日本初!「タイニーハウス デザインコンテスト 2017」に参加して、思い描いた“小さな暮らし”をカタチにしよう!

「タイニーハウスデザインコンテスト2018」を開催

2017年に第1回「タイニーハウスデザインコンテスト2017」を開催し、100組近い応募から7組の作品が入選し、2017年11月4日には小菅村にて表彰式とYADOKARIを交えた座談会が行われました。

そして今回、小菅村とYADOKARIが共同で第2回となる「タイニーハウスデザインコンテスト2018」を開催、2018年11月5日より応募受付を開始します!

▼ コンテストの詳細はこちら
http://kosuge.yadokari.net/

タイニーハウスが教えてくれること。大自然に包まれる感覚。家が小さいからこそ生まれる、人と人の密なつながり。自由なアイデアをカタチにする面白さ。そして、無駄のないシンプルな生活によってもたらされる心の安定……いくつでも、挙げることができそうです。

「ぜひタイニーハウスに住んでみたい、いや、いつかは自分でも建ててみたい!」そんなふうに考えている方も多いのでは?

今年、東京からほど近い、山梨県の小菅村で「タイニーハウス デザインコンテスト 2017」が起動します。小菅村はタイニーハウスを軸に、地域全体を盛り上げようとしているそう。小さな住まい方に興味のある人に、ぜひ注目して欲しい村なのです。

小菅村の入り口では、かわいいツリーハウスが出迎えてくれます

「タイニーハウス デザインコンテスト2017」では、小菅村に新しく建てるタイニーハウスのアイデアとデザインを募集します。優秀者のデザインはプロの手によって実際に小菅村に建設されるとのこと!

コンテストで期待される作品は、どのようなものなのでしょうか? また小菅村の魅力とは? それを探るために、小菅村に行ってみました。

山のトンネルを抜けると、突然美しい村の風景がひらけます。道の駅には小菅村自慢の名湯が楽しめる温泉も。左手にはタイニーハウス
小菅村には、すでにいくつかのタイニーハウスが建設中。街の風景の一部となっています

小菅村が、タイニーハウスプロジェクトを行う理由

新宿駅からJR特急かいじで約1時間の大月駅が、小菅村の最寄り駅。そこから車で約30分のところに、村があります。都心からあっという間に着いてしまいますが、豊かな自然と温もりある建物が調和する風景は、別世界の趣です。

この小菅村、近年若い移住者が増えているのだとか。二拠点居住の場所として、またIターンの行き先として人気だそう。村をあげてタイニーハウスに着目するセンスの良さにも、人気の秘密がありそうです。

さっそく小菅村役場へと向かい、村長の舩木直美さんと、タイニーハウス事務局の和田隆男さんに「タイニーハウス デザインコンテスト」について、お話をうかがいました。

木の風合いを活かした庁舎は、タイニーハウス事務局の和田隆男さんの設計による
村長の舩木直美さん(右)と、タイニーハウス事務局の和田隆男さん(左)

——なぜ、村をあげてタイニーハウスのプロジェクトを行っているのですか?

舩木直美さん(以下舩木):小菅村は、古くは森業と狩猟を軸に自給自足の生活を行なっていました。自然と共存する暮らしのすばらしさを後世に伝えたいと考えていたところ、建築家である和田さんから、タイニーハウスについて聞きました。

和田隆男さん(以下和田):タイニーハウスのムーブメントは、物質主義的な社会から脱却しようというアイデアから生まれています。その暮らしはエコロジカルであり、DIYの精神が活かされている。そこが古くから自然の恵みを大事にしている小菅村の精神と、一致していると感じました。また小菅村は森林資源が豊富です。建築的視点からは、木材とタイニーハウスの相性の良さも感じ、村長に提案したのです。

和田さんの建てたタイニーハウスの室内。ここにも木材をふんだんに使用している

——「タイニーハウス デザインコンテスト2017」では、小さな家のデザインを公募します。どのような作品を期待していますか?

舩木:審査員は建築家代表の和田さんと、地元代表の私、そして人間環境学を専門に研究されている法政大学の小島聡先生です。この顔ぶれで分かるように、多角的に審査しようと考えています。ただし、このプロジェクト自体、古くから村に伝わる、自然と共存共栄する暮らし方を継承したいという気持ちから、生まれたもの。その思いを受け止めていただければ嬉しいですね。


タイニーハウスは、アメリカではリーマンショック以降、日本では東日本大震災以降から注目されているムーブメント。経済危機や震災により所有することの虚しさを思い知った人々が、モノより体験に価値を置くようになったことがその背景にあるといわれています。

所有の呪縛から離れてみると、人は自然の美しさに目が向くもの。ならばタイニーハウスを建てるのに、小菅村はうってつけの場所でしょう。同プロジェクトの一環として既に建てられた一棟のタイニーハウスに入ってみると、部屋からぐるりと周囲の山々が見渡せました。

家はそれが建つ環境とひとつになることで、個性が際立ちます。「タイニーハウス デザインコンテスト」にチャレンジする方は、一度小菅村を訪れることをおすすめします。この村の自然や人々のあたたかさを体感することでしかひらめかない、新しいアイデアが生まれるかもしれません。

若者が活躍する小菅村。コンテストで期待するのは、新しい発想

——次に小菅村の現状をうかがいたいと思います。コンテストを開催する理由は、観光で訪れる人を増やしたいということでしょうか。

舩木:観光はもちろん、移住のさらなる促進も目的としています。今どこの地方も抱えている問題が、少子高齢化と地域の過疎化です。小菅村も高齢化が進み、地域で育った若者が都市部に出てしまう傾向があります。一方で、小菅村はIターンでやってくる人や、多拠点生活者に人気があります。転入者は、他の地域に比べて多いのです。ならば、そういった人を村全体で歓迎したい。そして、これから移住を考える人にもアピールしたい。そんな思いがあります。

——小菅村には大きなポテンシャルがありそうですね。東京都心から1時間半とは思えない豊かな自然に恵まれ、温泉もある。移住者からの人気も納得です。

舩木:今の若者って面白いですよ。都心の企業でも活躍できそうなタイプの人が、あえて小菅村で自分自身の価値観に沿った暮らしを始めています。今まで都会で生活していたような子が、小菅村で猟師になっている例もあります。ちゃんと狩猟の免許も取って、今は罠猟のワークショップを主催していますよ。また、海外でビジネスを学んでいた若者が、古い建物をリノベーションして地ビールの醸造所を作ろうとしています。私は彼らの発想の面白さに、ワクワクするんです。ですから、「タイニーハウス デザインコンテスト」をやろうと思った背景には、さらなる新しい発想に出合いたいという気持ちがありますね。

「馨和 KAGUA」ブランドが有名なFar Yeast Brewing株式会社の自社醸造工場が、小菅村に作られろうとしている

和田:小菅村の人は心よく村外の人を受け入れてくれます。私は元々東京の生まれで、建築の仕事で小菅村と関わりができたのですが、皆さん本当によくしてくれました。

舩木:この庁舎も、道の駅も、温泉施設も、体育館も、全て和田さんの作品なんですよ。

和田:私はこの村の人に受け入れてもらい、とても幸せな時間を過ごしてきました。だからこそ今は東京を離れて、小菅村に住んでいるのです。私が小菅村の人からいただいた恩を、他の移住者へとつなげたいという気持ちも、このコンテストを発案した動機のひとつです。

和田さんが設計を手がけた村民体育館。
外から来た人を受け入れるマインドが強いのが、小菅村の人々

小菅村の風景が他の地域と一線を画している理由が、環境に調和しつつモダンな雰囲気を加える建築の数々。この村にしかない心地よさの根本には、村の人と和田さんというひとりの建築家の、良好な関係があったのです。

「タイニーハウス デザインコンテスト」はこの関係の新たなページを開く試み。建築のプロ、和田さんが設計面でサポートしてくれるので、コンテストに応募するのに建築の専門的な知識は必要ありません。自由に発想を広げ、村の新しいアイコンとなるタイニーハウスをデザインしてみてください。

タイニーハウスは、宿泊施設として活用。ゆくゆくは村営住宅にも

——「タイニーハウス デザインコンテスト」で、建てられた家は、どのように活用されるのでしょうか。

舩木:村では、平成29年度のコンテストで公募する家を含めて、8つのタイニーハウスを建設する予定です。当面の間、完成した1棟を小さな住まい方を体験するための宿泊施設とする構想があります。そして、次の段階として、定住のための住宅として活用するつもりです。転入してくる若者が多くいるので、そういう人たちに住んでもらおうと思っています。村営住宅ですね。

和田:転入者が増えているなかで村が抱えている、住居問題の解決にも、タイニーハウスは適しています。村には空き家もあるのですが、非常に大きかったり古かったりと、単身で使うのには向いていないのです。大きくて古い家はエネルギー効率の面でも問題がありますし、若者や多拠点居住のセカンドハウスならば、大きい家よりもタイニーハウスの方が、住み心地がよいはずです。


自分の思い描いた家が実際に建てられたら、その場所は、きっともうひとつの故郷のように思えるはず。小菅村を理想の暮らしを実現するためのベースにできれば、人生の幅が広がりそうですね。

たとえば半猟・半農。将来は掛け合わせでナリワイをつくるエコビレッジに

小菅村の森や川は、村の源流文化を育んでいる

——小菅村の良さを未来に残すことが、「タイニーハウス デザインコンテスト」の一番の目的だとうかがいました。では小菅村が目指す理想の暮らしとは、どのようなものなのでしょうか。

舩木:先に例をあげた狩猟をやっている若者は、夏場は清流でワサビ栽培をしているのです。その姿が象徴的ですが、林業や狩猟、そして農業。この村にある産業を組み合わせて、人々が自活できる道を探したいと思います。狩猟については産業としてサポートするために、村がジビエの肉の加工工場も作ったんですよ。本来自然が豊かで自給自足の生活を送れるほどの資源のある小菅村ですが、今は食べ物でも仕事でも村の外に依存する部分が大きい。今後は村の中でお金がまわる仕組みを作っていきたいですね。

和田:将来的には、エネルギーも自給自足できるエコビレッジとして自立していけたらよいですね。今はエネルギーは石油に頼っているので、木材をもっと燃料として活用すべく、木質ペレットをつくることも検討したいと思っています。小菅村がエコロジカルな暮らしを体験できる、開かれたモデルになれば、村外からも多くの人が訪れると思うのです。タイニーハウスは、そんな未来を象徴する存在となるはずです。


小菅村についてのお二人のお話をうかがっていると、未来に向かう大きなエネルギーを感じました。しかもフットワークの軽いこと! 新しいことを受け入れるだけでなく、誰かのチャレンジをサポートするためにすぐに力を貸してくれるのが、この村の人たちなのです。

タイニーハウスを建てるには、土地の取得や設計、資材の調達など、超えなければならないハードルがいくつもあります。その壁を小菅村のサポートを得て一気に乗り越えられるのが、「タイニーハウス デザインコンテスト」。この機会に、ぜひあなたのタイニーハウスのアイデアを実現させてください。

舩木村長 メッセージ

【タイニーハウス デザインコンテスト2017 概要】

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主催

小菅村役場(山梨県)

募集内容

タイニーハウスに的を絞った住まいの提案。建物の規模は10㎡から20㎡程度とする。階数は2階建まで。

締め切り

応募登録:2017年5月30日 / 作品提出:2017年7月31日

提出物

A3サイズ(横)の用紙に提案タイトル、コンセプト、平面、断面、立面図、パース、ドローイング、CG、模型写真などの設計意図を伝えるものを表現し、原画またはPDF、JPEG等に変換し郵送で提出してください。用紙の枚数は2枚迄とします。*応募作品は返却いたしません。

各賞

最優秀賞:1点 優秀賞:数点 特別賞:数点、最優秀賞作品は設計の後、小菅村に建設されます 複勝として今春完成のタイニーハウス無料宿泊券2泊分を進呈します。また将来商品化された場合には売り上げ販売利益の一部を還元いたします。 優秀賞にもタイニーハウス無料宿泊券1泊分を進呈します。

提出・問い合わせ先

〒409-0211 山梨県北都留郡小菅村4698番地 小菅村役場 タイニーハウスプロジェクト事務局

参加資格

資格・経験は問いませんが、実施設計の際に協力をいただける方*参加費用無料

結果発表

2017年8月30日 小菅村のホームページ及びタイニーハウス小菅ホームページ

審査員

小菅村村長:舩木直美 / 法政大学人間環境学部:小島聡教授 / タイニーハウス事務局:和田隆男

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