100 PEOPLE 未来をつくるひと。 / プレミアムメンバー限定

【対談】暮らしを冒険しよう。「高品質低空飛行」で豊かに生きる。暮らしかた冒険家・池田秀紀さん×YADOKARI|未来をつくるひと〈100 People〉Vol.2

蜂谷智子プロフィールアイコン | 2015.5.26
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YADOKARIメンバーが未来をつくるひと100人に会いに行く対談企画「100 PEOPLE 未来をつくるひと。」VOL.002は、暮らしかた冒険家の池田秀紀さん。結婚式や新婚旅行、住居などの「これからのあたりまえ」を探す冒険を展開しています。熊本の町家 #heymachiya をセルフ・リノベーションしたのち、札幌国際芸術祭2014への参加をきっかけに札幌に移り住んだ池田さんと、YADOKARIの二人がお話します。(進行・構成 蜂谷智子)

池田秀紀さん プロフィール
1980年 千葉生まれ。神奈川、埼玉、東京と、引越しの多い家庭に育つ。大学在学中に独学でウェブデザインを習得。卒業後は広告代理店、慶應義塾大学田中浩也研究室を経て、2006年、独立。2010年には写真家の伊藤菜衣子と結婚し、翌年の熊本への移住を機に「暮らしかた冒険家」を名乗る。高品質低空飛行生活をモットーに結婚式や新婚旅行、住居などの「これからのあたりまえ」を模索中。 100万人のキャンドルナイト、坂本龍一氏のソーシャルプロジェクトなどのムーブメント作りのためのウェブサイトやメインビジュアルの制作、ソーシャルメディアを使った広告展開などを手がける。2014年に参加した札幌国際芸術祭がきっかけで、札幌へ移住。ほどなく生まれた息子とともに、あらたな冒険が始まっている。

僕らは家のなかを冒険しているんだ、と気付いて。

── 池田さんが名のる「暮らしかた冒険家」という肩書き。それは初めて聞くものでありながら、すっと耳に馴染んできます。毎日の暮らしが冒険であること。そして登山家や芸術家のように、暮らしに特化した「冒険家」が存在すること。そのことに思わず納得してしまうのは、現代に住む私たちの多くが、今こそ暮らしに「冒険」が必要なことを、心の深いところでは分かっているからかもしれません。

YADOKARIさわだ 池田さんの講演*1を聞いて、とても心が動かされたんです。住宅をセルフ・リノベーションして、それをウェブで公開する『暮らしかた冒険家』の活動に関しても、東京、熊本、北海道と、いくつもの拠点を移住するスタイルにしても、非常にYADOKARIの提唱することと重なっていて、ぜひお話したいと思っていました。池田さんご夫婦はどういった経緯で『暮らしかた冒険家』を名乗られるようになったのでしょうか。

池田 直接的には移住したことがきっかけです。2011年6月に僕らは東京の渋谷区から熊本に引っ越しました。もともといずれ地方で暮らしたいと二人で思っていましたが、結婚してちょうど半年後ぐらいに東日本大震災があって、その3カ月後に東京を離れようという話になり、全然縁もゆかりもなかった熊本に行ったんですよ。なぜ熊本かというと、同時期に作家で美術家の坂口恭平さんが熊本で新政府を立ち上げるという活動をちょうど始めたところで、これはおもしろくなりそうだという直感で。

YADOKARIさわだ YADOKARIも坂口恭平さんのモバイルハウスというアイデアには、影響を受けています。

池田 坂口恭平さんの活動はアートとしての強い力があります。モバイルハウスは非常に尖った極端な住まいや暮らし方を示しました。選択肢35年ローンで家を買うか、モバイルハウスか。極端な選択肢しかない。いまの日本の閉塞感は実はこの選択肢が少ないことが原因だと思うのです。その間のグラデーションに僕は興味があります。

YADOKARIさわだ 僕らも方向性は同じですね。坂口恭平さんが提唱したモバイルハウスを、アートとしてではなく、一般の人が選べる現実的な選択肢として広めたいという思いがあります。

池田 熊本を選んだのは坂口さんの活動がきっかけですが、僕らは前から地方に移住しようという気持ちがあったんです。だから新婚旅行も、「これからの暮らしに必要なものを探る旅にしよう」と、西日本を1ヶ月見てまわりました。そのときも各地の文化や趣のある建物に魅了され、「東京じゃなくてもどこでも住めそうだ」ということがわかりましたが、「今すぐ」ではないという感じでした。熊本移住の決め手は、物件を見つけたことです。築100年にもなる、廃墟同然の町家。とはいえ家賃は月3万円広さは70㎡。渋谷に住んでいた頃に比べると、家賃が3分の1で広さは倍です。

YADOKARIウエスギ リノベーション前の家の写真をFacebookで拝見しましたが、かなり荒れた状態でした。それを1カ月でリノベーションし、移住するつもりで即決したんですね。

池田 はい、ところが全然予定どおり進みませんでしたね(笑)。当時を振り返ると、まるでリノベーション鬱。毎日埃だらけの顔を付き合わせながら、夫婦喧嘩もたくさんして……。そんな時に『これは冒険だ』と。今までの冒険が未知のフィールドを開拓するっていう意味なら、僕らは高度成長で置き去りにしてきた暮らしの知恵を再開拓しようと、おのずとついてきた肩書きが『暮らしかた冒険家』なんです。

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Writer 蜂谷智子

東京在住。教育系出版社に勤める一児の母。「学び」というと学生時代を思い出す人も多いのでは? でも人との出会いや、新しい分野への挑戦にも、学びがありますよね。この大きな意味での学びを得る体験を、私は「マナビゴト」と呼んでいます。

ここ数年、取材などで日本各地のワークショップや勉強会での取り組みを知り、新しいマナビゴトの波を感じています。昔ながらの知恵と新しいアイデアを融合する数々の試み。そこに未来の暮らしを豊かにする可能性があると思うのです。このコラムではそんな現在進行形のマナビゴトをご紹介していきます!

FB:tmkhachiya

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