ミステリーでポエトリーなアートラウンジ「The Garage」

ガラス窓、視界の先に波打つ緑の木々や陽差し、この淡いイエローと、あまりに淡い空のブルー、この距離感。

私はここに佇む。そよ風が包み込み、私を連れ去るまで。
私はここに佇む。太陽のぬくもりが両手を包み、身体に安らぎを与え、その音色が和らぎ、耳を包むまで。
私はここに佇む。やがて私の背にある家は消えて行くだろう。
私はここに佇む。
水の滴り、火の温もり。
木々のざらつき、石の冷たさ。
石炭の熱さ、星の輝き。
目の前の丘は、私の意志で現れる。
心が全てを仕立て上げる。
『ロバート・クリーリー (1926-2005)、ピクチャー』

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米ワシントン州シアトル南西ピュージェット湾のヴァション島 。
湾岸への眺望が開け、またその眺望に溶け込むように佇む「The Garage」は、アムステルダムとシアトルに拠点を持つデザインチームGraypantsの洗練された豊富な歴史を物語っている。

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古い板材は床材になり、自然光やパッシヴな通気を利用し、昼間のエネルギー消費を抑えている。
太平洋北西の空を背景に素晴らしいシーンを創り出す。

The Garageは隠れ家であり、ラウンジであり、瞑想の場、アートスタジオでもある。
エレガントに光り輝く宝石のようで、またシンプルモダンな居住空間でもある。

冒頭の詩(記者邦訳)は、米詩人ロバート・クリーリーのものだが、このThe Garageのプロジェクトデザインプロセスにこの詩的表現を掲げ、AIA(米国建築家協会)シアトル2013において、名誉賞を受賞している。

このプロジェクトのプレゼンテーションフィルムも必見。
ポエティックな空間にミステリーが生まれそうです。

(http://www.graypants.com/project/garagefilm/)
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via:
graypants.com
inhabitat.com
Amos Morgan Photography