「あったらいいな」をモーラした賃貸住宅

YADOKARIファンの皆さん、はじめまして。僭越ながら、こちらで記事を書かせていただくことになりました宮原と申します。

普段は、不動産業をホームベースに、農林業のお手伝いなどをさせていただいている者です。農村地域に遠征するのが大好きで、一時期は、都市をしばしば脱出しては、開墾や間伐などの作業に参加させていただいておりました。(最近は少し大人しくなってきています)

都市と農村を行き来して、どちらの方とも親しくさせていただく機会がありましたが、どちらの領域でもこれといった専門性を持っているわけではないので、よく「(仕事は)何をやっているのかよく判らない」と言われることがあります(笑)

ですので、初回の今回は、自己紹介がてら私自身のことをお話させてください。

農作業のお手伝いをすると元気になることに気付いた


私がまず農業に興味を持つことになったのは、自分自身がアトピーだったことから、食生活を見直すことになり、野菜中心の生活をするようになったことが、最初のきっかけです。野菜と向き合ううちに、生産現場に行きはじめ、農家さんや農業のおっかけのようになっていきました。そのうち通う現場が地方になっていき、山間地域に入っていくようになり、耕作放棄地や林業とも出会いました。

農村での諸問題が気になり、山間地域に通いはじめましたが、都市部の方とご一緒して農村に入っているうちに気づいたことが一つありました。それは普段は東京でお仕事をされている方が、農作業のお手伝いをして、元気になって帰られていくことでした。

「(東京に仕事があるので)田舎に移住は出来ないけど、土など自然に触れる生活をしたい」

そういう声をチラホラと聞くことがありました。私自身もホームベースが都市部ということもあり、その気持ちはよく判りました。とはいえ、持ち家でそういった暮らしや住まいを実現するのは、収入面などから私には現実的ではありませんでした。

賃貸住宅でも自分にとって心地良い暮らしをしたい。
自分の家を持たずとも、自分の価値観を日々の暮らしに反映して暮らしたい。

そんなことを考えてあちこち行っているうちに、昨年それを実現する機会に恵まれました。

そろそろ自前で生活基盤をまかなう暮らし『モーラの家』


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モーラの意味は、網羅。
都市生活において「こんな賃貸住宅があったらいいな」と思ったことの一つ一つを網羅していくことを目指した賃貸住宅(テラスハウス5世帯)です。

家庭菜園、自然エネルギー(太陽熱温水給湯、木質ペレットストーブ、共有の井戸)を導入し、国産材や環境・健康配慮された建材で建てられています。

ロゴに巻き付いているヘチマみたいな物はミドリムシのモーラちゃん。ミドリムシは自力で光合成を行いシンプルに生存していることと、動物のような植物のような、どちらでもあってどちらでもない生き物であることから、光と水と命と森とエネルギーを考え、生活の新しい形を提案しようとしているモーラの家のイメージと重ね合わせています。

実際にどんな住まいかというと…

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屋根には太陽熱温水器の集熱パネルがあったり(給湯に使われています)、
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室内では、無垢材の肌ざわりやペレットストーブの温もりを楽しんだり、
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庭先の菜園では野菜の収穫を楽しんだり、
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梅をもいだり(このあと梅酒や梅ジュースになりました)、
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入居者さん同士でご近所BBQをしたり….
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なんだか食べものの写真が多くなりましたが(笑)、そんな暮らしが始まっている賃貸住宅です(2013年8月現在満室)

都市部でも土に触れられ、エネルギーの小規模分散・自立を目指す住まいが、賃貸住宅でも出来ないか?『モーラの家』はそんな住まいが欲しい、という想いから始まりました。エネルギーの自立はまだ出来ていませんが、ゆくゆくはオフグリッドに出来たらいいな、という構想ならぬ妄想を持っています(笑)

妄想をふくらますために(?)興味を持ったテーマや現場にお邪魔させていただくことがあります。今後は、そういった現場のことや、そのとき気になっているテーマなどをご紹介させていただければと思っています。つたない文章、勉強不足な面もございますが、どうぞよろしくお願いいたします。
関連サイト


公式サイト:モーラの家
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