【空き物件募集】DIYを学べる場を全国各地に。 協力してくれる「不動産オーナー」を探しています。KUMIKI PROJECT
「 未来住まい方会議」の読者のみなさんへ。はじめまして、「KUMIKI PROJECT」のくわばらゆうきと申します。
「KUMIKI PROJECT」は、全国の製材所と連携しながら、「暮らしを手づくりする人を増やし、日本の森をつなげること」を目指し、活動しているプロジェクトです。
今回、DIYを学べる場をつくるため、協力してくれる空き物件をお持ちの不動産オーナーを募集します。
私たち「KUMIKI PROJECT」の活動は、東日本大震災で大きな津波被害を受けた岩手県陸前高田市で、集会所を地元住民の皆さんとセルフビルドする取組みから始まりました。
活動当初は、木材工場が津波で被災したために、行き場を失ってしまった陸前高田一体の「気仙杉」の有効活用という課題と、「こどもたちにガレキの街並みを故郷だと思ってほしくない。みんなでまちづくりを考える場所がほしい。」という地元住民の方々の想いが重なり、杉間伐材ブロックを使った集会所づくりがスタートしました。
2013年6月。久しぶりに顔を合わせるクラスメイト同士、割烹着姿で登場したおかあさんも、大工仕事は腕におぼえありのおじいちゃんも、みんながひとつひとつの木材ブロックを重ねあって、自分たちの集会所を作りました。そこは、津波によってほとんどの建物を失った岩手県・陸前高田市の今泉地区。
集会所の周りには、また一緒に顔を合わせられた喜びと、自らの手でみんなが集まれる場所を作り上げた嬉しさで、笑顔があふれていました。
だれかと一緒にいられることって、こんなに嬉しいことなんだ。みんなでつくることって、こんなに楽しいことなんだ。被災地したまちの人たちの笑顔に出会って気づくことができたのは、とてもシンプルな答え。その時の気持ちがそのまま、「つくる楽しさとつながる喜びをすべてのヒトへ」というKUMIKI PROJECTのテーマになっています。
東京のど真ん中に集会所を作るのは難しいかもしれないけれど、大切な人と一緒にものづくりに触れる機会はもっとたくさんつくれるはず。その時に、素材として、東北をはじめとする地域の資源である豊かな森林をつなげていけるなら、地域はもっと元気になれる。 そんな想いから、プロジェクトがスタートして3年目を迎えた現在は、陸前高田にとどまらず、全国で「暮らしを手づくりできる人を増やし、日本の森をつなぐ」を目指し、活動に取り組んでいます。
KUMIKI PROJECTの新プロジェクト「DIYがっこう(仮)」
「KUMIKI PROJECT」では、今年の4月に東京・早稲田にある教科書の製本工場だった古い建物をセルフリノベーションし、DIYを学べるスクールプログラムを試験的にスタートさせました。 「材料がわからない」「作り方がわからない」「工具がない」「加工できる場所がない」「製作物を置いておく場所がない」……。
DIYをやってみたい人は多いのに、はじめの一歩は難しい。
そんな壁をこわせる場所を作ろうと思ったのがきっかけでした。
とにかく敷居を下げるため、100ボルトの家庭用電源で使える小さな工具を中心に、床の上で作れるスタイルにしてみました。だからDIYがはじめての人も安心です。
実際に通われる方の9割はDIYがはじめての方々。
また、他の受講生や講師と気が合いそうかどうかも、事前見学でつかんでいただいてからスタートできるのも、安心できる理由のようです。
「DIYがっこう」
何をするのかを少しご紹介しますと、初回だけは自分の道具を入れる小さな道具箱を作りながら、木が割れない穴の開け方や電動ノコギリの使い方、穴を開ける機械の使い方を知ってもらいます。
その後2回目からは、欲しいものを絵に描いて、DIY講師に強度やデザインのアドバイスをもらったら、さっそく欲しかったもののDIYにチャレンジです。
オープンから 気づけば20名を越える方に足を運んでいただくようになりました。材料や作り方をDIY講師に相談しながら、工具をシェアし、少しずつ欲しいものをジブンでつくり上げていく。そんなワクワクする光景が拡がりつつあります。
「暮らしに必要なモノをジブンでつくれるって、なんかいい。」
何でも買えるモノがあふれたこの現代だからこそ、お金に頼りすぎず、かけた時間と手間が、やがて愛着に変わる心地良い暮らし方。それは、きっと「豊かな住まい方」につながるのではないでしょうか。
例えば、地域に1つみんなが使える図書館があるように。みんなで使えて、暮らしを手づくりする一歩を踏み出せる場としての「DIYがっこう」が増えて、もっと気軽に通えるようになったらいい。
そんな想いがドンドンふくらんだ結果、「DIYがっこう」は、KUMIKI PROJECTとして新たな一歩を踏み出すことになりました。
お願いがあります。活用させていただける「空き物件」ありませんか?
最初のお願いは「未来住まい方会議」をご覧いただいている不動産オーナーさんへ。 実は「DIYがっこう」をいろいろな場所で開講したいと思ってからの一番の課題は物件探しでした。現在の「DIYがっこう」では、月謝制で月4回まで通っていただける仕組みになっています。DIY講師の毎回のサポートや作り途中の製作物が保管できるスペースも提供しています。
「1人でも多くの方にDIYの初めの一歩を踏みだしてほしい」という想いから、できれば、あまり受講料は上げたくないと考えている一方で、 不動産会社さんを回っても、店舗スペースに見合う賃料が合いにくいうえ、機械工具の音が理由で、物件探しは大変難しい現実があります。
思い起こせば、東京・早稲田で試験的にはじめた場所は、不動産オーナーさんと直接お話をさせていただき、取組に理解をいただけたことが大きかったように思います。だからこそ、今回も理解を示してくれるオーナーさんを探してみたいと思っています。
(上記3枚の写真は、東京・早稲田のDIYがっこうの物件を借りた時の写真)
(DIYリノベの様子)
(DIYリノベ後)
ちなみに「DIYがっこう」で扱う工具はどれも100Vの家庭用電源で使える小さなもの。しかも常に音が出るわけではありません。それでも気になると思います。だから、呼ばれれば車に一式詰め込んで、実際に機械を回して音を確認してもらえればと思っています(笑)。
古くても、ボロくても、長らく空き家だった家でも構いません。 もちろん倉庫や問屋さんなどとして使われていたスペースなど、理想はあります。 しかし、まずは広さ約50平米(約15坪)のスペースが大事なんです。それさえ確保できれば、条件面などについてはご相談を重ねさせていただければと思います。こんな状態でも大丈夫?という状態でもまずは教えていただければ嬉しいです。
あなたも一緒に。お待ちしています。
最後に、このメッセージを読んでいただいた方へ。
「DIYがっこう(仮)」というプロジェクト、ゆくゆくは全国各地で取り組めればと思っています。「DIYが大好きで教えてくれる人」「欲しいものを自ら作れるようになりたい人」、ぜひ、メッセージをください。
欲しいものを自らつくり、住みたい場所で日々を送り、暮らしを手づくりできるヒトが、1人、また1人と増えていく。
暮らしを手づくりする学び場「DIYがっこう」
その新たな始まりに、ぜひ、ご一緒していただければ嬉しいです。