自然派作家もうらやむ?公園の木々に隠れる隠れ家「Thoreau’s cabin」

Via: designboom.com
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オランダ中部の街ユトレヒトには、Noorderparkという約24㎢の公園がある。深い緑に囲まれたこの公園には、かつて植物の手入れに携わる人だけが知っていた秘密の隠れ家があるという。それは、人と自然の関係を書いたアメリカの作家ソローが過ごした、森の家を思わせる佇まいをしている。

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その隠れ家は、文字通り人目に付かないように公園の端にひっそりと建っている。もともとは公園のスタッフのための休憩所兼物置として1966年に建てられたのだが、公共の場所である公園に建築物を設置する正規の手続きを踏んでいなかったため、外部の目に触れないようにされていたのだ。

その小屋が近年、建築家の手を経て、正式に公園の設備として生まれ変わったという。

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ひっそりと建つ家の、二方向のスライドドアを開けると、35㎡の隠れ家の明るい内装が露わになる。

オランダ人は一見シャイだけど実はとても温かいハートの持ち主が多い。建物の印象がお国柄に似るのは面白いことだ。もしかしたら、オランダではオランダらしい家が建つことが多いのかもしれない。

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天窓と出入り口兼用の広い窓から降り注ぐ光で明るい室内だが、実は電気が通っていない。暮らすための家ではないので、インフラも最小限にとどめられている。寒い冬なら薪ストーブの火を利用して、お湯を沸かしたりもできる。

アムステルダムを拠点とする建築デザイン事務所cc-studioは、このリノベーション後の姿を指して、19世紀のアメリカ人作家ソロー(Henry David Thoreau)の著作「森の生活」(Walden :or, the Life in the Wood)を連想すると指摘する。「森の生活」は、ソローが森に建てた丸太小屋で過ごした、2年にわたる自給自足生活の記録本だ。2世紀前の作家の生き方と、現代のわれわれが目指すスタイルがリンクしていると考えると感慨深い。

Via: cc-studio.nl
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きっとソロー本人も、このキャビンを見たらうらやましがるのではないだろうか。そんなことを考えると、昔の作家がなんだか身近な友人のように感じられるから不思議だ。

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