TreeBOX – Casa sull'Albero は、イタリアの設計事務所Studio Officina82が、アルプスの集落アルピゼッラに手がけたツリーハウス型の小屋だ。床面積は12m²。2026年のプロジェクトで、Fabio Revetria と Lara Sappa がリード・アーキテクトを務めている。
この小屋は、ひとつの建物として完結しているわけではない。リグーリア・ピエモンテ・アルプスに抱かれた小さな集落アルピゼッラを、もう一度よみがえらせようとする宿泊プロジェクト「Selucente」の一部として生まれた。泊まる場所をつくることが、そのまま土地を取り戻す営みにつながっている。
集落を再生するための小さな小屋
Selucente は、アルピゼッラという山あいの集落の再生を軸にしたホスピタリティのプロジェクトだ。人が訪れ、泊まり、過ごす。その積み重ねが、集落に再び息を吹き込んでいく。
そうした構想のなかで、TreeBOX はひとつの入口のような存在なのだろう。大きなホテルを建てるのではなく、まずは12m²の小さな部屋を置く。その控えめな規模が、集落の時間の流れにそっと寄り添うようにも思える。
集落を取り戻すための最初の一歩が、木の上の小さな部屋だというのは、なんだか希望のある話だ。
木の上の家という名前に込めたもの
イタリア語の Casa sull'Albero は、木の上の家を意味する。子どもの頃に誰もが一度は憧れた、あの秘密基地のような響きがある。
ツリーハウスという形式は、地面から少し離れた場所に身を置く体験そのものだ。見慣れた景色も、目線が変わるだけでまったく違って見える。山の集落に泊まる旅人にとって、それは土地と出会い直すきっかけになるはずだ。
小さな構造物とはいえ、構造設計には IngeMBP の Corrado Curti が加わっている。さらに Lucrezia Nari、Alessia Catalano、Arianna Sella-Camilla、Francesca Ciudino、Beatrice Uva といった協働者が名を連ねる。遊び心のある名前の裏には、多くの手と確かな技術がある。
12m²という広さが教えてくれること
12m²は、決して広くはない。けれど、泊まるための場所としては、必要なものを見極めれば十分な広さでもある。
ArchDaily では、この作品はホスピタリティ建築、キャビン&ロッジ、そしてインスタレーション&構造物という複数のカテゴリーに分類されている。宿であり、山小屋であり、どこか作品のようでもある。その曖昧さこそが、この小屋の魅力なのかもしれない。
写真は Giulia Sarno によるもの。ひとつの小さな建築が、集落の風景のなかにどう置かれているのか、写真を通してじっくり眺めてみたくなる。
大きな計画を、小さな建物から始める。TreeBOX は、場所を再生するという壮大な話を、ひと部屋ぶんの体験に落とし込んでいる。
限られた空間を丁寧に使い、自然との距離を測りながら暮らす感覚は、日本の小屋文化にもどこか通じるものがある。山の集落に灯る小さな宿が、訪れる人の記憶にどんな景色を残すのか。そんな想像をしながら、木の上の12m²に思いを馳せたい。
TreeBOX – Casa sull'Alberoのデータ
- 物件名:TreeBOX – Casa sull'Albero
- 設計:Studio Officina82(Lead Architects: Fabio Revetria, Lara Sappa)
- 国:イタリア
- 地域:アルピゼッラ(リグーリア・ピエモンテ・アルプス)
- 面積:12 m²
- 完成:2026
- 写真:Giulia Sarno
TreeBOX – Casa sull'Alberoのよくある質問
Q. TreeBOX – Casa sull'Albero の広さは?
A. 床面積は12m²だ。
Q. TreeBOX – Casa sull'Albero を設計したのは誰?
A. イタリアのStudio Officina82が設計し、Fabio Revetria と Lara Sappa がリード・アーキテクトを務めた。構造設計はIngeMBP(Corrado Curti)が担当している。
Q. TreeBOX – Casa sull'Albero はどこにある?
A. イタリアのリグーリア・ピエモンテ・アルプスにある集落アルピゼッラにあり、宿泊プロジェクトSelucenteの一部となっている。
via: https://www.archdaily.com/1181796/treebox
関連:トレーラーハウスの記事一覧/小屋の記事一覧/タイニーハウスの記事一覧