賃貸の罠からの脱出。若者の住宅危機と地球を救うアイルランドのタイニーハウス
2010年から2022年の間にアイルランドの家賃は84%も上昇しているという。
それに反比例して出生率は2012年から2022年にかけて20%低下しており、経済的な理由から子どもを持つことを先送りする傾向さえ見られる。特に低所得層や若者にとって、持続可能で手頃な住居は切実なニーズだ。
深刻化する住宅危機への新たな解決策として、社会的企業「Common Knowledge」が設計した低炭素マイクロホーム「ティギン・タイニーホームズ」に注目しよう。この20平方メートルの小型住宅は、再生可能な自然素材を活用し、環境負荷を最小限に抑えながら手頃な住まいを提供しているのだとう。
ティギン・タイニーホームズは、コルゲートヘンプパネル、コルク断熱材、天然ゴムのリノリウムタイルなど、再生可能な素材を使用して構築されている。これにより、断熱性が向上し、エネルギー効率を高めながら温室効果ガス排出を削減。さらに、自然光を最大限に取り入れる大きな窓やエコトイレを装備することで、居住者に快適なライフスタイルを提供する。内部は2層構造で、下層にはキッチン、シャワー、作業スペース、折りたたみ式ベンチ(ベッドとして使用可能)を配置。上層にはロフトベッドを設け、限られた空間を有効活用している。
Common Knowledgeは、単に住宅を提供するだけでなく、自分で建設できるスキルを教えるワークショップを開催していることも特筆に値する。これまでに200人以上が参加し、自らのタイニーハウスを建てる方法を習得。さらに、設計図をオープンソース化する計画も進行中で、誰もがアクセス可能なDIY住宅モデルの普及を目指している。基本価格は55,000ユーロ(約860万円)と、従来の住宅市場に比べて手頃な設定で、賃貸市場から脱却したい人々にとって魅力的な選択肢となっている。また、軽量で移動可能な設計により、居住者は自由なライフスタイルを追求できる点も魅力だ。
ティギン・タイニーホームズは、アイルランドの住宅危機に対する持続可能な解決策としてだけでなく、環境にも優しい建築の新しいモデルを示す。このプロジェクトが広がることで、より多くの人々が自らの住まいを持つ喜びを手にし、経済的自由を得ることができ、さらには環境負荷さえも低減できるのだ。小さな住まいの可能性は図り知れないほど大きい。
若者も含め、誰もがアクセス可能なDIYのタイニーハウス。
そんな仕組みがあるとしたら、従来の賃貸を手放して、自分だけのための小さな住まいを選ぶ人はきっと少なくないだろう。
via: dezeen.com
トレーラーハウスやタイニーハウスの販売購入、レンタル、中古、投資はトレーラーハウスの専門サイトTINYHOUSE ORCHESTRAへ
【WHAT IS TINY トレーラーハウスを買う前に、読んでおきたい記事一覧】
◎小さくてかな暮らしのベース、タイニーハウスとは?
◎【タイニーハウス】マイクロハウスやトレーラーハウスなど、日本で買える小さな家の種類とは?
◎数百万円から買える家、タイニーハウスの価格とは?
◎タイニーハウス・トレーラーハウス、トイレやお風呂はどうするの?必要な設備について
◎タイニーハウスを建てる「土地」、買う前に知っておきたい2つのキーワード
【関連記事】
【海外事例】携帯はオフに。大自然のオフグリッドトレーラー「CABN」で自分をリチャージ
【海外事例】西部開拓時代に思いを馳せる。砂漠の中のトレーラーハウス「Old Hippie house」
【海外事例】アメリカ・ロッキー山脈を背に立つトレーラーハウス「Rocky Mountain Tiny Houses」
【海外事例】たまにはビーチでミーティング。移動するオフグリッドオフィス NOVA
【海外事例】セカンドライフは自然の中で。夫婦のためのトレーラーハウス「Adraga Tiny House」