フィンランド式「シンプリスト」な考えは幸福度を上げる?~パレート(80:20)の法則で掴む余裕ある暮らし~
あなたは「365日のシンプルライフ」という映画を観たことががあるだろうか。
フィンランド式のシンプルライフを究極ともとれる条件で行った内容を、その本人が映画化している作品である。
この映画を観ると「何が本当に大切なのか」を考えさせられる。
物も情報も人間関係もありふれたこの現代社会では、何が大切かを見失ってしまいがちなものだ。
あなたは
「何が本当に大切な物か」
「本当に必要なものは何か」
聞かれてすぐに答えられるだろうか。
今回は、幸福度の高い国フィンランドの「シンプリスト」な考え方を参考にして、自分にとって本当に大切な物や事柄を見つけていく。
そして豊かで余裕のある暮らしへのヒントを探っていこう。
シンプリストとは?ミニマリストとの違い
そもそも「シンプリスト」とはなにか。
似た考え方で「ミニマリスト」が挙げられるが、ミニマリストは基本的に物質的に必要ないものを減らす考え方。
そうすることで、自分が使うものだけになるのでそこに時間を注げるようになる。
一方で「シンプリスト」は物質的より、精神的な面でのメリットを優先した考え方だ。
時間、考え方、人間関係などにおいて、長期的にみたときに自分に有益かどうかを判断して選択する。
減らすというより、増やさない。
今あるものをできるだけ活用し、ストレスを増やさないようにするのがシンプリストなのである。
情報量が増加し複雑化し、なんでも便利になっている現代の中では判断力・選択力が必要となっている。
そのためにこのシンプリストの考え方は注目されているのであろう。
シンプリスト生活をフィンランドから学ぶ
シンプリスト生活の上でよく模範となるのは、言わずと知れた幸福度ランキング上位の国「フィンランド」。
このフィンランドの取り組みやライフスタイルからシンプリスト生活を学んでいこう。
具体的な取り組みでは、「クリーニングデイ」。
日本にもフリーマーケットはあるが、フィンランドではもっとカジュアルに、誰でもどこでも出品できる。
シンプリスト生活が基盤であるが故、リサイクルや出店のハードルが低くなっている。
地域交流も目的であり、誰でも出店できる分、あらゆる世代が集う場にもなっているのだ。
そして「サマーハウス」をもつライフスタイル。
サマーハウスとは、夏の期間にほとんどのモノを置かず設備も最低限にして暮らすためのセカンドハウスである。
このサマーハウスを、自主施工で建てる人も多い。
そこで過ごす時間を自分で作ることで、自分自身の心をリセットするライフスタイルを大切にしているのだ。
これらはシンプリスト生活が流行っているから、というわけではない。
フィンランド人の価値観、概念が根底にある。
・自分が大切にしたいものや気持ち、考えが明確である
・年齢に囚われない
・買わない、捨てない、育てる、作る
こういった国民性がシンプリストな生活を作り出しているのだ。
シンプリスト生活をパレートの法則で深める
シンプリスト生活をもう少し深掘るために、「パレートの法則(80対20ルール)」の要素を加えてみたい。
パレートの法則(80対20ルール)をご存じだろうか。
簡単に説明すると、「自分の行動の20%が結果の80%をもたらす」というもの。
よく経済学で使われる考え方なのだが、これがシンプリスト生活にも使えて非常に面白い。
要は、使っている時間、持っている物、知り合いの人数などのうち20%が、自分にとって有益なこと・結局必要なことの80%を生み出しているということになる。
このルールは、目的を決め、優先順位を決め、そのために使ってもいい時間やお金などを割り当ててみると実行しやすい。
数打てば当たると考える人もいるかもしれないが、結局はそこに何らかのコストがかかる。
そこへの労力をかける前に、自分にとって結局大切になる20%にフォーカスする暮らしにすることで、シンプリスト生活をもっと深めることができるだろう。
「シンプル」があなたのライフスタイルを豊かにする?
最後に冒頭でも紹介したフィンランド映画「365日のシンプルライフ」を少し紐解く。
映画の中で主人公が行っている主なシンプルライフルールは、
・部屋のものすべてを倉庫に預け、365日中は1日1個しかモノを取り出せない
・1年間モノを買わない
というもの。
「捨てない」ことで「過去の自分も否定しない」ところも、とても魅力的な内容になっている。
中でも印象的な言葉、
「人生はモノでできていない」
「モノの多さ=豊かさではない」
「本当に必要なモノは自分で決める」
これは今回紹介したシンプリスト生活にとても重要な考え方価値観を与えてくれる。
最初から「本当に大切なモノ」「本当に必要なモノ」を決めることは難しいかもしれない。
しかしこのシンプリスト生活を少しずつでも実践することで、その重要かつ有益になる事柄に集中できる。
またその時間や心でさえも暮らしへの余裕や豊かさを与えてくれるのではないだろうか。
【参照】
365日のシンプルライフ
ミニマリズムとシンプルさの違い
フィンランド発、クリーニングデイとは?
水洗トイレもない、シャワーもないサマーハウスで暮らす楽しさってなに?
北欧フィンランドから学ぶシンプルライフの考え方
80対20ルールで人生を変える