Vitraの最小の建物であり最大の製品「Diogene」:自給自足と多用途性を兼ね備えたタイニーハウス
建築的な先進性で知られた家具メーカー「Vitra」は、建築家レンゾ・ピアノとのコラボレーションによって、新しい挑戦に取り組んでいる。それは、完全自給自足型のミニマルな居住空間という新たな住まいのカタチを提供すること。彼らが手掛けるタイニーハウスは「Diogene」と名付けられ、わずか2.5×3.0メートルの床面積ながら、「Vitraの最小の建物であり、最大の製品」として注目を集めている。
ミニマルデザインへの探求
「Diogene」のデザインは、レンゾ・ピアノが学生時代から追求していた「人が最小限の空間で生活するために必要なスペースはどれくらいか」という問いから生まれた。彼は約10年前にこのテーマに再び取り組み、古代ギリシャの哲学者ディオゲネスにちなんでプロトタイプを「Diogene」と名付けた。このデザインがVitraの会長ロルフ・フェールバウムの目に留まり、2010年のプリツカー賞審査会での出会いをきっかけに協力が始まった。
自給自足の設計
「Diogene」の大きな特徴は、完全自給自足が可能な設計だ。屋根に設置された雨水収集システムやエネルギー供給システムによって、外部インフラに依存せずに生活ができる。このシンプルかつ持続可能なデザインは、現代のライフスタイルに新しい選択肢を提案している。
美しいデザインと組み合わせも可能な内部構造
外装にはアルミニウムが使用され、丸みを帯びたフォルムと三角屋根が伝統的な機能性と現代的な美しさを両立している。内部には、引き出し式のソファ、折り畳みテーブル、シャワー、トイレ、キッチンなどがコンパクトに配置されている。この小さな空間は、週末のリトリートやオフィスとしてだけでなく、複数台を組み合わせてホテルとして使用することも可能だ。
「Diogene」の改良はつづく
現在の「Diogene」は、プロトタイプとしてVitraキャンパスの芝生に設置されており、アートバーゼル2013の期間中に一般公開された。訪れた人々からのフィードバックを元に、さらなる改良が進められているという。
「Diogene」は、ミニマリズム、持続可能性、多用途性を兼ね備えたタイニーハウスだ。このプロジェクトは、小さな空間での豊かな暮らし方を再考する機会を提供しており、未来の住まいの在り方に大きな可能性を示している。
via: archdaily.com
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