小さく構える、たとえフィールドがどれだけ大きくても。「Twin Cabins Eyrie」

ニュージーランドのノースランド地方、カイワカの草原に2つのキャビンが建っている。ノースランドは、ニュージーランドの中でも最北端にある地方。カイワカはその中にある人口540人ほどの小さな村だ。

小さな村の大草原にあるのは「Twin Cabins Eyrie」という小さなお家。木材で作られており、外部からエネルギーを供給しないオフグリッド仕様なのだそう。1500㎡2の、宮殿が建てられそうな広さの土地にポツンとふたつ。その姿は大海原にゆらゆらと浮かぶ2隻のボートのようだ。

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川に向けて取り付けられた窓からは、空・太陽、川・対岸の緑といった自然の色が、綺麗にグラデーションを形成している。
またこの家の出入り口にはドアがない。代わりに、出入り口から窓を通して景色が一直線に見える。景色や自然が貫通し、外と内の境目がなく、何とも形容しがたい構造。室内にいても、壁はあれども香りや景色はまるで外にいるかのようだ。

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この家はオークランドに拠点を置く建築事務所「Cheshire Architects」によって設計された。Cheshire Architectesは、「構造」に焦点を当てて設計している。また顧客と密な関係を築き、建築を共につくりあげる仲間だと捉えている。

この家のテーマは、「逃げ場」や「衰退する国の休憩所」。大きな土地に小さく住まいを構える。もしかするとこの在り方には、未来の住まい方に関するヒントが詰め込まれているのかもしれない。

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Via:
ideasgn.com
cheshirearchitects.com