「ショットガンハウス」で楽しむセカンドライフ~ニューオーリンズから学ぶタイニーハウス~


今注目を浴びているタイニーハウス。非日常感を味わえる空間で暮らすセカンドライフに欠かせない住居でもある。
そんなタイニーハウスの選択肢に「ショットガンハウス」をおすすめしたい。日本では馴染みのないレイアウトかもしれないが、特に”セカンドハウス”として活きる特徴がある。
今回はそんなショットガンハウスが流行っているニューオーリンズから、シンプルで効率よく暮らせるタイニーハウスの形を学んでいこう。

「ショットガンハウス」ってそもそもどんな家?


1800年代初頭に西アフリカ人とハイチ人移民によってルイジアナ州に導入されたのが起源だといわれている。アメリカはニューオーリンズでショットガンハウスが流行ったのは、ハイチ難民が持ち込んだためだそう。小さくスリムで、廊下が無く部屋同士がドアで繋がるレイアウトが特徴的。土地を広く使わず安価に建てられることで、低所得労働者やアフリカ系アメリカ人が住む地区で人気があった。

印象的な名前の由来だが、2つの説がある。1つは「ショットガン」という言葉が、”家”や”集会所”を意味するヨルバ語「トーガン」という言葉をもじったもので、アフリカ系アメリカ人の伝統に由来するという説。もう1つは、直線的なレイアウトを言葉で表している説。家のドアをすべて開けてショットガンを打つと、何にも当たらずまっすぐに発砲できるという特徴を言葉で表したのではないかという考えだ。

フランス、スペイン、クレオール、アメリカなどの文化が融合するニューオーリンズで発展したショットガンハウスは、ノスタルジックでおしゃれなデザインに進化し、今更に注目を集めている。続いてはショットガンハウスにどんな特徴があるのか見ていこう。

ニューオーリンズの気候が生んだ「エネルギー効率性」

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ニューオーリンズの気候の特徴はその暑さ。エアコンが普及するまでは、涼しく過ごすために家の構造を工夫する必要があった。そんな中でショットガンハウスは、空間から熱気を逃がす工夫がされている。
天井が高く設定されることで熱気が上昇、繋がっている部屋のドアを開けることで前から後ろへと暖かい空気を流すことができるのだ。この換気の仕組みによって、自然なエネルギー効率を高めることが可能になったのである。

低所得労働者も住める「コストパフォーマンス性」


そもそもショットガンは、ニューオーリンズに移住してきたアフリカ人労働者が低所得でも住めることから普及した。開発者がある一定の土地を買い、そこにショットガンを詰めて建て、それを低所得労働者の人々が安価に借りれたという。

空き地や狭い敷地を最大限に活用することができるのもショットガンハウスのメリット。コンパクトでシンプルな構造であることは、土地代や初期価格だけでなく維持費、改装費、光熱費の削減にもつながる。そのためコストパフォーマンスが高いという特徴があるのだ。

「ショットガンハウス」は財布と環境に優しいタイニーハウス?

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ショットガンハウスは構造上、移動する時は部屋を介さなければならない。家族内とはいえプライバシーも意識される家庭は多いので、階数や廊下の存在によって部屋を区切る間取りの方が一般的だ。
しかしそんなメインハウスの構造は、セカンドハウスとして数日使用するだけだったり、タイニーハウスとして使ったりするには大きすぎる。

そんな時に「ショットガンハウス」を利用してみてはどうだろうか?メンテナンスと管理がしやすいシンプルなレイアウト、自然と喚起されるエネルギー効率の良さ、場所を取らずコンパクトな大きさ。これらの特徴はセカンドハウスとして特に活きるかもしれない。
実際にショットガンハウスは、タイニーハウス文化の成長とともに人気を集めている。シンプルな魅力だけでなく、ノスタルジックなアクセントのある鮮やかなデザインも人気の理由だ。自分で好みの装飾にアレンジしやすいので、趣味の部屋として持つにもぴったりだ。

そもそも環境に優しいエネルギー効率とコストパフォーマンスの高さはとても実用的。そのため間取りに特に不便を感じない場合、初めて住宅を購入する人、退職者、頻繁に旅行する人にとってのメインハウスにもなり得る。
自分のセカンドライフを楽しむなら、アイデアや好きなモノを詰め込んだ「ショットガンハウス」を建ててみてはいかがだろうか?

【参照】
ニューオーリンズで涼しさを保つ: 夏の暑さ対策に建築がどのように役立つか
ニューオーリンズ建築ツアーのニューオーリンズ住宅ガイド!
ショットガンハウスとは何ですか?
可能性満載:ショットガンハウスの背景、利点、欠点
ショットガン ハウスが建築風景の中に戻る方法を見つける