屋内と屋外を融合させるための家「Compact Australian Home Clad in Steal and Concrete」

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この家は1920年代に建てられたものをリノベイトしたもので、屋根のステンレスはオリジナルのものをそのまま使い、ほかの部分もおなじマテリアルで仕上げられている。

オーストラリアのデザイナーDavid Langston-Jonesが試みたのは家の中と外の融合である。
彼は生活空間が庭に開くようにレイアウトを変更した。「ここはとてもいい気候だから実際のところ、家の外でも生活できるさ。」彼は気候もデザインの要素であると考えたのだ。

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屋内にも屋根と同じステンレスが使われているが不自然さは感じない。このステンレスの波型が表情を持っているかのように見えてくる。
キッチンを見ると引き出しなども同じ素材で統一されているので清潔感を感じさせる。バスルームも同様で色味が統一されているのですっきりとしている。
取り付けられたスライドウインドウは外からの視線を遮りつつも太陽光が入るので自然光の中、シャワー、バスを楽しむことができる。家全体に効果的にビビッドカラーが配置され明るい印象だ。

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庭に出てみると塀もコンクリートとステンレス、直線と曲線の繰り返し、心憎い演出だ。
改装時、新しいメインリビングエリアは地上から40cm上げて設計された。しかし配管の都合上バスルームのみグランドレベルに位置することを余儀なくされた。そのために建物に段差が生じる。しかしこの段差は生活のリズムとなって住人を楽しませる。

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思い込みを捨てて考えてみよう。アウトドア用品を家の中で使ってはいけない、なんて決まりはない。アウトドア用の食器は機能性に富んでいるし、ガーデン用のテーブルやいすは丈夫で軽くて移動が楽だから。家の中で使うのにもとても便利。
あえて家用のディナー用のプレートとカトラリーを持って外でピクニックする。いつものサンドイッチも高級感が出て味も違ったものに感じるかもしれない。
物の見方を変えてみると、その多面性に驚くことがある。ちょっとした遊び心を忘れずに自分をとりまくものすべてを楽しもう。そんなデザイナーからのメッセージが聞こえてきそうだ。

Via:davidlangston-jones.com.au