
中国・杭州に登場した移動式ポップアップカフェ&ベーカリー「Cycle Cycle Mobile Bakehouse」。このユニークなタイニーハウスは、FOG Architectureによって設計され、穀物袋を壁材として活用するという斬新なデザインが特徴だ。コロナ禍による上海のロックダウンを受け、公共空間を再活性化する手段として考案されたこの移動型ベーカリーは、都市に新たなにぎわいをもたらしている。
伝統的な農村の納屋から着想を得たデザイン
「Cycle Cycle Mobile Bakehouse」の構造は、伝統的な農村の納屋からインスピレーションを受けている。モジュール化された木製フレームで構成されており、簡単に分解・組み立てが可能。トラックで都市から都市へと移動できるため、その場の空間を即座に変化させることができる。この柔軟な構造は、FOG Architectureが目指した「展開可能なフードデバイス」というコンセプトを体現している。

穀物袋でできた壁が生み出す独特の空間
到着した場所で組み立てられると、木製フレームの間に穀物袋が積み上げられ、独特な壁が形成される。穀物袋は上に行くほどサイズが小さくなり、徐々に細くなっていくデザインが施されている。この作業は、通りかかった人々が参加できる「パフォーマンスの瞬間」として位置付けられており、ベーカリーが街の人々を巻き込む場となることを意図している。

竹製のキャノピーが生み出す温かみのある空間
パビリオンの長辺には、竹製マットを使ったキャノピー(ひさし)が設置され、カーテンが取り付けられた座席スペースを作り出している。このキャノピーは、直射日光を避けながらも開放感を維持する工夫が施されており、利用者がリラックスできる空間を提供する。また、販売用の窓口が設けられているので、パンやコーヒーを受け取りやすい。シンプルながらも機能的な設計となっている。

農村の家具に着想を得たローチェア
FOG Architectureは、この移動式ベーカリーのためにオリジナルの家具もデザインした。特に特徴的なのが、農村部でよく見られる低い椅子だ。これらのローチェアは、地面に近い位置で座れるため、農作業や日常生活に適したデザインとなっており、食事だけでなく、作業や交流の場としても活用できる。「Cycle Cycle Mobile Bakehouse」に配置された椅子は、この農村の暮らしの記憶を呼び起こし、訪れる人々に親しみやすい雰囲気を提供している。

都市に新たなにぎわいをもたらす移動式ベーカリー
FOG Architectureが手がけたこの「Cycle Cycle Mobile Bakehouse」は、単なるベーカリーではなく、都市の公共空間を再活性化する役割を担っている。焼きたてのパンの香りが通りに広がり、人々が自然と集まり、穀物袋を積み上げながら一緒に空間を作り上げる。そんな体験が、都市生活に新たなつながりを生み出すのだ。
ロンドン、上海、重慶にオフィスを構えるFOG Architectureが生み出したこのプロジェクトは、移動型フードデバイスの可能性を広げるとともに、都市の風景を一時的に変え、人々の交流を生む新しい試みとして注目を集めている。
via: dezeen.com
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移動式店鋪の組み立ては、「パフォーマンスの瞬間」として位置付けられており、ベーカリーが街の人々を巻き込む場となることを意図している。