ホントに元廃墟?オシャレでノスタルジックなキャンプ場「Camp Wandawega」

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Via:wandawega.com

木のぼりをしたこと、湖を泳いだこと、おなか一杯になるまでラトビア風パンケーキをほおばったこと……。シカゴの広告エージェントでクリエイティブ・ディレクターを務めるDavid Hernandez さんにとって、少年時代のしあわせな夏の思い出はWandawegaのサマーキャンプとともにありました。

時は流れて2004年、かつてはたくさんの子どもたちでにぎわったウィスコンシン州のサマーキャンプも、時代の波とともに人の流れが途絶え、雑草がはびこり、周囲の建物も荒れるがまま…。サマーキャンプでの楽しかった日々を知るDavidさんは、変わり果てたWandawegaの姿に心を痛めていました。

そんなある日、Wandawegaが売りに出されたことを知ったDavidさん。デベロッパーの手に渡れば、ありふれたコテージの並ぶつまらない湖畔のリゾートに替えられてしまう。この時Davidさんは自らの手でWandawegaを以前のような活気ある場所へとよみがえらせる決心をします。

1925年から始まるWandawegaの長い歴史のうちには、潜り酒場や売春宿など非合法な活動の舞台だった時期も。はじめて現地を目にした時は、その荒廃ぶりにショックを隠しきれなったDavidさんの彼女のTereasaさん。しかし「腐った床の下にはどんな秘密が隠されているのか?」、「元の酒場にはどんなお宝が??」と、Wandawegaに息づく歴史とポテンシャルに、いつの間にか彼女自身も強く惹きつけられていくようになるのです。

Wandawegaを手に入れた後の最初の目標は、夏にここで二人の結婚式を挙げらるまでの状態にすること。空き時間を見つけてはシカゴから二時間かけて現地に足を運び、二人は生い茂った雑草や大量のがれきの処分に明け暮れる日々を送ります。その甲斐あって、荒れ放題だった広い敷地も、その年の夏までにはなんとか結婚式を挙げられるまでに整いました。

それから4年のうちに、カップルのハードワークと大勢の仲間たちの献身的なボランティアのおかげで、Wandawegaは誰もが驚くほどの変貌を遂げて行きます。今では雑誌やカタログの撮影に引っ張りだこの、他に類を見ないオシャレでレトロなキャンプ場として広く世間に知られるまでになりました。

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Via:wandawega.com

Wandawegaの10万㎡を誇る敷地の真ん中には、大きなニレの木を支えに、三階建てほどの高さのシンボリックなツリーハウスが建てられました。ツリーハウスの窓から突き出たニレの太い枝は、まるでオリの中から首を出したキリンのようでユーモラス。枝にくくりつけたワイルドなブランコやターザンロープに、大人もついつい歓声を上げて童心にかえってしまいそうです。

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ここでモーニングコーヒーを楽しみながらバードウォッチングをするもよし、ロフトの本棚から普段は手に取らない長編小説を選んで読むもよし。日が暮れたら外のデッキにランタンをともして、仲間たちと夜更けまで語り合うのも楽しそうです。

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湖のほとりに建つ三階建ての「Bunkhouse」は、1920年代からこの地に建つWandawega Hotelを改装したもの。全12室の客室すべてが異なるインテリアでコーディネートされています。ゲストがうるさ型のインテリアピープルだとしても、これなら満足すること間違いなし!のオシャレな雰囲気が漂います。

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「Bunkhouse」と同じホテルの本館で、禁酒法時代の潜り酒場だったといわれている「Lodge」。今も当時のなごりを見せるだまし扉があったりと、歴史好きなゲストの好奇心を刺激してやみません。ウィスキーを片手に、暖炉の前で大人同士のナイショ話をするにはうってつけの場所と言えるでしょう。

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その他にも昔懐かしいボーイスカウト風のテント、ティーピー、ティアドロップ型のトレーラーなど、ゲストが遊びの途中で休憩したり、昼寝をするのにピッタリな小さな隠れ家が敷地のあちこちに顔をのぞかせます。居心地がよくて昼寝のつもりが気づいたら夜になっていた!なんて失敗も、こんな素敵な隠れ家なら許せてしまいそう。

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フリーマーケットやWandawegaの歴史について、本を出版するほど造詣の深いTereasaさん。キャンプ場に漂う古き良き時代へのこだわりは相当なものでした。マットレス以外、Camp Wandawegaでは60年代より新しい時代の品は見当らないといいます。インテリアはもちろん、電化製品、貸し出し用のスポーツ用品、引き出しのハエたたきにいたるまで、キャンプ場全体をノスタルジックな雰囲気で統一。だからでしょうか?レトロな洋服を着こんだモデルがポーズを決めていても、ここではコスプレを見るような違和感がありません。

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オシャレなベッドルームは用意されていても、Camp Wandawegaはホテル業にはあたらないないとTereasaさんは言います。正しくは「キャンプをインドアでしている」感覚。だから部屋にはシマリスの先客がいるかもしれないし、外のシャワーやキッチンなどの設備も決して使いやすいとは言えません。しかしすべてがお膳立てされた近代的なキャンプ場では味わえない「不自由」こそ、Camp Wandawegaの大きな魅力なのです。大人が子ども時代に帰ることのできるネバーランド、それがCamp Wandawegaへと姿を変えて、現代の大人たちを癒してくれるのかもしれません。

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