第2回:非日常で一畳のテント生活|僕は現場主義。世界はこんなに近いのだ。
3年間をかけて自転車世界一周をしようとしてる熊谷です。
今回は僕の「暮らし方」についての話。
前回の記事でお伝えした通り、僕の暮らしはテント生活が常である。今回紹介するのは、アラスカ(アメリカ合衆国)とカナダ序盤でのテント生活についてだ。
僕が使っているテントは、モンベル製のステラリッジテント1型である。素早く設営できることと、軽量化に特化したテントが欲しかったので、こちらのテントを購入した。
過去に某アウトドアメーカーの廉価版テントを使っていたのだが、ポールが折れてしまうアクシデントが発生した経験があった。折れた部分を修復するために、ビニールテープを使って補強をしたり、余計なストレスを感じていたので、今回の旅で使用するテントは評判が良いギアにしたのである。
広さは畳一畳分の広さ。ハッキリ言って狭い。
自転車に取り付けているパニアバック4つをテント内に入れてしまうと、一畳の半分より少し広いぐらいのスペースしかないのである。なんとか僕が仰向けに寝ることができるので、もともと寝相は良い方なので睡眠には全く支障はない。
初めての海外での自転車旅なので、慣れるまではキャンプ場を目指して、毎日自転車を漕ぎ進めている。
北米は熊に遭遇する可能性も大きいので、キャンプ場にゴールするのが毎日の目標でもある。北米では、キャンピングカーでのカートリップ文化が盛んであり、約100km毎にキャンプ場が整備されているので、自転車でも毎日キャンプ場に泊まることができて安心なのだ。
それでも、道の状況(坂が多かったり、逆風が激しいとき)によっては、目的地に設定しているキャンプ場に到達するのが難しい場合もある。
どこにキャンプ場があるかを調べるにはネットに接続できる場所が必要。大きい町や小さい町に行けばWi-Fiが飛んでいる。Wi-Fiが飛んでいなくても、町のビジターセンターに行けば、どこにキャンプ場があるか記載されている冊子をゲットできる。それでも、僕は最新情報が欲しいのだ。ちなみにビジターセンターとは、町や近隣の国立公園の情報や、町の歴史などを展示・開示している施設のこと。たいていの町にはこのビジターセンターがある。
町と町の間が300〜400kmは離れているのが普通の北米エリア。1日平均100km前後しか進めない僕にとっては、途方もない距離。そんな時に助けてくれるのが、途中にあるレストランやガソリンスタンド兼売店だ。ほとんどのお店にはWi-Fiが飛んでいるので、昼食を食べがてら情報収集するのが日課になる。
それでも、昨今までの景気のせいなのか、閉店しているお店もあるのだ。その時の絶望感はと言ったら、何でやねん!の一言に尽きる。
無事にキャンプ場に到着したら、まずは小休止。
何事も無く到着できたことを感謝しながら、軽めの給食を食べ、その日の苦行のフィードバック。やはりあのタイミングで写真を撮っておけばよかった、休憩が多過ぎたかな、さっきの外国人さんに話しかければ良かったなど、次の日に生かすように心がける。
そんなことを考えながらテントの設営や、夕食の準備もする。僕が使っているのは小さいコッヘルなので、作ることができる料理は限られている。主にスパゲティに何かをブッ込むことが多い。ビーンズ、スパム、チーズ、ふりかけなどだ。
夕食は簡単に作って済ますので、作り始めてから食べ終わるまで30分以内で終わらせる。
夕食が終わってしまえば、あとは寝る準備をする。時間がある時は、洗濯をしたり、iPhone6のメモ帳に、その日にあった出来事や気付きなどを記入。まだ体力が残っていて疲れていない時は学習時間。僕の英語力が中学2年の2学期レベルなので、なるべく早く中学3年の1学期レベルにするために英語の勉強をする。あとは音楽を聴きながら、モチベーションを上げる。自転車を漕ぎながら音楽を聴くのは危ないので、夜にイヤフォンをしてストレッチをしながら聴くのが良い。なかなか寝付けない時は、キャンプ場のランドリーでPCをいじることも多い。
ちなみに仕事をする時は、町で長期滞在した時に一気にやることが多い。
アラスカのアンカレッジ、フェアバンクスやカナダのホワイトホースのように人口が1万人以上の町に行けば必ず無料Wi-Fiがあるし、1000人に満たない町でもビジターセンターにWi-Fiがある。ホテルに行けば、だいたいWi-Fiが飛んでいるのだが(近くに行って確認済)お金を節約するために、僕はキャンプ場で寝泊まりをする。
キャンプ場にはWi-Fiがある時もあれば、ない時もある。悲惨な時は、キャンプ場にWi-Fiがなくて、最寄りのWi-Fiスポットまで10km近く離れていた時だ。いつも走っている時より全然近いじゃないか!と思われるかもしれないが、長期滞在している時は身体の療養も兼ねているので、あまり走りたくないのである。
そのため、自転車を漕ぐモチベーションが上がらないので、毎回めんどくさがりながらWi-Fiを求めてペダルを漕ぐのだ。チャリダーの風上にも置けない男なのである。
テント生活も1ヶ月ぐらい経てば、身体が当たり前に受け付ける。始めの方は緊張して眠れないこともあったが、それだけ時間が経てば爆睡している。人の家に泊まらせてもらう時の方が100倍快適だが、いざ久しぶりにテント生活に戻るとホッとしている自分がいる。たった一畳で狭いのだが、僕にとってはラグジュアリーなプライベート空間。それを考えると、日本でもカプセルホテルライフが可能そうだ。家賃が一ヶ月1万円だったら流行ること間違いなし!
と思っているのは僕だけではないだろう。
*この自転車で世界一周中!個人サイト「るてん」にて旅の模様をアップ中。