テキサス。その州内には60を超える国立・州立公園が有り、手つかずの動植物の宝庫となっている。そんなテキサス州のど真ん中にあるブキャナン湖を見下ろす断崖絶壁に腰掛けているのがこちら「Weekend Cabin」。

眼下に広がる雄大な湖水の風景を独り占め。そんな贅沢な景色を提供すべくデザイナー、メル・ローレンスが家族向けに設計したものだ。地の利を生かし設えられた一見無機質なこの住居だが、そのスペックには雨水を貯めるタンクやソーラーパネルの設置等、随所に環境への配慮が工夫される。

住居は爽やかな風の吹く南側を向き、大きくスペースを取られた窓が東と西から日を取り込む。大胆な内部仕切りにより、ロフトスペースはまるで宙に浮いているかのように見える。圧倒的開放感が、外からの景色と内の空間作りによってそこに生まれる。

このWeekend Cabinは、人々が日常から逃避をする場所を提供するという名目で存在している訳ではない。
“叙情的に刹那、母なる自然と自分との二つの関係を線で結んだ先に未来を考える”という信念の元に、自然の恩恵に浴し、享受したそこから自分たちの在り方を模索する場所として、有意義な時間を過ごすことのできる空間である。

スタイリッシュでモダンな雰囲気を醸すこの無機質な場所に、深い温もりを与えるのは私たち、なのである。

via: adventure-journal.com