小さな敷地を有効活用、多重階層の一軒屋「Holzhaus am Auerbach」

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ドイツのバイエルン州の北部にあるアウエルバッハの近隣に建てられた小ぶりなブラックとグレーのツートンカラーの家。背景の鮮やかな緑に対照的なシックな存在感を放っている。

クリスティン・アーンハッドとマークス・エックの建築事務所が自分たちのゲスト用にと手がけたこの家は「Holzhaus am Auerbach」と名付けられた。日本語に訳すと「アウエルバッハの木造住宅」だ。その名の通り、木造で建てられたこの家は、幅4mに奥行き12mの床面積48㎡というスモールハウスだ。

休暇用の家として建築されたこの家は、小さいながらも、さすが環境先進国のドイツだけあって、環境に配慮した様々な工夫が施されている。

その工夫のひとつが屋根に敷きつめられたソーラーパネル。一見、ソーラーパネルのように見えないのは、外観にも配慮してタイル状のものを採用したためだ。この家で使用される電気はすべてモニターされ、ここに宿泊するゲストは自分たちのエネルギー消費量が分かるようになっているので、ちょっと意識の高い別荘生活が楽しめそうだ。
プレハブ設計無垢材が使用された外壁と屋根。使用された木材は大きめに作られ、木造の家に深みのある印象を与えている。外壁には天然色素が使用され、光によって表情を変えるビロードのような美しい外観だ。

さて、家の中に入ってみよう。家の玄関はガレージの左側にある扉のようだ。この扉とガレージの扉は観音開きに大きく開くこともできる。ガレージ側の外壁はグレーの木造だ。外観の落ち着いた雰囲気とは対照的に、扉の裏はガレージ側も玄関側も共にピンク色で統一されていて、粋なアクセントになっている。

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ガレージの奥、家のちょうど中央にある階段を数段上ると、家の反対側にダイニングキッチンにつながる。室内もシックなグレーと無垢の木材で統一され、とても落ち着いた雰囲気だ。壁面に採用された、暖房システムを囲む漆喰の効果により、エネルギーを節約し、快適なぬくもりが壁面から放射されている。ガレージから階段を上ったすぐ左には、小さなバーが作られており、お酒やコーヒーを入れるスペースとなっている。

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ダイニングキッチンにはアイランド型キッチンが部屋の中央にどっかりと腰を下ろしている。壁側に向かって無垢パインの大きな幅の広いダイニングテーブルが設置されている。ダイニングキッチンの両側には壁一面の窓が作られており、この窓は全開することができる。窓の外にはそれぞれ大きなウッドデッキが作られており、テーブルとイスが置かれている。温かい日には両側のウッドデッキにつながる窓を開け放ち、半アウトドアとして過ごすこともできる。ウッドデッキでくつろいだり、食事をとるのも良いだろう。

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中央の階段は更に中2階のリビングルームへとつながっている。冬になると雪に包まれるこの地域。リビングに入るとすぐ左側に暖炉がある。ここから放たれる熱が柔らかく家全体を包んでいる。この家は階段の段差により、視覚的に部屋を分けているが、すべての部屋は一つの大きな空間となっているため、壁で遮られていない。そのために、この部屋の暖房のぬくもりが家全体に行き渡るようになるのだ。それを実現するのが、機密性の高い家の造りだ。このリビングから見える大きな窓からはシュピッツシュタイン山が見える。

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さらにこの階段を上り2階の寝室へ行く。上った階段の横にシャワーブースと、もう反対側にトイレと洗面所が設えられている。寝室には大人が2人眠るのにちょうどいいサイズのベッドがある。部屋の片側には作り付けの幅の広い木造のテーブルがあり、反対側には洋服を吊るすバーがぶら下がっている。ベッドの足元には小さな窓があり、近くに流れる川が見える。

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更にもう一つ階段を上るとメゾネットのような空間になっている。ここにあるのが、バスタブのある部屋だ。この部屋は床暖房が完備されており、風邪をひく心配もない。浴槽の反対側には書棚やソファーが置いてあり、お風呂から出てゆったりと本を読んだりくつろげる空間にもなっている。桶のようなバスタブの上には天窓があり、夜、天窓を通して星空を眺めながらこのバスタブにゆったりと浸かるのはリラックスするには最高だろう。また、天気の良い日に、本を片手にゆったりと外の光を感じながら入る長風呂も格別だろう。なんともラグジュアリーな大人の休日が楽しめそうな別荘ではないか。

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