北イタリアの秘境にポツンと佇むタイニーハウス。トレッビア渓谷で見つけた逸品「The Hermitage Cabin」
今回ご紹介するタイニーハウスがあるのは、イタリア北部に位置するトレッビア渓谷。山や川などの自然に囲まれ、たくさんの旅行者や、カヌーやカヤック、ラフティングなど水上スポーツを愛する人々が訪れる場所だ。
そんな大自然の急勾配の段々畑の跡に、木造のタイニーハウス「The Hermitage Cabin」が建てられた。
ネットワークからも切り離され、自然の中にポツンと佇むその小さな小屋のような建物は、実は、日本の茶室やスカンジナビアの森で出会った山小屋からインスピレーションを得てつくられたものなのだという。
このキャビンに入ると、すぐに眼下に広がる渓谷の景色が目に飛び込んでくる。そして内部には、1人でくつろいだり、大切な人と数人でお茶を飲んだり、会話をするのにもちょうど良さそうな広さの空間と、右側の壁全体に沿ってカウンターが備え付けられている。これは、座席、机、収納スペースとしても機能するという。
こんな絶景を望むことが出来るのは、タイニーハウスならでは。
「The Hermitage Cabin」は、タイニーハウスが持つ設置の容易さという特長を活かし、通常家を建てることは難しい、急な斜面に配置されているからだ。
他の住宅が建てられていない大自然の中に住まいを構え、まるで自分がその自然をひとり占めしているかのような特別感を味わえるだろう。
小屋の三方を囲む壁は、ベニヤ板が水平に並べられている。内部空間は4枚のガラスで仕切られたテラスへと広がり、ヨガや瞑想、エクササイズをするには最適な空間が用意されている。
小さなバスルームを囲む壁には折りたたみ式のベッドがあり、開くとソファの上に浮かぶ。夏の日差しは、時間帯によって室内にさまざまなパターンの光と影を生み出す。
屋根の上には、蓄電池に接続された2枚の太陽光発電パネルが、そしてプロトタイプにはコンポストトイレと水筒が設置されているため、この住まいは完全にオフグリッドになるように設計されているという。
12平方メートルのこの小さな住まいをデザインしたのは、llabbの創設者であるルカ・スカルドゥッラとフェデリコ・ロッビアーノだ。独学の大工としてオーダー家具の製作、デザイン、加工の技術を学んだという彼ら。長きに渡って培ったこれらの手仕事の経験が、施工プロセスへのこだわりや細部への正確さなどとして、この住まいにも現れているという。
ここで時間を過ごすことの心地のよさや美しさは、写真を見ただけでも伝わってくる。しかし、ここで過ごしてみないと分からない、この自然の美しさや、ビルダーが作るこの空間で過ごすことの味わいがたくさんありそうだ。
どんな場所にも設置ができて、その小ささから想いやこだわりを詰め込んだ空間を作り込むことのできるタイニーハウス。言葉に出来ない美しさや幸せを体験させてくれる小さな住まいが、世界にはたくさんあるのだろう。そして私たち自身がそんな住まいを作ることだって、きっと不可能なことではないだろう。
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via:
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