Art Is Living Magic.

夏フェスの夜、グラフィティの熱い輝き。「Rock Werchter North West Walls」

EMMAOSLOプロフィールアイコン | 2014.8.18
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「夏といえば、ロックフェス!」という方も多いのではないだろうか?ヨーロッパで最も有名なフェスの一つが、毎年7月にベルギーのウェルフテルでおこなわれるRock Werchterである。4日間の日程で催されるこのフェスは、日につき集客8万人以上という大規模なもの。キャンプサイトは平坦で広々としているが、ステージ自体は、屋外に1か所、テントが2か所という、案外シンプルな構成だ。

今年からフェス会場では、アーティストのアルネ・ケーンズによる、North West Wallsという名のインスタレーションプロジェクトが始まった。その企画とは、積み上げたコンテナにグラフィティを描き、観客にロックフェスでの新たな景観を堪能してもらおうというもの。クオリティの高い斬新なストリートアートが、ロックの祭典の雰囲気づくりに一役買うというわけだ。

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組み立てたコンテナのタワーは計3つ。慎重な建築計画に基づき、積み木のようにバランスよく重ね、単調でなくリズミックな印象を醸し出した。

さらにケーンズは自ら作品をつくるのではなく、キュレーターとして、この場にふさわしいグラフィティを描いてくれるアーティストを5組選出することにした。各コンテナには、スプレーをはじめ、筆やローラーなど、どのアーティストの技法にも対応できるよう、金属シートを貼っている。

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かくしてコンテナは、360°どこからでも見渡せ、またどこにでも描けるカンヴァスに変身。それでは、実際にどんな作品が出来上がったのか、順にみていこう。

アルゼンチン出身のMartin Ronは、ダリやマグリットに通じる、実にシュールでリアルな3-D作品を手がけた。ちなみに肖像のモデルになったのは、会場で働いていたフォークリフトの運転手というから面白い。

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さらに鮮やかなカラーでぱっと目をひくのが、スペインのデュオPichi & Avoの作品。古代ギリシャ彫刻は彼らのトレードマークとして有名。奥には、地元ベルギーのグラフィティアーティストDefoのタイポグラフィックでアブストラクトな作品が見える。

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残り2組も地元からのエントリー。手前は、タトゥーアーティストJen Zieのポエティックな作品。いつもは柔らかい肌に細やかな絵を彫る彼女だが、今回は正反対のことにチャレンジしたようだ。そして奥に見えるのが、一番高く積みあがったコンテナに堂々と描かれたROAの作品。

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ROAは、独自の解剖学的な見方で動物のグラフィティを描くアーティスト。この作品では、鎖でつながれ身動きの自由を奪われた動物の悲痛な様子を描いている。

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こうして動物たちの声なき声を惜しみなく表現するのが、ROAの特徴の一つだ。普段あまり目にすることのない野生の死骸なども、解剖学的な正確さをもって率直にとらえようとする。それはまさに、人間の生きる領域にひそかに持ち込まれた「象の墓場」。私たちの意表をつく作品である。

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North West Wallsの全景はこんな感じ。人間性のポップな一面、シュールさ、そしてダークな部分が、ほどよくシンクロしている。夜になるとコンテナは、ライトを浴びてさらに輝きを増す。人々は大音量の波に浸りながら、アートなラグーンで踊り明かした。

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ロックフェスは、毎年来ては過ぎ去る嵐のようなものだが、North West Wallsはフェスの後も残り続ける。永続性を意識したサイトスペシフィックなアートは、その場がハイである時も、そうでない時も、空間に居続ける責任を背負っているというわけだ。

そして来年のフェスでは、また新たなグラフィティが披露されるそう。今後が楽しみなアートプロジェクトであることは、間違いなさそうである。

Via:
http://www.rockwerchter.be/en
https://www.facebook.com/NorthWestWallsWerchter
http://goo.gl/jd8zsR
http://goo.gl/jOPh2G

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Writer EMMAOSLO

世界の小さな住まい方ライター担当。

大学、大学院と現代美術史を専攻。ミニマルアートのことばかり考えて過ごし、その流れでYADOKARIに行きつきました。

「どんなスペードもハートを内包しているように、ミニマリズムにも独自の温かさがある」をモットーに、ミニマルハウスの新たな可能性を模索中。

HP:emmaoslo

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