バリの極上ツリーハウス「LIFT treetop boutique hotel」

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ここは無数の島々から成り立つインドネシアのバリ島。

「バリ」と言えば、サーファーにとっては聖地のような場所である。
もちろん、そうでない方も、インドネシア随一の超有名観光スポットで世界中にその名が知れ渡り、非常に独特な文化と建築も魅力的だ。
もちろん、ナシゴレンやミーゴレンなどに代表されるように美食も盛りだくさん。
誰に聞いても憧れの地として語られる場所だ。

赤道に程近く、「常夏の楽園」という冠詞がふさわしいこの島はしかし、あまりにも多くの観光客が訪れ、それに対応するために乱開発が進み、コンクリートでしっかりと固められた頑丈な高層ビルが立ち並ぶようになり、ひと昔前の素朴さは失われてしまった。

そのようなバリの現状を受け、そのアンチテーゼとして今回紹介するツリーハウスが建てられた。

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建築家の名前は「alexis dornier(アレクシス・ドルニエ)」。
そのツリーハウス群をLIFT treetop boutique hotel(LIFTツリートップ・ブティック・ホテル)という名前のリゾートホテルとした。

持続可能性、サステイナビリティを目指し、より軽量な設計にこだわって建築した。

結果として、完成したのはコスパが高く、周りの環境になるべく害を及ぼさないものとなった。

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このツリーハウスはバリの豊かな南国の自然と一体化するように、まるで前からそこにあったかのように、何の違和感もなくそこにある。

周りに高い木々があるおかげで、木陰が自然にいくつもでき、赤道に近いバリの強い日差しにさらされることから守ってくれる。
そこから自然とこの場所全体の温度も下げる効果がある。

電気など使わなくても、原始的な方法で私たちはその場所を冷却できるのだと改めて気付かされる。

ツリーハウスの一つにスポットライトを当ててみよう。

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第一印象としてバリらしい、南国のトロピカルな雰囲気が漂うが、ただそれだけではない。
その雰囲気を損なわずに、産業的、構造的でモダンなデザインを採用することに成功している。
結果として、開放的な南国建築と産業的なモダン建築を融合させた唯一無二のツリーハウスとなった。

全ての棟の屋根はわらぶき屋根となっており、バリの南国風かつ牧歌的な雰囲気を醸し出す。

その下でわらぶき屋根を支えているのが鉄のフレームでできた、モダンで産業的なデザインだ。

ツリーハウスへのアクセスは螺旋階段からで、一棟一棟が宿泊者専用の棟となっている。

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鉄のフレームで使われた下層階部分は寝室、トイレ、シャワーなど、生活空間となっている。

鉄のフレームと言いつつも、その間を埋める内装に使われているのはバリを代表する竹材や彫刻の掘られた木材をふんだんに使用し、ここがバリであることを忘れさせない。

最上階のわらぶき屋根の下の部分はオープンスペースのリビングとなっている。
開放的な雰囲気で、バリの自然に囲まれながら宿泊者はここでリラックスしながら、そのゆっくり流れる時間を楽しむことができる。

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このリゾートにはプールやバー、ちいさなサウナにレクリエーションエリアそして、ツリーハウスと同じ構造を使ったヨガデッキまで何でも揃っている。

バリ伝統の竹材をベースに彫刻入の木材をインテリアに使用し、オープンスペースを活用した建築はバリ独自の魅力があり、安価であり、それ自体素晴らしいものである。

しかし、蚊などの虫の多さや地震の多発地帯であることなど、考えるとそれらは必ずしもメリットだらけではない。

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このように、クローズドスペースやフレームの強度などを使って、その弱点を補い、また、逆に補われながら、伝統と現代が美しく融合したツリーハウスがこのLIFT treetop boutique hotelと言えるだろう。

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