YADOKARI×SuMiKa 小屋キャンペーン第1弾 “YADOKARI小屋部史上、もっとも実験的”なオフィス小屋

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「ホームセンターで売っているような物置ではなく、デザイン性の高い小屋を自分たちの手で作れないだろうか。」
YADOKARIサポーターズグループ内で発足した「YADOKARI小屋部」は、住まいの最小単位となる小屋を作る「大人の部活」です。

昨年の春に発足し、約半年で7棟の小屋を手がけたYADOKARI小屋部は、「株式会社SuMiKa」(タマホームと、インターネットベンチャーである面白法人カヤックが2013年6月に共同設立した企業)とコラボレーションを行い、栃木県那須塩原市で新たな小屋を手がけました。

YADOKARI×SuMiKaの「YADOKARI小屋部史上、もっとも実験的な小屋」

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今回の小屋は昨年7月に募集されたYADOKARI×SuMiKaの小屋キャンペーンの一環として建てられました。
株式会社SuMiKaは、建築家の方や、工務店をはじめとした家づくりに関する様々な専門家の方と出会うことができるサイト「SuMiKa」を運営しています。また、2014年秋には東京虎ノ門にてYADOKARI小屋部も出店した「日本初!小屋展示場@」の主催を務めています。
当選者は小屋の制作費が50万円まで負担される、というキャンペーンの中で作られた今回の小屋は「YADOKARI小屋部史上、もっとも実験的な小屋」でした。

日本初!?の「フローティングパネル工法」

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今回の施工現場は栃木県の那須塩原市、YADOKARI小屋部の活動で初となる遠征です。また、おそらく日本初となる「フローティングパネル工法」という、柱がない特殊な工法で設計されています。
そのため、今回の小屋は、部材となるパネルを組み、その間を3Dプリンタを利用したパーツでつなぎ、まるで壁面が浮いているかのような外見を持ちます。

まずは基礎となる土台を組み立て、移動ができるようにキャスターを設置し、壁面パーツなどを組み上げていきます。

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次にビスや釘を打ちこみ、部材を組み上げていきます。
虎ノ門の現場から引き続き活躍のインパクトは、ご協力くださったポップリベット・ファスナー株式会社様ご提供の「BLACK+DECKER」。
パワフルな駆動で、今回も施工現場で大活躍でした。

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いつもの活動では木材を切り出すところから始めるYADOKARI小屋部ですが、この日は木材がすでに加工されていたので、かなり早い段階で基礎と壁面が組み上がりました。
木材に塗られている塗料は「リボス タヤエクステリア」というドイツの自然塗料です。この塗料はイケダコーポレーションという自然派建材の代理店様よりの提供を受けて使用してます。

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施主さんは「那須林業工業有限会社」の渡辺さん姉弟

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左:弟の渡辺太一さん 右:姉の渡辺ユミさん

キャンペーンに多数の応募がある中、当選された渡辺さんご姉弟。快適で安心して暮らせるナチュラル住宅を手がける「FPの家 カーサデオリーブ」の一員として、那須塩原市で自然素材を使った高断熱・高機密天然住宅を手がける工務店「那須林業工業有限会社」を営むご姉弟です。

設計にあたり依頼した内容は、「オフィス用として使える小屋というもの以外は、こちらからの要望はほとんど伝えていません。それは、せっかく著名な設計の方が関わってくださるので、全てお任せすることで工務店として勉強させていただこうという考えからでした。」
この要望を受け、設計されたのが今回の小屋です。

大型建築も手がける設計チーム

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左:浅井正憲氏 中央:徳渕正毅氏 右:浅井百合氏

今回設計を担当してくださったのは、浅井アーキテクツ一級建築士事務所の浅井正憲氏と浅井百合氏のご夫妻、また、ロンドンに本社を置き、世界160カ国以上でプロジェクトを実施した企業の日本支社オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ・ジャパン・リミデッドの構造エンジニア、徳渕正毅氏にもご協力いただきました。
ちなみに徳渕氏は、YADOKARI始動のきっかけにもなった宮城県女川町のコンテナを使用した仮設住宅(設計:坂茂氏)の構造設計も担当されており、今回のご縁にYADOKARIメンバー一同心弾みました。

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大規模な建築も手がける3名が手がける今回の小屋は、「壁面パネルが浮かぶように支え合うオフィス小屋」。
浅井正憲氏に設計のコンセプトをお聞きすると「設計は『施工のプロでなくても建てられる小屋』という小屋部のコンセプトをもとに、プロでなくても作れるイケヤの家具をイメージし、組み立てやすい2×4工法で建てる予定でした。
しかし多面体で建てたいというアイデアが出たので、
柱がない、パネル同士をつなぐ構造に設計し直しました。」というお話を伺えました。
パネル同士をつなぐ際に活用されたのが、3Dプリンタを利用して作られたパーツです。

フローティングパネル工法の由縁

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この透明のパーツはポリカーボネート樹脂でできた接合部です。
多面体を形作るパネルを支えるパーツとして、3Dプリンタで出力して形を確認した後、樹脂から削り出しています。また、強度が要求されないパネル間のふさぎ板として、一部3Dプリンタで出力したパーツをそのまま使っています。
これらのパーツをパネルと組み合わせ、壁面と天井を作り出します。

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壁面とパーツをつなぐと、このように向こう側が透けて見えることが「フローティング(浮き)パネル工法」と呼ばれる由縁です。
実はこの工法の名前も、今までに前例がないため、設計者の方に「パネルが浮いてるから」という理由で名付けてもらったものでした。

小屋は完成間近に

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午後には、窓や机の構造材となる鉄のフレームと、屋根を取り付けます。
構造設計を担当していただいた徳渕さんからは、「鉄のフレームは壁面同士をつなぎ、屋根形状を保持して、小屋の安定性を向上させる役目を果たしています。」というお話を伺いました。
上に乗せる屋根も、3Dプリンタを利用して作った透明のパーツで固定していきます。

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完成が見えたところで、この日の作業は終了しました。

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一部向こう側が透けて見える不思議な小屋の前で、施主さんと設計チームの皆さんでお話をしてもらいました。
共に作業を行い、小屋が完成間近になったことで、みなさんは満足そうな表情でした。

春には小屋でお花見を

この小屋はその後、完成の時を待っています。

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残る工程はパネルの隙間をFRPで塞ぎ、窓にガラスをはめ込む作業です。
設計者の浅井さんが持っていらっしゃるのがFRPを貼った試作品です。

「私たちの会社の敷地には桜があるのですが、春になったら小屋を活用してお花見をしたいです。オフィスとしての活用も楽しみで、完成が待ち遠しい。」そう話す施主の渡辺さんご姉弟。

今回の小屋も、施主さんと共にたくさんの季節を過ごすことになるのでしょう。小屋が施主さんの住まいや人生の一部として活躍していく姿を想像すると、次の部活もがんばろうと思えるのです。

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