都市の日常に潜む一瞬の美を切り取る、ベイルートの写真家「Serge Najjar」

via: Architizer
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“It is not about what you see but how you see it.”
「何を見るかではなく、どう見るかだ」

それをモットーに都市の風景を撮影し続けているのが、レバノンの首都ベイルート出身の写真家Serge Najjarだ。インスタグラムを用いて、生まれ故郷であるベイルートの建築物とそこに暮らす人々の姿を発信している。

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幾何学的な建築物と、はっと驚くような鮮やかな色合いのコンビネーションで、まるで抽象画のような美しい写真を公開している。彼から学ぶことが出来るのは、都市に目を凝らすことの重要性だ。

日本ではあまり知られていないベイルートだが、内戦の終結した1990年代以降、新しい建物が次々と建てられて急成長しているホットな街だ。若手の建築スタジオが集まり、世界的に注目されるデザインの建物も少なくない。そんな変わりゆくベイルートの町並みに常に関心を払ってきた彼は、都市の至るところで日々起こっている小さな偶然とその美しさを、レンズとソーシャルメディアを通して発信していくことに決めた。

一見当たり前の光景でも、目を凝らさないとその美しさに我々は気づけない。

via: LensCulture
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ベイルートという都市全体を自分の家のように愛してやまない、このアーティストから学ぶことは多い。一つひとつの建物に注がれる繊細な眼差しは、普段は目に留めないような環境に対する気づきへと誘導してくれる。

“what is even more enjoyable in photography is creating with real life, with what you see around you and that often goes unnoticed by others.”
「写真をとっていて面白いのは、日常生活のなかで、自分を取り巻くもの、そして普段ならみんなから素通りされるようなもので世界を構成できることだ」

斬新な海外の事例を眺めるのも面白いけれど、たまには自分の暮らす都市空間を、注意深く眺めてみるのも面白い。今までは気づかなかった理想の暮らしを、実はもう隣人が実践していたりして……。

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「新しい住まいのあり方」を発信し続ける未来住まい方会議でも、通底するテーマの一つは、住空間への細やかな眼差しの重要性であるように思う。変わりゆく街、暮らしの「いま」が明日をつくり、未来へとつながっていくのだから。

ベイルートの「いま」に視線を注ぐSerge Najjarのインスタグラムはserjiosというアカウントで公開されているので、ぜひチェックしてみてほしい。

(文=杉田真理子)

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