Encuentro Guadalupe Hotel(Endémico Resguardo Silvestre)は、graciastudioが手がけた、メキシコ・バハ・カリフォルニア州グアダルーペ・バレーにある小屋の宿だ。小さな独立した客室が、広大な敷地の中に点在している。
ひとつの大きな建物に部屋を詰め込むのではなく、小さな家をひとつずつ大地に置いていく。その考え方は、ホテルというより、ささやかな集落をつくることに近いのかもしれない。
ワインの谷に置かれた小屋たち
グアダルーペ・バレーは、ワインの産地として知られる谷だ。この宿は、その土地の中に計画された開発「Encuentro Guadalupe」の一部として生まれた。
敷地の広さは94ヘクタール。そこに置かれるのは、ひと部屋ずつの小さな客室だ。建物が占める面積に対して、まわりに残された余白がいかに大きいかが想像できる。
部屋と部屋はつながっていない。一棟ずつが独立していて、それぞれが自分だけの居場所として谷の中に立つ。泊まる人は、廊下を歩いて部屋に入るのではなく、外を歩いて自分の小屋へ帰っていくことになるのだろう。
小さな部屋が、外へと意識をひらく
客室は決して広くはない。けれど、ひとりやふたりが眠り、くつろぎ、外を眺めるには十分な大きさだ。
空間が小さいと、人の意識は自然と外へ向かう。部屋の中で完結しないぶん、光や風、谷の広がりが、滞在の一部として入り込んでくる。
小さな家を好む人たちが大切にしてきたのも、この感覚だろう。必要なものだけを手元に置き、残りは周囲の環境にゆだねる。この宿は、その心地よさを旅のかたちで試せる場所になっている。
ワイナリーと住まいのある風景の中で
Encuentro Guadalupeのマスタープランには、客室群のほかにワイナリーと住宅エリアも含まれている。宿だけが切り離されてあるのではなく、つくる場所、住む場所、泊まる場所が、ひとつの土地の中に同居する計画だ。
旅人として訪れる人と、そこで暮らす人。その境目がゆるやかな場所では、滞在の意味も少し変わってくる。観光地を消費するのではなく、ひとつの土地の営みに、しばらくのあいだ加わるような感覚だ。
点在する小屋は、その営みの中にそっと差し込まれた居場所のように見える。大きな開発の中にあっても、ひとつひとつの単位は小さく保たれている。そのバランスが、この計画のいちばんの魅力なのかもしれない。
広い土地があるからといって、大きな建物を建てる必要はない。小さな家を散らばせ、あいだに余白を残す。その選択が、土地の広さをそのまま体験に変えている。
日本にも、限られた空間を丁寧に使い、外とのつながりの中で暮らしを組み立ててきた文化がある。小屋が点々と並ぶ谷の風景は、遠い国の話でありながら、どこか懐かしい問いを投げかけてくる。自分にとって、ちょうどいい大きさとはどれくらいだろうか。
Encuentro Guadalupe Hotel(Endémico Resguardo Silvestre)のデータ
- 物件名:Encuentro Guadalupe Hotel(Endémico Resguardo Silvestre)
- 設計:graciastudio
- 国:メキシコ
- 地域:バハ・カリフォルニア州 グアダルーペ・バレー
Encuentro Guadalupe Hotel(Endémico Resguardo Silvestre)のよくある質問
Q. Encuentro Guadalupe Hotelを設計したのは?
A. 設計はgraciastudio。客室群はEndémico Resguardo Silvestreと呼ばれている。
Q. Encuentro Guadalupe Hotelはどこにある?
A. メキシコ・バハ・カリフォルニア州のグアダルーペ・バレーにある。94ヘクタールの開発地Encuentro Guadalupeの中に位置している。
via: https://www.archdaily.com/1182710/encuentro-guadalupe-hotel-graciastudio
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