段ボールチューブが感度を刺激する。シドニーの期間限定「ウルグル・ポップアップ」

via: homes.nine.com.au © Penny Lane

期間限定の仮設施設なら、サステナブルな素材の段ボールを使ってはいかが? シドニー注目の再開発ウォーターフロント・バランガルーに現れた、人気ショップが数多く出店する「ウルグル・ポップアップ」。段ボール紙管を全面的に使って、消費者の環境への感度も刺激する優れたデザイン空間となっています。

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シドニー港湾のバランガルーは、今ホットな注目を浴びている再開発エリア。先住民アボリジナルのエオラ部族の伝説的な女性・バランガルーから名付けられたこの地域は、コンテナ倉庫跡地が整備され、ホテル、オフィスタワー、人気レストランやカフェが立ち並んで、2021年にはカジノも完成予定です。

ウルグル・ポップアップは、シドニーの環境・インテリアデザインのスタジオ、フールスキャップ (Foolscap) が、不動産デベロッパーのレンドリース (Lendlease) と協力してデザイン・施工。特別に設計されたリサイクル段ボール紙管と地元木材の合板を使用し、テンポラリーな多目的スペースをサステナブルに仕上げました。デザインコンセプトは、シドニー港湾の崖やビーチのランドスケープにインスパイアされたものということです。

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段ボールチューブによる連続した波状のファサードが一体感を保ちながら、仮設遊園地のようなワクワク感でビジターを迎え入れます。全長170メートルのポップアップは、リラクゼーション、ミーティング、コワーキング、イベントスペース、屋外映画、貸出図書館などゾーンごとに分けられ、80の小売店や飲食店が出店しています。ポップアップでは特別なプログラムやイベントが催され、地元住民や観光客に、エンターテインメントとローカルカルチャーを提供しています。

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コワーキングゾーンでは、ミーティングを開いてアイデアを共有し、オフィスの外で新しい考え方に取り組む体験ができます。カスタムデザインの家具と照明が段ボールチューブの壁に組み込まれ、多肉植物で装飾されたポケットがリラックスした雰囲気を与えてくれます。

スクリーンゾーンでは、映像上映やデジタル展示会が開催され、暮らしゾーンの緑の中のソファベッドで寝転んだり、食用ガーデンで都市空間の緑化について学んだりできます。

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座席ポッドと壁、機能的な家具も段ボールチューブを使ってデザインされています。段ボール紙管にカットアウトされたポケットを設けて、オーストラリア固有の植物を装飾して垂直ガーデンを構成。食用の植物も育てられていて、採れたてのフレッシュな風味がポップアップの飲食店で味わえます。

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遊歩道にそって並んでいるカスタムデザインの食料品カートには、オーストラリア最高のフードと飲料のベンダーがセレクトされました。エディション・コーヒー・ロースターズ、ジン&イット、リヴァレノ・ジェラート、ベルズ・ホットチキン、マレーシア料理のママック、地元の有名店バークストリート・ベーカリーなどが出店し人気を得ました。バランガルーにパーマネントな路上店を構える前の、ティザー広告や予告上映のようなマーケティングの意味もあったのでしょう。

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ウルグル・ポップアップは、ウォーターフロントという立地にマッチした、環境デザイン・サステナブルデザインが光るプロジェクトという印象です。地域のコミュニティにも受け入れられ、様々な観光客が訪れて楽しめるスペース。シドニーの持つバイタリティや自然の美しさといったカルチャーを、テンポラリーな物語にくるんで日常的な文体で語りかけています。期間限定のポップアップを、非常に効果的にデザインした一例と言えるでしょう。

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