湖に沈む夕日を、ベッドから眺めることができる「Sunset Cabin」
カナダのオンタリオ州にあるシムコー湖。この湖のほとりにある建物「Sunset Cabin」。
丘の上にメインの家を持つクライアントの、「ベッドルームにいながら夕日が見たい」という希望は、建築家のテイラースミスによって叶えられた。
メインの建物から少し離れたところにある「Sunset Cabin」は、フルサイズのベッドのある寝室と小さなリビングエリアを備えたシンプルな構造になっている。
4つの外壁のうち3つは床から天井までのガラス窓、まるで湖に包まれているようだ。3つのガラス窓のうちの2つの外壁は、杉のスリットに包まれ、プライバシーが保たれる。スリットとガラス窓にある空間のおかげで、内部からはほとんど壁の存在を感じない。
杉のスリットからは、時間によって角度を変える太陽の光と影を楽しむことができる。屋根には植物が植えられ緑で覆われている為、丘の上のメインの家からは、風景の中に溶け込んで見えるだろう。それは本当の隠れ家のようだ。周辺の木々を伐採せずに建てられた「Sunset Cabin」の自然に溶け込んだその外観からは、野生動物さえも人間の存在に気づかずに近寄ってくる。夜には、まるで森の中のランタンのような役割を果たす。
薪ストーブや、必要に応じて電気ヒーターで加熱することで、年間を通して利用できるので、新緑から紅葉、雪の季節への移り変わりを、まるで自然の一部にでもなったような感覚で体験することが出来るだろう。自然と戯れリラックスする為には、そんなに大きなスペースは必要ないのかもしれない。