空間を工夫してつくりだす「わたしの隠れ家」のススメ
「パーソナルスペース」を知っているだろうか?パーソナルスペースとは、他人が入って来ると不快感を覚える距離や空間のことで、相手と自分との関係性によって広く成ったり狭くなったりするもの。
例えば電車内で、見ず知らずの人とピッタリ並んで座る。多くの人は、体を縮こめるようにして何としてでも自分と他人の距離を設けようとするだろう。
このように、パーソナルスペースとは「赤の他人vs自分」という図式で語られることが多い。一方で、長年連れ添ってきたパートナーや子どもたちなど「心を赦しているはずの人たち」に対しても、パーソナルスペースを設ける必要があるということは忘れられがちだ。
ウチとソトを区別するひとつの敷居「家」のなかに、一個人のパーソナルなスペースを設ける。今回は、大掛かりな工事やDIYはナシにして、思い立ったらすぐできるようなライフハックをいくつか提案したい。
階段下の物置を片付けて、秘密の部屋に
家の中にある空間のうち、動きがないエリアを探してみよう。例えば、階段下の物置や、今は使っていない小部屋など。使わないものをストックしておくだけのスペースがある場合には、一度モノを整理すると、その部屋のポテンシャルが見えてくる。
階段下の物置スペースであれば、1年以上使っていないものは処分、年に数回使うものやストック品などは隅にまとめれば、1畳分ほどのスペースが生まれる。何もない1畳の空間は寂しいが、そこを自分の好きなモノで埋めてみると途端に「自分だけの小さな王国」が出来上がる。
やわらかなカーペットを敷き、クッションと小さなライト、スマホスタンドを置いてみよう。すると、これまでの物置は自分だけのミニシアターにもなる。台所であたためたポップコーンを持って、自分だけの小さなご褒美シアターの時間を設けるのもいいだろう。
ひとつの空間に複数の使い道を見出してみる
「ウチに物置なんてないよ」という方は、ひとつの空間に複数の使い道を見出すのがオススメだ。例えば、ダイニングテーブル。食事をとるための場所だが、椅子とテーブルがあるのだから、書き物をするための場所にもできる。バスルームは体を洗う場所だが、アロマキャンドルを置いて本を持ち込めば、自由気ままに過ごせるスパに変身する。トイレだって、好きな観葉植物や絵を掛けておけば、自分だけの空間になる。
家の間取りは、その空間の使い道を限定しがちだが、どこで何をすべきと決まっているわけではない。あえていつもとは違う使い道を探ることで、空間のポテンシャルを見出し、間取りにとらわれない家の使い道を見つけることができるのだ。
自分のモノを持って「どこでもパーソナルスペース」を作り出す
パーソナルスペースだと定義するものは何か?間取りや仕切りももちろんそうだが、パーソナルスペースはそれらしき「雰囲気」を醸し出すことでも定義できる。
お気に入りのクッションや、手触りの良いブランケット、読みたかった本などを持って、窓際などの明るい場所に「自分だけのスペース」を作ってみよう。壁やカーテンで仕切られているわけではないものの、その場所は確かにあなただけのスペースになる。
誰かと同居していなくても、悩みやストレスなどの感情があなたのパーソナルスペースを侵害してくることがあるだろう。そんなときに「どこでもパーソナルスペース」を作っておけば、自分の心地よい空間に身を置きながら、モヤモヤ状態から早く抜け出せるはずだ。
移動する手間すら惜しいときには、ヘッドフォンや耳栓を使おう。最小限のスペースで、自分だけの空間を作り出せる。
家の中に壁や仕切りで隔たれた空間がなかったとしても、モノで囲むことでパーソナルスペースは作り出せるのだ。
手軽な方法でパーソナルスペースを保ち、心の健康をキープしよう
動きのない空間を片付ける、ひとつの空間に複数の使い道を見出す、モノの雰囲気でスペースを形作る…大がかりな工事やDIYをせずとも、家の中でパーソナルスペースを保つ方法はたくさんある。
家の中でちょっと息苦しいと感じたり、疲れがとれないと感じたとき、一度試してみてはいかがだろうか。
参考記事:
CUBICOON.”How to Create Your Own Space at Home for Some ‘Me’ Time”
https://cubicoon.com/2021/10/01/how-to-create-your-own-space-at-home-for-some-me-time/
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