150年の歴史を感じる。スモールハウス”House Moster”

via: http://www.humble-homes.com

伝統と音楽の街オーストリアの Neustift im Stubaital 渓谷に、150年の歴史のある木造のレトロなスモールハウスが忘れ去られた様に放置されていた。

Tina Maikl と Rene Moser が新しいオーナーになり、 Aktuell von den Architekten Madritsch & Pfurtscheller という地元の建築&デザイン会社と協力して、この歴史ある国のレトロな小さな家は新たな命をあたえられた。

家の大きさは107スクエアメートルと小さめ。もともと建設されていた場所から家を丸ごと掘りだし、800メートル離れたもともとの場所に置かれた。外装は150年の歴史をそのまま見せるべく、取り立てて大きな変化を加えていない。

唯一の変化としては、切妻状の壁の上端部にガラス窓をはめ込むための柱を取り付けたことだ。これにより、150年の歴史からくる重苦しさが払拭され、室内には明るい光が取り込まれ、「新しく生まれ変わった」という確かな印象をもたらし、外装のデザインの点でも成功している。

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新しくなった内装は住みやすさを連想させる。
もともとの小屋自体の歴史と特徴を反映させるリノベーションの方法として、既存の構造を「編む」様にして造られている。

内装は現在進行形で、どうしたらより住みやすくなるのかということを、住みながら適宜考えて制作している。これも「編む」という哲学の元、既存の構造を崩さずに、その構造を活かしていく意識で制作している。

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一階部分はキッチンとダイニングルームがひとつなぎとなる様な、大きなスペースをとっている。周りの大きな窓ガラスから見える外の風景と、差し込む光に溢れた室内は開放感に満ちている。

真ん中に見える積み上げられたレンガは二階への階段で、レトロモダンなこの家のデザインにこのテクスチャーは見事にマッチしている。さらにボイラー室も含めた機械室、お風呂、洗面所、西に開かれているテラスがある。

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テラス部分は完全に外にあるわけではなく、室内の中にあるテラスといった感じ。室内の延長線上に伸びていて、屋根や壁があるため、冬に山頂からの風が吹きつけても、決して寒さを感じさせない作りとなっている。上の写真の様に扉を開けば外とつながり、周りの風景や、綺麗な空気を楽しむことだってできる。

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2階部分は、3つのベッドが置かれた2部屋とギャラリールームとなっている。

むき出しの柱のひとつひとつをとって見てみても、非常に歴史のある建造物であることがわかるが、この様なリノベーションの方法により、歴史からくる一種の束縛感はなく、むしろ新しさの方が際立っている。

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建築家によれば「この『House Moster』は、過去から延々と続いている継続的なものが、前後に行ったり来たりすることによって、過去と未来との架け橋になっている」と語っている。

すべてのリノベーションに通じるのは、やはり「その歴史とともに暮らしたい」という発想なので、元の構造を残すことは非常に重要。Tina Maikl や Rene Moser のように暮らしながら室内を作っていくという発想は、非常に優れた方法であると言えるだろう。

個人的に、このレトロな木造建築と周りの風景を合わせて、写真からは不思議と日本と似たものを感じている。この様な発想は日本でもフィットし、参考にできるものがあるのではないだろうか。

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