読み聞かせをやってみませんか」

URの方からご相談いただいたこの一言をきっかけに、「読み聞かせ+私たちにできること」を掛け合わせたものを考え、地道に積み重ねたことで活動の方向性が見えてきた気がします。特に本、音楽、装飾、お絵描きはいずれも興味関心のあるもので、個人の感性を表現できる場に携わることができたのは貴重な経験でした。

〜スタートダッシュ期の活動風景〜

読み聞かせの活動が定番化したことでいつの間にか、スプラス青葉台、町田シバヒロ、セントラル商店街、平尾団地商店街などに出張する機会にも恵まれました。どこへ行っても共通するのは、子どもたちは果てしなく素直で可愛いらしいこと。読み聞かせをしている時間は、毎回挑戦と驚きと感謝の空間です。

〜出張読み聞かせの風景〜

〜個人での活動風景〜

〜装飾〜

〜お絵描き〜

2つ目は、自分を見つめ直す機会になったこと。

普段出会わないような方々と接点をもったことで「こんな生き方があるのか」「こういう考え方も素敵だな」と、常に新しい発見がありました。変に真面目で頑固なところがある私にとって、人生には色んな選択肢があると気づいて、物事を柔軟に捉えるようになったと思います。

鶴川団地での様々な出会いに刺激を受けて、自分自身との対話も重ねて、小さくアウトプットした3年間。以前より自分を好きになりました。

偶発的なプロセスを愉しむこと

鶴川団地プロジェクトはゴールや答えがない。難しいけど面白い。むしろ自ら「問い」をつくって取り組むもの。その時々の好奇心に身を任せて外に出向き、偶然の出来事を面白がって向き合った結果、今に繋がっているんだなぁとつくづく思います。

3年前の私たちは、現在の活動や暮らしを目標にしていたわけでもなく想像もしていなかったです。正直に言えばどうしたらいいかわからない状態でした。それでもこうやって鶴川団地プロジェクトが成り立っているのは、振り返って思うことが2つあります。

・偶発性を大切にしてきたから。
・虫の目(鈴木)、鳥の目(石橋)、魚の目(YADOKARI伊藤さん)の私たちだから。

ともに暮らすことを決めて伴走してくれた石橋、心揺さぶる機会をつくってくださった伊藤さん、そして出会ってくださった皆さまに心から感謝しています。

本当にありがとうございました。

鶴川団地コミュニティビルダー
鈴木 真由