低環境負荷でも快適に暮らせるプレハブハウス「CARBON POSITIVE 01」

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SIMPLICITY(シンプルさ)、AFFORDABILITY(値ごろ感)、SUSTAINABILITY(持続性)を企業理念とするオーストラリアの建築事務所ArchBloxが「CARBON POSITIVE 01」というプレハブハウスを手掛けた。白と黒のモノトーンのデザインに、木のナチュラル感と周りの緑が町に映えている。

実はこの家は、排出される温室効果ガス(特に二酸化炭素)よりも、より多くを吸収できるように作られた、オーストラリアで初めてのカーボンポジティブのプレハブハウスだ。カーボンポジティブハウスの試作品として、現在メルボルンのCity Squareに展示されている(2015年2月時点)。

家の南側は全面ガラス張りのサンルームで、太陽を最大限とりこめる作りになっている。また、屋根には太陽光パネルがあり、太陽の熱を有効利用できる。

家の北側には窓がなく、キッチン、バスルームなどが配置してあり、配置の工夫で冷たい空気を遮る。また、オーストラリアでは夏場の気温が強烈だ。そのため、プレハブハウスでも室内が高温にならないように、床下に設置してあるチューブで機械に頼ることなく空気を循環させて効率よく温度管理を行っている。また、フロアから天井までの壁は二重の断熱サッシで、屋根に断熱のため植えてあるグリーンが、夏の暑い時期でも建物を涼しく保ってくれる。

雨水もリサイクルして使用できるようになっているので、水の消費も抑えることができる。このように、CARBON POSITIVE 01は、自然の力を最大限に利用した、環境に優しい家なのだ。

Edible wall(食べられる壁)と名付けられた壁には鉢が備え付けられており、ハーブなどの植物が育てられるようになっている。庭を持つことができなくても植物を育てながら暮らすことができるのは楽しいだろう。

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家のレイアウトは限りなくシンプルだ。リビングダイニングは仕切りがなくオープンスペースになっている。また、サンルームとの仕切りのガラスドアを開け放すと、明るく開放感がある。スペース削減のためにスライド式のドアが各所に採用されている。

ダイニングとベッドルームの境目に備え付けられた棚はロフト付きで、エクストラ・ベッドルームとしての利用も可能である。
生活導線を考えても、バスルームがベッドルームとリビングダイニングの両方からアクセス可能なので、無駄がなくかつプライバシーが守られるデザインだ。

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CARBON POSITIVE 01は、都会にいても環境に配慮した家に住み、自然と繋がりながら暮らせる可能性を示してくれる。自然と人が共存できる、持続可能な社会の実現を、「家」から考えてみてはどうだろうか。

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(文=加藤聖子)

Via: inhabitat.com