【インタビュー】greenz.jp編集長・鈴木菜央さんに聞く、地方移住のすすめかた|日本でも始まっている小さな住みかた。アイム・ミニマリスト

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多拠点居住、ミニマルライフやコミュニティビルドなど、未来住まい方会議でご紹介している、新しい豊かな暮らし。これらの暮らしはまだまだ実践者も少なく、始めてみたいけど少し不安という方も多いのではないでしょうか?この連載では、日本国内の新しい暮らしの実践者にお話をお聞きして、新しい暮らしを始めるヒントをお伝えしたいと思います。

※この記事は、2015年11月27日(金)に三栄書房から発行される「アイム・ミニマリスト」から内容を抜粋しています。

連載第一回目は、greenz.jp発行人の鈴木菜央さん

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今回ご紹介するのは、greenz.jp発行人 / NPOグリーンズ代表理事の鈴木菜央さん。
家族四人で千葉県いすみ市に移住し、東京のオフィスに通っている菜央さんは、家のサイズも床面積150㎡から35㎡にダウンサイズを行って新しい暮らしを実践しています。

「コンクリートが負けている土地」に住みたかった

インタビューはご自宅のウッドデッキの上で行われた
インタビューはご自宅のウッドデッキの上で行われた

未来住まい方会議の読者の方の中には、地方移住に関心が高い方も多いはず。でも気になるのは移住先の決め方です。どのように家や土地を見つけるのか、そもそも移住先の土地はどのように決めていけば良いのか?すごく悩みますよね。
元々世田谷に住んでいた菜央さんはどのようにいすみ市に移動してきたのでしょうか?その理由のひとつとして、菜央さんは「コンクリートが負けている土地に住みたかった」と言います。

鈴木 菜央さん(以下、鈴木) 「僕は東京と比べたときに、完全に資本主義に染まっていなそうな場所を探していて。コンクリートと自然の割合で、コンクリートが完全に負けている場所に行きたかったんですよ。東京からこっちに電車で来ると、東京駅から千葉市に向かってだいたい30分くらいは街の風景が続くんですね。それが千葉を越えて急行の停車駅をいくつか過ぎるたび緑が増えてきて、ここの最寄りの駅まで来るとついにコンクリートとか文明の力が息絶えて、自然が優位に立つんですよ。」

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菜央さんは、2010年まで東京都世田谷区に住んでいたそうです。しかし、東京での暮らしには自分の理想の暮らしとのギャップを感じていたそうです。

鈴木 「世田谷は今でも大好きです。ただ、土地が高いですから、ここで将来根を下ろすことは、想像できなかった。一生賃貸で、もしくは35年ローンを組んで、一生共働きし続けるのか? と考えると、もっと自由な冒険に出たい気持ちになったんです。それと子供の育て方を考えると、ここじゃない方がいいなと思って。当時僕はグリーンズを起業したばかりで稼いでいない時でした、妻が働きに出て共働きで忙しいから、子供が体調を崩すと『どっちが世話をするか』でケンカになるんです。世田谷に住んでいた時の友達家族の大半は、学校に子供が入ったら放課後は学童保育に行かせ、学童の終わる5時に迎えが間に合わないから子どもを次は塾に行かせて、夜9時に駅で待ち合わせてやっと家に帰る、みたいなことをしていたんです。それは僕らのやりたいことではないなかった」

東京よりエキサイティングで、クリエイティブ

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生活コストがかかる東京を離れ、いすみ市を移住先に決めるまでは、成田や奥多摩、逗子方面など様々な土地を見たと言います。しかし、ご縁があっていすみ市の森の中にある大きいログハウスを会社で借りることになりました。そこで出会った人々も移住の決め手になったようです。

鈴木 「ログハウスを借り手から週末になるとそこに遊びに来るようになって、そのうちこのエリアにはクリエイティブでいられる場所を求めてやってきた人たちが大勢いて、映像作家、コンピューターグラフィックの専門家、フォトグラファー、ウェブ関係の仕事の人なんかが、意外といっぱい住んでいることを知ったんです。自然とつながった人の営みがすばらしい土地で、それは風景にも現れています。ゴミはまったく落ちていないし、田んぼも畑も、山も池も、美しい。ある意味、東京よりエキサイティングで、クリエイティブな人たちがいっぱいいて、面白いつながりがあって。そういう理由でここを選んだんです。」

移住するきっかけは偶然でしたが、いすみ市で過ごすうちに土地の魅力に気づき、移住を決めた菜央さん。地方に住むことで高い時で月に2万円支払っていたインフラコストは、5000〜3000円に下がり、家族と過ごす時間も増えたと言います。

菜央さん宅のリビング
菜央さん宅のリビング

地方移住は移住してからも、地元との付き合いや買い物など課題が発生するといいます。地方で暮らすことは都会とはまた違った大変さがあるのかもしれません。しかし、経済的な余裕が増え、地域でコミュニティを作りながら暮らす菜央さんの暮らしは、とても魅力的に見えますよね。

続きはYADOKARI 編集の本「アイム・ミニマリスト」で

鈴木菜央さんのより詳しい暮らし方は2015年11月27日(金)に三栄書房から発行される「アイム・ミニマリスト」の中で紹介しています。
今回ご紹介した菜央さんは、この書籍の中で取材させていただいた方のひとり。「アイム・ミニマリスト」は、YADOKARI が日本各地を取材し、編集を務めた書籍で、greenz.jp編集長・鈴木菜央さんのロングインタビューや、YADOKARI 発のタイニーハウスINSPIRATIONができるまで、など日本各地で始まっている小さな暮らし方をご紹介しています。

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