【海外事例】自由を乗せて漂う、水上の小さなお家「Fàng Sōng 放松」
場所に縛られない移動可能な住まいの中には、陸の上だけでなく、海や湖などの水の上を移動しているものがあることをご存知だろうか?
今回はそんな水上の住まいのひとつ、ドイツで誕生した「Fàng Sōng 放松」をご紹介しよう。
「Fàng Sōng 放松」は、太陽光発電のモーターボートを改造して作られた小さな家だ。全長15メートル、幅4メートル強のサイズで、水上をゆっくり移動しながらプライベート空間を提供する。この「水上の家」は、家族や友人とリラックスするための場として活用されていて、移動可能なライフスタイルの象徴となっている。
多機能でコンパクトな空間設計
このボートは、多機能でコンパクトな設計が特徴だ。各空間が複数の役割を果たすよう工夫され、例えばベッドは完全に収納可能。操舵設備を隠すことで家庭的な雰囲気を作り出している。さらに、キッチンにはポップアップテーブルがあり、収納には折りたたみ式デスクも内蔵されている。これにより、仕事やリラックスのどちらにも対応できる空間になっている。
持続可能なエネルギーで心地よい生活を実現
持続可能性にも力を入れている。ソーラーパネルで発電し、晴天時には完全自給自足が可能。1日あたり約50kmの航行ができる。暖房には再生可能エネルギーを使ったペレットストーブを採用していて、アプリでの遠隔操作も可能だ。将来的には、水の浄化システムや生物学的下水処理ユニットも導入予定で、年間を通して快適に利用できるようになる。
世界に一つだけのカスタマイズ空間
外観から内装まで、オーナーの好みに合わせて自由にカスタマイズできる。色使いや素材選びにも個性が反映されていて、地元の熟練大工と協力して細部までこだわった仕上がりになっている。バーチャルプロジェクト管理を活用することで、遠隔地でも高品質な制作プロセスを実現している。
都市と自然を繋ぐ、水上の新しい暮らし
この「水上の家」は、都市生活の一部として機能しながら、所有物に縛られずに自由で質の高い暮らしを提案する。都市と自然を行き来できるこの家は、柔軟で持続可能な生き方を目指す未来の居住形態として注目されているのだ。
via: archdaily.com