コンテナ連結型スモールハウス「goodman westlink containers office」

ここは世界を代表する経済都市で、近年動乱の最中にある香港。

その北東部の海岸沿いにある屯門区は経済都市の香港らしく、高層ビルが立ち並びつつも、比較的自然の緑が多く見られるこの地域にキュービックなコンテナを連結させたこじんまりとしながらもお洒落なオフィスが誕生した。

work of substance(ワーク・オブ・サブスタンス)というデザイン会社がgoodman westlink(グッドマン・ウエストリンク)というロジスティクス系の会社のためにこのコンテナハウスを設計した。

作りとしては単純で、3つのコンテナを使い連結させて1階部分とし、3つのコンテナの中心のコンテナにもう一段コンテナを乗せてそれを2階部分とした。

全部で使用したコンテナは4つではあるが、アウトドアスペースを含め、スペースとしては6つの異なる空間を作り出している。

このような空間設計ができるのはコンテナハウスならではだ。

コンテナの正面と背面をガラス張りにし、建物自体の見通しを良くしている。

近代的でお洒落なオフィスに、最近採用されやすいデザインだが、単に見た目だけではなく、室内に自然光をふんだんに取り入れることができるため、日中電気を使わずに済むだけでなく、暖かな雰囲気に包まれながら、ここでの作業を進めていくことができる。

「コンテナハウス」と聞くとメタリックで無機質な印象を持つが、中を見れば、内装の壁に木材をメインに使用している。

ガラス材とのコンビネーションでスタイリッシュながらも暖かく居心地のよい空間作りに成功している。

1階部分の2ブロックは大広間として、集まって会議などができるようにに設計してある。

会議室さながら重厚な雰囲気がありながらも、周りの緑が見えるため、堅苦しすぎない空間となった。

2ブロックを使った会議室はもう一つの1ブロックのコンテナと仕切られており、スライド式の扉を開けると階段がある。
その階段のスペースに簡単な給湯スペースもあるため、簡単にお茶を作って参加者や来訪者にお茶出しが可能だ。

このようにスペースを無駄にしない設計を取ることが全体としてこのコンテナハウスのコンパクトさにつながっている。

階段を上がれば2階のスペースに。

上がった先のスペースはコンテナ部分ではなく天井まで全面ガラス張りの非常に開放的な空間となっている。

また、2階の奥の部分はベランダ、テラススペースとなっており、会議や仕事の休憩時間として、緑に囲まれ、外の空気を吸いたい時に最適だ。

全体をとおして、まるで高級ホテルかのように、「コンテナハウス」ということを感じさせないことが特徴と言えるだろう。

コンテナ自体が安価ではあるものの、このようなデザインを取れば、全く安っぽさは出ずに、むしろ高級感を出すことができるのだ。

コンテナハウス自体はスモールハウスとしてよく使われ、元々運搬用の素材なのでモビリティとう観点でも良好で、モバイルハウスとしてもよく使われる。

今回は4つのコンテナを使用しているが、それを応用して組み合わせ、今回のように小さなコンテナを連結させれば、拡張性が高まり、必要なスペースを好きなだけ増やしたり減らしたりすることができる。

また、今回のようにたまにコンテナを抜いたりしてオープンスペースを作れば、その可能性はさらに広がる。

加えて、解体する時も、コンテナを切り離して撤去するのみなので、撤去コストもそれほどかからず、周りの自然にも悪影響を与えない。

香港に今起こっている混乱を抜きにしても、都会での生活や仕事というのは気をそらされることが多く、ストレスを抱えながら生きていかなくてはならないことが多くなるだろう。

このように、僻地に簡単にすばやく、オフィスを立てることができたなら、様々な選択肢ができ、外の情勢に惑わされずに自分の仕事に集中できる環境を作れるのかもしれない。

via:
https://www.archdaily.com/
https://www.designboom.com/