オフィスの雑音から逃れる。再生ペットボトルの防音ブースが急成長

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懐かしい電話ボックスのような小さなプライベートブースが、アメリカ企業で流行中です。再生ペットボトルの防音材でオープンオフィスの雑音をシャットアウト。会社の中でのリトリートは、一つの新しい働き方改革の流れかも?

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1平方メートル未満というタイニーな防音ブースを開発したのは、2018年5月にニューヨークで設立された「ROOM」。3,495ドル(約38万円)という価格の「ROOM One」ブースは、わずか1年足らずの間に、スタートアップからGoogle、NASA、SalesforceやNikeのような大企業まで200社の顧客を獲得、10億円以上の収益を達成しました。

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コペンハーゲン出身のROOMの共同創立者、マイズナー・ジェンセン(Meisner-Jensen)は会社名についてこう語ります。
「部屋をつくる会社だからROOMと名付けたわけではありません。人々のプライバシーのためのスペースを確保し、よりよい職場環境のためのスペースを提供したいという使命から、ROOMとネーミングしたのです」。

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「私自身がオープンオフィスで遭遇した問題を解決するために、プライベートな電話ボックスを構築しようと考えました。最初は、換気や音響についてあまり理解していなかったので、ブースの中はひどく暑くなりました。“スウェットボックス(汗箱)”という造語でそれを呼んだほどです」。

ROOM Oneは、ノイズキャンセリングのために、1088個の再生ペットボトルから作られた4cm厚の防音材を使用。ボックスは100%リサイクル可能です。

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1つのブースはフラットパックで出荷され、六角レンチを使って2人で30分以内に組み立てることができます。ROOMは、D2C(Direct To Customer)で中間業者を排し、アメリカ国内に送料無料で配送。100日間の無料返品サービスを実施しています。

ブースの中は、静音性にすぐれたファンと換気システムにより、涼しく静寂な環境を維持しています。
「あえて、つい昼寝をしてしまうほど快適にはデザインしていません。通話やビデオ会議、集中のための一時的なスペースであって、一日中こもってキャンプ生活をするための場所ではありませんからね」とジェンセン氏。

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木製のデスクの奥には溝が刻まれており、スマホやタブレットを立ててハンズフリーでビデオ会議が可能です。デスク上部にはマグネット式ホワイトボードが設置され、メモやアイデアを留めることができます。

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雑音対策や集中のために、従業員にノイズキャンセリング・ヘッドフォンを支給すればいいのでは?という質問に、プライベートスペースの有効性をこう語ります。
「人々がビデオ会議を行う機会はますます増えています。会議中に、背後から誰かにスクリーンを覗かれることは愉快なものではありません。ROOM Oneは、オフィスの中に遮断された環境をあなた自身のスペースとして与えます。それが、物理的な空間でなければならない理由です」。

ROOMは、ブルックリンにあるデザイナーズ・コミュニティのA/D/Oとコラボ。バナナ、パーム、バンブーなどトロピカルなインテリアのボタニカル・ブースを、限定エディションとして販売しています。

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オフィスで手軽にリゾート気分っていいアイデアです。気分転換にもなりますから。

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実際のバナナの葉っぱって、もっと明るい黄緑色なんですけどね。

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「今のROOMの最大のリスクはコピー製品です。ROOMは様々なオフィス家具製品を提供することによって、顧客を囲い込むことができるかもしれません。より大きなプレハブ会議室や、クリエイティブワークのためのパーテーション開発の要請も受けています」とジェンセン氏。

オープンオフィスは、集中作業が必要なクリエイターにとっては理想とは程遠い環境です。営業の電話や上司の叱責する声には、本当にやる気を削がれます。オフィスの中に、逃げ込める静寂な隠れ場所があるというのは、仕事の効率アップやストレスの軽減につながることでしょう。ROOMの急成長の理由は、企業側がそのメリットを確証したからこそでしょう。

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ROOMには、横に倒すと昼寝できる「ROOM Nap」も開発してほしいです。フォード・ヨーロッパが発表したノイズキャンセリング犬小屋のプロトタイプのように、逆位相によるアクティブノイズコントロールが搭載されれば、最高なんですが。

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