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今や学校でもタブレットが使われ、幼い子供でもスマホを持つ時代になってきている。
テクノロジーやメディアに依存しやすい環境が、私生活だけでなく学校生活でも生まれてきているのだ。
そんな中、世界には健康的に子供を育てる工夫が為された「学校の建築デザイン」がある。あまり日本で見かけない持続可能な学校建築は、コストがかかるかもしれないが、日本の未来を作るための投資となるのではないだろうか。
今回は世界の学校建築を見ながら持続可能な教育を学び、どのように日本の未来を形作っていくことができるのかを考えていこう。

子供を育てる「学校」の建築デザインが海外で見直されている理由


みなさんの通っていた学校の「校舎」はどんなデザインだっただろうか。日本のとりわけ公立学校は団地にあるアパートのような見た目で、夏は暑く、冬は寒いというのも当たり前。逆にその建築構造に特に疑問を抱くこともなかっただろう。
しかし今では、大人の私たちのみならず、小学校でもデジタル化・テクノロジー化が進んでいる。タブレットやPCを使うのが教育のデフォルトとなりつつあり、それが世界から遅れを取らない秘訣でもある。
しかしそのような教育を毎日同じ場所で受けなければならない子供たちは、場所や環境を選ぶことができない。
そんな先進的な学校生活の中で、健康的で持続可能な学習環境を整えるべきだと考える国が増えてきているのだ。
海外で増えている「サステナブル(持続可能)」な学校デザインは、子供たちが自分たちの環境について好奇心を持ち、熟考し、学ぶことを促してくれる。また健康をも改善し、精神的疲労やストレスの軽減、注意力を回復させる役割を果たすのだ。
教育は「人々が残りの人生をどのように生きるかを決定するもの」でもある。
そのため、将来を担う子供たちには健康的かつ快適で、刺激的な学習環境を提供してくれる学校の建築デザインが必要なのだ。
次世代を担っていく子供たちのために、日本でも取り入れていきたい世界の学校建築デザイン例を見ていこう。

「持続可能」×「デジタル」のバランスがとれた学校デザイン

https://architectus.com.au/


学生がデジタルな環境で勉強をするのは、世界の動向に乗り遅れないために必要なことではある。しかしその学習環境は、座りがちになってしまう上に、孤立、うつ病、不安、注意力不足などの問題の増加がおきてしまう。
オーストラリアはメルボルンの「ロレトマンデビルセンター」は、そのような問題解決のために「持続可能なデザイン」と
「デジタルな設備」のバランスをとることを考えて設計された。

https://architectus.com.au


学習スペースはアルファ世代がスマホ、タブレット、PCなどを使用し、テクノロジーやメディア、デジタルに関して学習しやすいレイアウトにしている。この世代の学習内容に合わせて必要なツールが施されているのだ。
しかしその環境下では「うつ病」「注意力」「不安」などの悪影響をもろに受けやすくなってしまう。
それだけのデジタルな設備がある中で、ロレトマンデビルセンターは外の自然ある環境と学習する内の環境とを繋げるようなデザインにされている。自然光が入ることで空間の質を上げる設計は図書館を参考にし、建物の形から東と西からの日射は遮り、ほしい日光の量までも調節しているのだ。
またそのような外的自然を建築や学習空間と融合をさせるために、天然素材の材料や布などを使用した構造になっている。生徒の学習スペースがデジタルな環境でも健康的になるようにバランスがとられた例なのだ。

「自然光」や「自然空調」に焦点を当てた学校デザイン

https://images.adsttc.com


持続可能な学校の建築デザインにおいて、素材や材料にこだわり、周りの緑を増やす工夫をするイメージがあるかもしれない。しかし素材や見た目だけでなく、「光」や「空調」に焦点を当てるデザインはとても重要だ。
もちろん心身の健康のためでもあるが、同時にパフォーマンスを上げる研究結果が出ている。自然光が入る空間では、生徒の学習がより良く、より早く行われることが実証されている。
また、エアコンが設置されている建物では、自然換気が行われている建物に比べて、症状のある従業員の罹患率が高いことが知られているのだ。
そんな「自然光」や「自然空調」に焦点を当てた学校デザインの例として、アメリカはカリフォルニア州「バーリンゲーム中等学校」や、デンマークの建築家兼設計事務所「CEBRA」によるドバイの学校デザインが挙げられる。

https://images.adsttc.com


バーリンゲーム中等学校は主に「自然光」を最大限に生かしたデザインだ。窓とクリアストーリー(高窓)によって北からの自然光を十分にキャッチできるようにしたり、一連の天窓を配置することで二次光源を作り出したりしている。オーバーハングといって上階を下階より突き出させる設計によって、教室を直射光から遮る工夫もある。自然光が入る角度や量を調節されているので、電気無しでも勉強ができるようなデザインなのである。

https://archello.s3.eu-central-1.amazonaws.com


デンマークの建築家兼設計事務所「CEBRA」によるドバイの学校デザインは進行中の学校建築である。
この構想として、人口空調ではなく自然の換気によって涼しくなる環境を目指している。生徒が直接オープンな学習環境に出て学べる屋外スペースを設置するといった工夫により、生徒だけでなく教師にとっても快適な気候を室内外両方で確保する構造が考えられたのだ。

持続可能な学校建築がは日本の次世代を担う「子供たちへの投資」


この持続可能で自然に密着する学校建築デザインは、日本の次世代を担う「子供たちへの投資」だと考えられる。
学習内容が変わっていくのに対して、学習環境も順応させていかなければいけないのは、子供たちのパフォーマンスを向上させる教育が必要だからなのだ。
“紙とペン”で学んでたところから”液晶と指”になり、プライベートだけでなく学習中でも心身に負担がかかり易くなってしまう。また外の自然から離れ、自然と触れる機会だけでなく、守るべき自然に対しての興味や触れようとする意欲さえ失われてしまうと考えられる。

そこで今後の日本を支えるために必要なのが、持続可能な学校建築デザインだ。心身ともに健康的な状態で子供たちに勉強をしてもらい、また自然に触れる時間や自然に関して考える時間を失わないようにすること。それは私たちができる子供たちへの、そして日本の「未来への投資」になるのかもしれない。

【参照】
新しいスクールデザインの「NATURE」 – 進化するコンセプト
持続可能な学校
持続可能な学校設計: ハミルトンとエイトケンの建築家が Vectorworks を使用して自然光を最大限に活用する方法

「ひと月生きていくのに、いくら必要ですか?」こんな問いを投げかけられて、すぐに答えられる人は少ないだろう。多くの人が「ひと月にどれだけの収入を得ているか」に注目し、「ひと月でどれだけ多く稼ぐか」を重視する一方で、「月にいくら支払っているか」はあまり気にかけない傾向にあるからだ。

月々の収入を増やすのは簡単ではないが、支出の見直しなら今すぐできる。コツは、「これは絶対に必要という思い込み」から逃れることだ。

その車、本当に必要?

私は地方在住者の一人で、「ここに住む以上車がないと生きていけない」と思っていた。とはいえ、車はとにかくお金がかかる。車両そのものの固定費に加え、走った分だけのガソリン代、車検代、自動車税、時には修理費などの維持費がかかる。「でも、これは必要なお金だから」そう自分に言い聞かせて、社会人になってから丸3年、月々4万円ほど支払っていた。

今の私は、月に2万円ほどしか払っていない。なぜなら、同居している祖母と車をシェアし、すべての費用を折半しているからだ。

在宅勤務の私と、たまに野菜を卸しに行ったり、温泉に行く祖母。スケジュールさえ合わせれば、1台の車で事足りる。この事実に気づいてから、私は車を売却し、戻ってきた保険金と、高齢者に対して市が出している補助金を使って、かわいいサポカーを購入した。祖母と周囲の安全を強化した上で、お互いの支出も減る。ウィンウィンな固定費削減だ。

「絶対に必要という思い込み」から逃れること

私が車を手放さなかった理由、それは「田舎に住むのだから、1人1台は車が必要」「車代は固定費だから必要」という思い込みが原因だった。もちろん、通勤にマイカーが必要な人に、同じように車を手放すようすすめることはできない。大切なのは、「これは絶対に必要」という思い込みから逃れることだ。

一人暮らしをしている人なら、家賃と言う固定費を「今のスペース、今の場所に住まう意味」から考え直すのも手だろう。小さいけれど、もっとスーパーに近くて暮らしやすい部屋や、複数人で暮らして費用を抑えられるシェアハウス、実家に戻って家にお金を入れるというのも選択肢に入る。まずは、「今の自分にはこの家が必要なんだ」という思い込みから逃れ、さまざまな可能性を捉えなおしてみることだ。

そのほか、毎月定期的にかかるお金を固定費と捉えてみるのも面白い。例えば、教養のため定期的にビジネス本を購入している場合、図書館で閲覧したり、勤め先の書類購入申請を通してみたりと、やり方を変えれば「シェア」で間に合うものは意外とある。カーシェアを利用したり、公共交通機関で移動をカバーできないか考えてみるのもひとつの手だ。

お金がかかるから即やめよう、と思うのではなく、他に手段はないかな?と捉えなおすのが、リビングコストを減らすコツだと言える。

他人からどう見えるかより、自分が快適かどうか

人の評判やステータスを気にしていると、ついつい忘れてしまうこと。それは、大切なのは、他人からどう見えるかより、自分が快適かどうかである、ということだ。

「車をシェアした方が金銭的にラク」この考えは、固定費だから必要という思い込みを抱えたままでは出てこなかったものだ。支出を見直す際には、他の何かで代替できないか、自分のライフスタイルに合っているか、誰かの目線を気にしての支出ではないかを見るようにすると、思考の転換のヒントになる。固定費というラベリングがされていても、コストダウンの鍵になるかもしれないという考えは、頭の隅に置いておくといつか役立つ日が来るかもしれない。

参考サイト:

Mum’s Money.”Cheapest Way to Live: 15 Ways to Live Cheap in 2023″

https://mumsmoney.com/what-is-the-cheapest-way-to-live/

NOHMISO.COM.”年間100万円の生活費の節約!固定費を極限まで削減してみよう。”

https://nohmiso.com/category/super-saving-money/fixed-cost-saving/


YADOKARIメンバーが夜の喫茶店で駄弁っているような、あれやこれやの盗み聞きラジオ「木曜喫茶 〜Discussion like a Radio〜」。第2回は、「「フラットな組織」ってなんだ?」。

「世界を変える、暮らしを創る」ビジョンの下、住まい方だけでなく新たな働き方も探求するYADOKARI。会社の成長に伴い所属するメンバーの人数が増えていった時、どう組織の形は変わっていくのか。変えていきたいのか。YADOKARIメンバーがお菓子をつまみながら、ざっくばらんなラジオのように掘り下げています。

前編はこちらから。

「フラットな組織」ってなんだ?

さわだ「僕はそれぞれ個人が責任と自由度を持って何かを決めて進んでいくことが幸せだと思っていて。そういう組織やコミュニティを作りたい、目指したいと思っているけど、みんなとディスカッションして意見を聞くとそうでもなかったり?みんなにとっての幸せな組織形態って何なんだろうと思う。」

きむら「メンバーに責任と自由さを持ってもらった時に、その人に対してどのくらいの影響力を作ってあげるかなのかと思って。会社としての方針や大切なものを決める時に、どれだけの影響力があって行使できるのか。コモンズでの有益な人数が影響力というものに起因するなら、それをデザインすることが、フラットな組織に通じるのかなと思う。」

りおな「仕組みとしてと、態度としてのフラットさもありそうだなと思う。投票権とか、合意形成の仕組みがある以外でも、体感として例えばYADOKARIに所属していることが価値がある、繋がっている、役に立っていると思える瞬間があれば、豊かというか。働く姿勢としてのフラットさも感じられるので結果いい組織だな、となるかもしれない。」

きむら「自分が組織のトップだとしたら、その瞬間のデザインをどう提供していく?」

りおな「枠組みを人工的にやると、うまくいかないのかなと思う。むしろトップが弱音を吐ける、ワンピースのルフィみたいな。その弱さを補うメンバーが集って目的を達成していくというか。リーダーを助けてあげたい、と思えるようなトップだといいかも。」

さわだ「それぞれの強みがあって役割を全うする。弱いルフィのために何かをやりたいって。それが海賊王になることやよりよい暮らしにも繋がっていくってことだよね。そういう意味ではYADOKARIもリーダー弱いからいいよね、鬱になって休んじゃうし。笑 その良さも何となくわかるけど、もう一段階高いレベルでフラットな組織を考えてみたいんだよね。」

きむら「僕らが巻き込まれている完成された資本主義、システムを正確に捉えられているのかなと思う時もあって。資本主義のシステムってある意味完成されすぎているから批判する人も少ないなって。今回っているシステムってなんなんだろう。それを理解した上でいえてるかなって。

ゆき「株式会社ができる前も同じような議論があったような気がしていて。株式会社自体も、それを解消するための一つの仕組みで。全否定する必要はなく、新しいものを作ろうとする時に、取り入れられるものもあるかもしれない。その正反対をトライしようとしている組織があるとしたら、そこで何がうまくいって、失敗しているのか。新しいものと古いもの両方みて考えてみるのもいいかも。」

りおな「日本ってお客様至上主義のなかで。逆に働き手の豊かさ主体になったら、その先に創造されていくものってなんだろうと思う。」

きむら「その時発生しうる問題はなんだろう?サボり放題とか?笑」

さわだ「売ってもらえないとか。笑」

きむら「信頼関係の中でできるのかも。クライアント側のメリットってなんだろう?」

りおな「クライアントとしても働き手としての優先度が高いとしたら、何よりも大事なのは自分の人生だとなった時に、今は利益=お金が最上だけど、何が仕事のことの対価になるんだろう。」

ゆき「一斉にそういう社会になったらそこってやり取りできるかもしれないけど、今の、隣の企業は8時間働いていて夜中でもレスポンス返せます!という状況の中で、仮に4時間しか働かないファーストペンギンが選ばれるためには、何が必要なんだろう?」

きむら「持てるものだからこそ言えるんだろうな、という気はした。実際に3時間で提供できる人は、3時間しか働かねえ!と言えるかもしれないけど。もしかしたら逆にめちゃくちゃ競争社会になるかもしれない。」

ゆき「逆競争社会になったら面白いけどね。今は22時まで営業できます!みたいな店が選ばれがちだけど、18時閉店でーすという店があえて選ばれるような。笑」

きむら「資本主義って100年後にはみんなに利益が行き渡る、と言われていたけど、実際そうなっていなくて。slackとか便利なものも出たけど、あまり働く時間は減ってないし、豊かになってない。限られたものをさらに切り売りしていくような。とことん利益を追求する、まさに資本主義的なものなのかもしれないけど。」

さわだ「お金は根源的に物々交換の間に入るような役割としてできたものなのに、現代では金融資産や不動産、株なんかを通じて、お金がお金を生むような方法も多くなってしまって。金を持っている人がさらにお金と権力を持っていくし、その差はこれから開いていく一方で。その差デカ過ぎない?ってのは僕も疑問で。そうなっちゃったら権力側からその仕組みを壊したいとは言わないよね。」

きむら「本来会社が富んでいくことで下の人たちにも富が分配されるはずだけど、結局富野分配が起きていないんですよね。」

さわだ「会社組織に関しても株式の有無でオーナー側と従業員で資本の差ができてしまって。僕はどちらかというと富を得る側、体制側な位置にはいるとは思うけど、それを壊してみたくてうずうずしている。笑」

能力じゃない、タグ付け採用。


りおな「もしYADOKARIがフラットな組織になったら、メンバーは戦友なのかな、ライバルなんですかね?」

さわだ「どっちでもあるかもね。それぞれが自分の強みを発揮しつつ、その個同士が切磋琢磨して、一人でクリエイトするよりも皆んなで生み出す物の方が価値ができたり、そのプロセスが面白いという仕組みがYADOKARIで作れないかと思っていて。あいつがいいもの作ってるから負けずに頑張ろうみたいなのはライバルであり仲間であり、個なのかもね。」

りおな「個々の強みや持ち寄れるものって可視化されていた方がいいんでしょうか。タグみたいな感じで。サンジはコックで人一倍優しくて・・・みたいな!」

さわだ「そうなりそうだね。自分が得意な分野のタグは大きく表示されてたり。」

りおな「面接とか履歴書では出さないけど、働きながらそれぞれのアイテムがわかるというか、仮に弱みだとしても、コレクティブとして有機的な組織になることもあるかも。営業とかスキルだけで判断されない世界。」

さわだ「そういえば、僕が通っている鎌倉のシーシャ屋があって、大学生の店員だけどめちゃくちゃシーシャに詳しいこがいて。YADOKARIで働きたいっす!って言ってくれるんだけど・・色々と考えた結果、YADOKARI×シーシャ、ちょっとアリかもと思ってきたりして。笑 タグで言うとシーシャって表示されてるんだろうね。

例えばGoogleは社食のシェフを世界のレストランから引き抜いてきて、社員は無料でレストランを使えたりするわけじゃない。そういう福利厚生的な意味合いだと、シーシャが作れる人が疲れた他のメンバーを癒したり、そこでコミュニケーションを誘発したり、究極のリラックスってなんぞやって違う発想が生まれたりするというのはイメージできる。そういう意味でも一見役立たなそうな奇抜な能力であっても大切にした方がいいかもね。営業とかプロデューサーのスキルを持っていた方がもちろんすぐに活躍できるけど、エッジのきいた特徴があればあるほど、会社と掛け合わせると結果的にいいのではと思う。」

ゆき「奇抜な能力を持っている人が社員か副業、プロジェクトベースで入っていることの違いはあるんでしょうか?」

さわだ「そうだねえ・・・。社員で入った方が面白いよね。笑」

ゆき「会社の成長途中、売り上げを伸ばす時って営業や即戦力的な能力が欲しくて、ただ奇抜な能力を持った人を取りづらい雰囲気もあるけど。その時、ある程度成長した後奇抜な人をとるのか、今あえてとるのか、どちらもメリットデメリットあると思うけど、さわださんはどう思いますか?」

さわだ「採れるなら早く採りたいよね!楽しそうじゃないっすか。笑 みんなの思考が広がったり、影響しあうことで、面白いアウトプットに繋がっていくと思うし。世の中に新しい視点やイノベーションの種になっていくんじゃないと。それはすぐ目の前の商品が売れていくことに繋がらないかもしれないけど、いずれそういう世界の方が資本主義的にも儲かることになるんじゃないなか?って。」

きむら「会社に必要な能力ってなんだろう、ってずっと思って。AIでプレゼン資料を作るとか、オートマティックに結構できてしまう。気づいている人はいるし、気づいていない人はいない。そういうものをうまく使えて、システムがバグと思えるようなちょっと尖った価値観をいかに付加できるかとか。「能力」って何だろうな?って思う。」

りおな「一般的に仕事ができると言われていたものが、本当に必要なのかってことですよね。個人でもどんどん仕事ができる時代に、組織でやるときに、どういう人が欲しいかということかな。」

きむら「そういうシステムをどう向き合って作って使い倒していくのか。そのベースラインがあった上で、ある程度のものを機械が作ってくれて、人間がその先を作っていくことって、今よりも楽であり、楽しい部分が増えることなのかなって。」

りおな「例えば社内コミュニティビルダーのような形でYADORESIに奇抜な発想を持った人を入れるとか。日常的に社員メンバーとコミュニケーションをとって、仕事が捗るとかと言うより、違う部分に働きかけることで効果検証とかできるかなあとか。変わった能力を持った人を入れて、面白いアイディアを添加してもらう。」

さわだ「お見合いおばちゃんみたいな。」

りおな「超お節介な人も、なんもしない人もいるかもしれないけど。実験的にいいかもと思った。」

さわだ「AIに代替できないことって、より人間的であり動物的なことだったり、体験とかエンタメとかでしょうね。今後欲しい人材のスキルって。」

きむら「チャットGDPとかも、くだらない質問したらくだらない答えが返ってくるので、面白い質問が大事。その背景となるのは、経験で。例えば100カ国回ってきた人とそうでない人で、出せるものって違うかなと思うし、今以上に経験がものをいう世界になってくる。テクニックよりも経験なのかなと思いました。」

さわだ「その人のオリジナルの視点なのかな。」

きむら「どういう視点を持っているか。世界から何かを作ることはもうサポートできる技術があると仮定するとしたら、その膨らます世界をどう持っているかを持っていることは大切だし、そういう人がテクノロジーを身につけた時に、ものすごく跳ねることになるんじゃないかなと。」

ゆき「その経験の得方って、旅するとか本を読むとか、その人によってなんでもいいのかな?」

きむら「わからない。さっきのカビの話じゃないけど、場所に紐づく経験やコミュニティって沢山あると思うし、そういうものを大切にした方がいいんじゃないかなという予感だけはある。」

さわだ「コミュニティね。自分の居心地のいいところで何かを作っている状態。」

りおな「自分と違う価値観に会うということなのかな。」

暮らしのアーティストから、暮らしのエンターテイナーへ


さわだ「AIに代替できないものの一つとして、エンタメ面白いって話をしたと思うんだけど。

YADOKARIも個性を強みとして出すこと、思考停止せず自分の暮らしを作っていく人たちを「暮らしのアーティスト」と定義してたんだけど、最近少し変わってきているかもなと。

アーティストって自分の根底にあるものと正直に向き合いながら、常に葛藤しながらなんとか答えを出すもののというか、常に自分と戦っているイメージというか。それをこれまでの10年でやってきた感じで。これからさらに文化を広げることを考えたときに、そろそろやり方や見せ方を変えないといけないんじゃないかと思っていて。暮らしを楽しそうにやっている、真似したいという世界の方がみんな一歩踏み出しやすいんじゃないかと思っていて。そういう意味で、アーティストよりも「エンターテイナー」の方がしっくりくるかもなあって。」

ゆき「人を喜ばせるといいうか自分自身が楽しんでいる状態?」

さわだ「そうそう、どっちもだよね。自分が本気で楽しいと思っていたら、見てる人たちもやってみたいなと思うこともあるだろうし。」

ゆき「楽しんでいるものに人が引き寄せられているというか。」

りおな「エンターテインの語源は人間内部の心を変化させる何か、らしいですよ」

きむら「エンターテインって、基本的には自分ではない誰かを喜ばせる・慰めるという意味ですね。だから、そこに自分という軸があるときは違う定義になるのかも。」

ゆき「消費されない方がいいかもしれないですね。評価されるものとか、ウケるものをやってしまうと違うかも。」

りおな「そういう意味でお祭り、カーニバルというイメージは好き。笑(りおなの名前の語源はブラジルのリオのカーニバル)」

さわだ「お後がよろしいようで。笑 僕のYADOKARIの活動のイメージって「祭り」が近くて、メンバーと一緒にYADOKARIという神輿を楽しんで担いでいると、だんだんオーディエンスが増えていって、その中からも担ぎたい人がどんどん出てくるような。あと目指す方向に関しても、その時々の流れやその時にエネルギーが強い人に引っ張られるみたいなことがあっても面白いんじゃないかと。経営者が全部決めるんじゃなくてね。そんな組織を目指していきたい。」

ムードフードって?

「ムードフード」という言葉をご存じだろうか?雰囲気の「MOOD」と食べ物の「FOOD」を掛け合わせた単語である。心の雰囲気を変える食べ物、つまりは「気分を変える食べ物」のことを指す。中でも特に、不安や緊張・眠れないといったストレスによる心身への影響を緩和させる事が目的で取り入れられる事が多い。

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日本におけるムードフードの事例2選

具体例としてメンタルバランスチョコレート「GABA」が挙げられる。
GABAと呼ばれる成分は、γ-アミノ酪酸と呼ばれるアミノ酸の1種で、多くのカカオ製品や発芽玄米などに含まれる成分である。一時的・心理的なストレスを緩和させる機能があることが報告されている。実際に、パッケージの裏側には「仕事や勉強等による一時的・心理的なストレスの低減に効果があることが報告されています」との記載がある。

https://www.glico.com/jp/health/contents/gaba01/を基に作成(商品画像:photo by writer)

他にも、昨年流行した「ヤクルト1000」もムードフードの例として挙げられる。乳酸菌シロタ株と呼ばれる成分が、一時的なストレスによる負担からの緩和と、眠りの深さとスッキリとした目覚めをもたらす睡眠の質向上に効果的であるとされた。

https://www.yakult.co.jp/shirota/archive/2103-01/を基に作成(商品画像:photo by writer)

このように、「ストレス緩和」や「睡眠の質改善」といった機能を持ち、心身に変化をもたらす食品が広くムードフードと定義される。今回、ムードフードを定義する上で、その構成要素を2つに分解してみた。味や香り、見た目など視覚や聴覚等の五感的情報の要素を持つ感覚面。それから栄養素や成分といった機能的要素の理論面の2つである。

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日本でのムードフードの事例は「理論的」に定義される

こうして分解をすると、日本でムードフードと定義される食品の多くは、その食品が持つ“機能面”が全面的に打ち出される。成分や栄養素などの情報から理論的に定義されることが多い。まずは、GABAチョコレートの事例。

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次に、Yakult1000の事例である。

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「GABA」や「シロタ株」など、食品の持つ成分に着目しその機能や摂取による効果を謳っている。一方で、海外のムードフードの事例をいくつか調べると、感覚面からも同時に「ムードフード」が定義されている事が多いことに気付く。

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海外でのムードフードの事例は「感覚的」に定義される

①ピザ食って月曜日への憂鬱感を打開しちゃおうぜ!?ピザハットの事例

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土日休みの人々が、休みの最終日から月曜日が近づくにつれて感じる憂鬱な気持ち。そんな彼らの憂鬱感は「ブルーマンデー症候群」と呼ばれることがある。日曜日の夕方に放送される「サザエさん」にちなんで休み明けの仕事や通勤を憂鬱に思う「サザエさん症候群」と等しい。
そんなブルーマンデー症候群に対して、幸せホルモン(正確には神経伝達物質)を分泌する食材を含んだピザで憂鬱感を打開しようという企画がピザハットによって行われた。「最高に幸せになれるピザ」と称して、Happiest pizzaと名付けられたピザはトマトソース・モッツァレラチーズ・ツナ・紫玉ねぎ・オリーブ・コーンが具材として取り入れられている。選ばれしこの具材はセロトニンやドーパミンを含めた4つの幸福を感じる神経伝達物質の分泌を促す物質を含んでいるものを使用している。

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例えば、ツナは精神安定に効果的なセロトニンを含む。また、モッツァレラチーズには気分が前向きになるドーパミンが含まれる。このように、“幸せホルモンを含む食材を使用”という機能的な情報によってムードフードとして理論的に説明できる。しかし、この「最高に幸せになれるピザ」のムードフードとしての定義は理論面だけにとどまらない。

感覚面からも見てみよう。視覚的な工夫として、食材の色味の組み合わせにもこだわりがあるという。玉ねぎの紫、コーンの黄色、トマトケチャップの赤などカラフルな組み合わせによって目で見て楽しい気分になれるような工夫が施されている。更に、ピザハットはピザを食べる際に視聴を推奨した動画を公開している。決してクオリティが高いとは言い難い映像では、赤ちゃんの笑い声や、子犬や子猫、ハートマークや夕日や虹など、10の映像と音楽が組み込まれている。“幸せな気分”を増長させる効果がある要素を視覚的・聴覚的に織り交ぜている。

このように、食材の持つ機能の説明だけでなく、具材の色の組み合わせや動画の配信など視覚的・聴覚的といった感覚面からも気分の高揚をもたらす工夫がなされ『ムードフード』として考えられている。

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②フライトのストレスを一掃して「リラックス」した空旅を?モナーク航空の事例

モナーク航空が機内食としてムードフードを取り入れた事例もある。「旅行」となると楽しみの反面、長時間の移動や気圧の低下などストレスを感じてしまう場面がある。こうした状況への対応策としてアルコールの提供を控えるなどの取り組みを行う航空会社がある。そんな中、モナーク航空は乗客のストレスを軽減し、むしろリラックスを目的とした“mood food box”と呼ばれる機内食を提供したことが話題となった。

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まず、離陸前に提供されるのは、アイスクリーム。免疫機能改善や呼吸器系の炎症を鎮める効果のある食材として、ムラサキバミ草とリコリス(甘草)が使用されている。そして、離陸中に提供されるラベンダーと抹茶のお餅はラベンダーのリラックス効果と、抹茶の抗酸化作用の効果が期待される。
さらに、飛行開始から30分後には膨満感や消化不良を防ぐ効果的なカモミール・フェンネル・昆布をブレンドさせたハーブティーと海藻のビスケット。着陸前に「うま味成分」による活力付与が期待されるキノコとトマトパウダーをまぶしたキャラメルナッツバーが提供される。

http://madeineden.uk/projects/monarchを基に作成

しかし、こうした「免疫機能改善」や「炎症を鎮める」などの機能的な情報や効果についてモナーク航空が乗客に事細かに説明していただろうか?移動疲れに説明疲れが付随してしまいそうだ。それ以上に、感覚的に食を楽しんでもらうことを意図しているように思う。

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例えば、甘草とムラサキバミソウのアイスクリームの色はなんと『漆黒』である。アイスクリームにしては珍しいであろう色味が、視覚的な意外性が子供心をくすぐる。このワクワク感が旅の幕開けを促す。

https://res.cloudinary.com/dotcom-prod/images/dpr_2,f_auto,q_auto,w_768/v1/wt-cms-assets/2021/07/hylpa6gprr8bcntmxxhv/echinaceaandlicoriceicecreamfrommonarchairlinesmoodfoodinflightmeal.jpg

また、抹茶とラベンダーのお餅は、お餅という食感にすることで咀嚼を促しストレス緩和効果に繋げている。触覚にも拘っていることが分かる。
さらに、キノコとトマトパウダーをまぶしたナッツバーは味覚を刺激する。気圧の関係で味覚が通常時より塩味・甘みが2〜3割低下する中、人々が唯一地上と同じ味わいで感じ取れるのが“うま味”と言われている。この“うま味”成分を取り入れたナッツバーは食事本来の“美味しさ”を最後にしっかりと感じ取れるようにという意図で取り入れられている。

このように、リラックス機能や抗酸化作用などの機能的情報はあるにはある。しかし、それ以上に珍しい真っ黒なチョコレートによって視覚的にインパクトを与える工夫。餅という食感による触覚への作用。感覚的な面から人々の心を高揚させようという意図が見て取れる。また、食品の持つ効果に応じて提供タイミングを変化させることで、まるでコース料理のような非日常感を得られる工夫を取り入れている。

食品の持つ機能を前面に出す日本の事例と、視覚など感覚的情報を前面に出す海外の事例。両者を比較すると「ムードフード」の捉え方の差が見えてきて興味深い。そして、『機能的情報』の打ち出し方に関しても、日本と海外ではどうやら違いがありそうだ。

『ストレス削減』に焦点を置く日本と『リラックス効果』に焦点を置く海外

GABAチョコレート、Yakult1000のどちらの事例を見ても『ストレス削減』や『ストレス緩和』などマイナスな状態からの改善という「マイナス→ゼロ思考」で食品の持つ機能を説明している。

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次に、ピザハットやモナーク航空など海外の事例を参照してみる。

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『幸せホルモンの分泌』や『世界一幸せになれるピザ』の文言。モナーク航空の機内食の事例は『リラックス効果』に焦点を当てている。楽しい気持ちになれるような「ゼロ→プラス思考」で食品の機能を説明している事が分かる。同じ“食品の機能に関する説明”でも、一方は「ストレス削減」に焦点を当て、一方は「気分の高揚」に焦点を当てている。

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『ムードフード』という共通テーマの中で日本と海外の違いを発見することは実に興味深い。日本の事例、海外の事例、どちらのムードフードの捉え方が正解・不正解という事はない。ただ、同じ機能の説明でもよりプラス思考で説明されるとなんだか勝手に気分も高揚することは確かだ。無意識のうちに心が癒されそうなものである。ピザハットが単に『ブルーマンデー症候群ストレス改善ピザ』と打ち出すよりも、やはり『幸せな気分になれるピザ』と言われた方が心がギュンと鷲掴みにされるのはきっと私だけではないはず。

五感的情報を盛り込み、『気分高揚』や『リラックス効果』などポジティブに食品の機能に焦点を当てる海外の事例。『ムードフード』と呼ぶにとどまらず“mood enhancing”の“気分を高める”という考え方が強いように感じた。食を心から楽しみ、食によって気分を上げて心を癒すという視点。食品を購入する際、ついついカロリーや栄養素、タンパク質含有量など字面から得られる機能的情報に引き寄せられる私にとってはハッとさせられる視点だった。

真の意味でのムードフードとは、より感覚的に『心が癒されている』『気分が落ち着くな』と無意識のうちに感じられる食体験を指すのかもしれない。ついつい食品パッケージの字面から食品の機能を判断し、より効果的・効率的に摂取してしまいがちな私。海外のムードフードの事例を知ることで新たなる食への価値観を知り得た。

皆さんも機能面に囚われすぎず、ココロの温度を上げるムードフードで感覚的に食事を楽しむ体験をしてみてはいかがだろうか?

(参考文献)
ストレス社会の味方「ムードフード」って何?2023年注目の食トレンドを解説!
心ととのうムードフード – リビング京都
商品開発研究所で聞いた「メンタルバランスチョコレートGABA」人気の理由 | 【公式】江崎グリコ(Glico)
(2ページ目)食べて心をととのえる!コンビニやスーパーで手に入るムードフードおすすめ6選
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「新しい家を見つけたんだ」友人たちからそう聞くと、わたしたちが想像するのは、一戸建ての家や、アパートの1室などだ。まさか、海の上に浮かんでいるとは考えない。

近年、ライフスタイルの変化に伴い、住宅は画一化されたものから、個々人の好みに沿ったものに変化しつつある。家のデザインや大きさ、誰と住むか、どれくらいの期間住むのかといったことが話題になる一方で、「陸に住むか、海に住むか」はあまり話題にのぼらない。実をいうと、世界には「海の上に住居を構える」人たちがたくさんいるのだ。

via:https://bluefieldhouseboats.com/

船の上に住むというと、なんだか不便そうな気がするが、実のところそうでもない。むしろ、船上で暮らすことは「持たないこと」につながり、ちょっとしたミニマリスト的な考えに近いと捉えれば、意外と受け入れやすいアイデアだと言える。

パッと見普通の家、だけど浮いてる。ハウスボートの暮らし

シアトルに住まう夫婦のハウスボートを見てみよう。広々としたリビングに、大きなテレビとソファ。とても暮らしやすそうで、言われないと、船の上にある家だとはわからないほどだ。

via:https://www.homes.co.jp/life/cl-column/cm-culture/33547/

気になる揺れや排水はどうなっているのだろう?まず揺れに関しては、嵐が来て初めて感じる程度だという。排水は、トイレこそタンクに溜まるが、シャワーや水道の先は全て湖につながっているため、シャンプーや洗剤はすべて生分解性の環境にやさしいものを使うことが義務付けられているのだそう。

via:https://reviewed.usatoday.com/canada/home-outdoors/features/best-eco-friendly-laundry-detergents-canada

ハウスボートに暮らすには、手持ちの荷物を減らし、排水の都合によっては、洗剤やシャンプーについては環境負荷の低いものを選ぶ必要がある。制約が多いように感じるが、「持たない暮らし」「環境にやさしい暮らし」と捉えなおせば、そこまで縛られている感覚はなさそうだ。

都心の家探しをやめて「倹約目的のボート暮らし」の人も

自らボートハウスに住むと決めた人がいる一方で、他に選択肢がないためボート暮らしをする人もいる。ワンルームの家賃でも月20万円ほどかかるロンドンでは、高すぎる家賃と見つからない空室の結果、横幅が2メートルほどの大きさのナロウボート(narrow boat:狭いボート)に住まう人が出てきている。

via:https://london-mei.com/%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%81%A7%E3%83%8A%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%88%E6%9A%AE%E3%82%89%E3%81%971/

家を空けることの多いカップルがシェアハウス以外で住める場所として、医者の卵、弁護士志望の学生など、お金がなくてもロンドンに住まう方法として、ナロウボートは年々人気になってきている。これまでは「ロンドンに住まうお金がない」と、夢をあきらめたり我慢したりしてきた人々がナロウボートを手に入れることで、ロンドンでチャンスをつかむことができるようになった、ともいえるだろう。

インフラやサービスが整ったクルーズ船に1日5,600円で住まう人たち

ナロウボートやハウスボートは、自分たちで船を掃除したり、メンテナンスしたりと手間がかかることもある。しかし、そのようなリスクのない、インフラやサービスが整ったクルーズ船に住まうという選択肢もあるのだ。

via:https://www.businessinsider.jp/post-254257

シアトルに住んでいたとある夫婦は、自宅を売却し、1日35ポンド日本円にすると5,600円(註:2022年当時のレート)でクルーズ船に住まうほうが経済的だと判断した。実際に、クルーズ船の家具付住居を売り出す企業も出てきており、入居者は「世界中を旅する住居」に住まいながら、船内のシアターや20店のレストラン、プールなどを利用できるのだという。

船の上の暮らしというと、ある程度の不便を乗り越えながら自分たちでやっていく、というイメージがある一方で、クルーズ船での暮らしはそういった手間を省いてくれそうだ。

「暮らすのは陸の上でなくてもいい」船の上に暮らすという選択肢

いざ船の上で暮らすとなれば、楽しいことばかりではないかもしれない。とはいえ、暮らすのは陸の上だけではない、海の上でだって楽しく暮らせる。そんな事例を知ることで、ひとつの「こうあるべき」という境界を無くし、新たなワクワクにつながることもあるだろう。

via:https://www.thenordroom.com/a-cozy-and-stylish-houseboat-in-london/

パノラマビューが楽しめ、プライベートな空間を生み出すハウスボートは、コロナ渦でのレジャーとして、ドイツなどの西欧諸国で人気のレジャーアクティビティになっている。船の上で暮らしてみたい!と感じた方は、レジャーを通して、一度船の上の暮らしを体験してみるといいかもしれない。

参考URL:

LIFE LIST.”水上に浮かぶ住宅「ハウスボート」とは?その魅力と実際の暮らしぶりをご紹介”.

https://www.homes.co.jp/life/cl-column/cm-culture/33547/

lIFE INSIDER.”クルーズ船で暮らす人が急増中…飲食代含めて1日5600円、早期リタイアした夫婦がそれを選んだ理由”.

https://www.businessinsider.jp/post-254257

WWD.”ロンドンの高学歴なミレニアルズが選択する“ハウスボート”生活の実態”.

https://www.wwdjapan.com/articles/712328

パパンめいのロンドンの暮らし方.”ロンドンの生活費がすごく高いので運河暮らしをすることにした話!イギリスでナローボート暮らし。夫と運河で新婚生活 【1】”.

https://london-mei.com/%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%81%A7%E3%83%8A%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%88%E6%9A%AE%E3%82%89%E3%81%971/


YADOKARIメンバーが夜の喫茶店で駄弁っているような、あれやこれやの盗み聞きラジオ「木曜喫茶 〜Discussion like a Radio〜」。第2回は、「「フラットな組織」ってなんだ?」。

「世界を変える、暮らしを創る」ビジョンの下、住まい方だけでなく新たな働き方も探求するYADOKARI。会社の成長に伴い所属するメンバーの人数が増えていった時、どう組織の形は変わっていくのか。変えていきたいのか。YADOKARIメンバーがお菓子をつまみながら、ざっくばらんなラジオのように掘り下げています。

食と、遺伝子と、意思と。

さわだ「りおなは、何か最近楽しいことあった?」

りおな「料理・・!今まで包丁を持つのも危なかったんですけど、仕事の合間に料理するようになって、その時間が楽しみになってきて。自分でもびっくり。」

さわだ「この間今まで作った料理の一覧見せてくれたよね。焼き芋とか目玉焼きもあったけど。笑 どういうところが楽しい?」

りおな「錬金術しているみたいで。元々あったものがギュッてなってボン!みたいな。笑」

きむら「僕も料理好きなんですけど、いかに効率よくやるか。終わった時にいかに洗い物がないか。頭の整理になりますよね。」

さわだ「楽しみポイントは、いくつかあるかもね。冷蔵庫がきれいになったり、工程考えたり。二人とも相手(パートナー)のために、というのはあるんでしょ?相手の反応とか気にする?」

きむら「どちらかというと気にするけど、好き嫌いははっきり言ってほしいですね。言われても怒ったりはしないかな。」

りおな「私が育った実家は円卓でずっとご飯の感想を言いあっていたから、全く感想がない食卓がちょっと寂しいかも。食育って大事だなって思う。雰囲気も含めて。この間、会社のメンバーと一緒に断食をした体験を記事にしてもらったんですけど。その時にライターさんに聞いたのが、食を整えることは「自分の暮らしに主権を取り戻すこと」。自分で選択したもので自分の体を作る、食の民主化と聞いて。いつも食が隣にあるからこそ、その中から自分が食べたいものを「自分で決める」ことって大事だなと思った。」

さわだ「断食している中でも色々と思うことがあった?」

りおな「そうですね。普段どれだけ食にこだわることに労力をかけないでいたけど、食べれないものが多い時むしろすごいストレスだったよねって。」

さわだ「意思を持って選ぶことかもね。食について、「好き嫌い」ってどうなのかな?僕は今子育ての中で、子供の好き嫌いについてちょっと悩んでるんだけど、好きなものだけ食べさせた方がいいのか、嫌いなものも食べさせた方がいいのか。嫌いななものは嫌いなんだという想いを尊重して自己肯定感を高めることが正しいのか、何でも食べられた方が大人になると豊かだよね、健康にもいいよねということを優先した方がいいのか迷ってる。」

きむら「生物的には、人間は本来多様なものから多様な栄養を取るようにできていて、基本何でも食べられたほうがいいはずと思いながらも、うちの奥さんは鹿とかジビエは食べられなくて。どこか鹿やうさぎは「食べ物でない」イメージがあるようで。そういう心象風景と結びついているあたり、面白いなって。生き残るためには何でも口にできた方がいいはずなのにそれを否定して「食べない」って、何かしら自分にとって毒になっているものがあるのかなと。」

さわだ「仲間を食べる、カニバリズムみたい感じなのかな」

きむら「その根底に何があるかは面白いですね。かつては、農耕より狩猟民族の方が食生活は豊かだったみたいで。狩猟だと季節にあったものを食べるのが前提で、肉も野菜も食べて栄養バランスも優れていたけど、農耕民族になると穀物に依存して、栄養素が偏ってくるとか。農耕型は(食べ物を自給できて)種としてはいいはずだし、これだけ栄えてるから成功のはずなんだけど。一方実は何かしら身体にバグが起こっているのかもしれなくて。生き物としての繁栄と個の幸せは、別個なのかなと。」

一同「おお〜深い。笑」

りおな「都会に育って野菜嫌いだったけど、地方に移住して好きになる人もいますよね。やっぱり地方の野菜とか水って味が全然違うなと思うし。いいものが手に入る生活圏にいたいと思う。」

きむら「そう考えると、子供の舌って一番ピュアで遺伝子として食べるべきものが刻まれているはずなのに、それでも食べれない、食べ物ではないと認識されているってことは、加工されていたりして、そのくらいのグレードのものなのかも。」

カビとコミュニティの話

りおな「さわださんは子育ての初めから逗子に住んでいたんですか?」

さわだ「元々東京に10年くらい住んでいて、長女が1歳の頃に逗子に引っ越した。自然も沢山あって街も急かせかしてなくてゆるい感じが好きで、家族で住むのにこれ以上の場所はなかなかないよなーって思ってて。もう彼これ12年くらい住んでるね。僕は兵庫県姫路市出身で実家の裏が海だった関係で、そばに海があるだけで心が落ち着くんだよね。人やコミュニティもめっちゃ良い。」

りおな「みんなで子育てしてる感もあるんですかね。」

さわだ「そうだね。うちは築50年くらいの平屋に住んでいて、その流れで近所に仲良し家族が自然と増えていったという感じで。そこに小さな子供が15人くらいいるんだけど、皆んな勝手に庭に入って来たり、家の中を通り過ぎて行ったりして。笑」

りおな「そういうコミュニティってどう形成されていくんですかね?」

さわだ「起点は(0歳から小学生くらいの)小さな子供だったと思う。そこから親同士が話し始めて。東京から逗子に引っ越してきた人たちって、より伸び伸びと自然の中で子育てしたいという人が多いからマリンスポーツやアクテビティとか共通の趣味で繋がれることも多いかな。」

りおな「行政のサービスでも子育てサークルとかあるけど、そういう風にナチュラルに繋がれるってすごい。」

さわだ「そんな自然なコミュニティをYADOKARIでどうやったら作れるんだろうと考えるんだよね。この前メンバーに「コミュニティって大事なものだけど、さわださんはお金払って入りたいと思います?」って聞かれて。確かにお金払うイメージってあんまりないな、と。近所のコミュニティはメリットとか打算的なものはなく、単純に居心地の良さでそこにいるみたいな。」

きむら「コミュニティは家に紐づいていると思いますか?」

さわだ「そうかもしれない。家の場所や立地も大事だと思うし、気軽さってのも重要かもしれない。自分が思うに、パジャマで行ける距離感であることかな。」

きむら「コミュニティという言葉ができたからこそ、作るものとなってしまったかもしれないですね。

今、カビの話を思い出して。例えば何にもない清潔なところにカビを繁殖させようとするとカビって、人工的に作ろうとすると栄養や湿度(環境)を維持しないといけなくなる。それって行政がお金を投じてコミュニティを維持しようとしているのに似ているなと思って。でも本来カビはカビとして繁殖しやすい環境が本来あるからこそ生きるもので。それが今の話でいう家とか場所とかで、やっぱり空間性ってめちゃくちゃ大切なんだろうなっていうのが、改めて。そう考えると、場所とか空間って大事かもしれない。」

さわだ「今の家のコミュニティを分析してみたいね。どうして自然発生的に広がっていったのか。立ち寄りやすい立地やサイズ感だったとか、平屋であることとか、古い家の気楽さであるとか、奥さんが明るいとか。笑」

りおな「8/8に行う未来サンカク会議は次回、「コミュニティの解剖」をテーマにするのだけど。企業で活躍している若手がそれぞれのコミュニティ持ち寄って要素を解剖してコミュニティとはなんぞや、2050年のコミュニティはどうなるのか考えてみたりバーチャル空間も含め。」

さわだ「コミュニティについて考えるのは、YADOKARIにとっても大切で。タイニーハウスというハードからのアプローチもあるけど、やっぱり幸せの根源は人との繋がりだと思っていて、それをどう熱量を保ったまま広げていけるか。そこが課題ですね。YADOKARIのメンバーがその波紋の中心なんだよなーとは思ってる。」

拡大する組織、自発的な組織

りおな「YADOKARIはコミュニティなんですか?」

さわだ「コミュニティ、とも言えるよね。色々な捉え方があるとは思うけど。YADOKARIは最初ウェブからスタートして、次第に建築やまちづくり、コミュニティの仕事がやってきて。でも自分たちはその辺りの知見に関しては素人だったからFBグループを作って各分野で協力してくれる仲間を募ったんだよね。そのグループは最終的に3000人を超えたけど、正直熱量を意識せずに拡張の方を考え過ぎたのかな。双方向に情報をギブアンドテイクする形ではなくて、一方通行な情報共有グループになってしまった。」

りおな「人数が拡張しすぎると限界があると聞いて。スモールチームの時みんなで作っている状態が一番いいみたい。そう考えると、スモールチームがいっぱいある状態もありなのかも。円が複数あるような。」

ゆき「人数が多くなって、どういう状態に限界を覚えるんだろう?」

りおな「関わり始めた時に、自分という存在意義なのか、自分が何かを持ち寄れている感覚があるか疑問に思いはじめる、と聞いた気がする。」

きむら「人数が多すぎるとだんだんと希釈されて、自分の影響力も希釈された時に、モチベーションが低下していくのかもしれない。発言権も低下して。影響力の範囲みたいなことはあるかもね。」

ゆき「自己肯定感に起因するのかな?人数が多くなっても何かしら自分の存在意義が感じられていればいいのかな。」

きむら「究極はそうなのかも。それが何なのかはわからないけど。ある程度自分が走ったものでみんなが影響されていることが、自己肯定感につながるのかも。」

ゆき「大企業もある意味一つのビジョンのもとに集ったコミュニティで、その中に千人、一万人といて。その中にも同じような帰属意識があるのか、ある程度どこかのラインで諦めているのかとしたら、どうだろう。」

きむら「良くも悪くも、ある数を超えた時、コミュニティの中にコミュニティができてくるんじゃないかな。社内ベンチャーみたいな。ゆるい繋がりで集っている安心感がありながら、その中で自分の影響力を発せられる場所がある。いわゆるパラレルキャリアもそうなのかなと。所属があって安心できる中で、挑戦できる環境。ある種の打算かもしれないけど。それって両立できるよね、というのが一般的な価値観になりつつあるのかなと思う。」

さわだ「社内ベンチャーのようなトップダウン型のコミュニティと、自発的に生まれるコミュニティとの違いって何だろう?」

きむら「そこに所属している個体としての強度があるのかも。一定の自発的に回せる頭の良さというか、クレバーさがある人たちが集まると、自発的にまわるコミュニティになるんだと思うし。それができないからコンダクターがいてデザイン、設計するのかもしれないけど、それって往々にしてうまくいかないじゃないですか。その匙加減でみんな苦しんでいるんじゃないのかなと。

みんながクレバーで自発的に回るのが理想だけど、いつもそういうわけにいかない。自然淘汰と考えると、そう言う段階で人が抜けて、続かなくて滅ぶなら、滅ぶべきコミュニティだったんだと思う。

だけど僕らがもらうお仕事って、それをどう延命させるか、次のステージに持っていくかという違うストレスをかけた上で成長していかなくてはいけないので。だから、難しいなと思う。」

「フラットな組織」を考える上で避けられない問い、「コミュニティとは」。有機的に物ごとを生み出す集合体にもなり、ある時に限界が来て突然滅ぶこともある。
YADOKARIが目指すコミュニティとは?「フラットな組織」はその先にどう形成されていくのか?

後編に続く。

男の子には、カッコいい恐竜や乗り物のおもちゃを。
女の子には、可愛らしいぬいぐるみのおもちゃを…..。

一昔前まではこのように、子どもの性別によっておもちゃが決められてしまう風潮があった。しかし最近では、性別に関係なくどんな子どもも遊べる “ジェンダーニュートラルなおもちゃ”の開発が進んでいる。

2023年8月に公開されるバービー人形をテーマにした映画、『Barbie』が話題を呼んでいるが、そんなバービー人形もジェンダーニュートラルになるべく、近年大きな変化を遂げているおもちゃブランドの一つだ。

ジェンダー平等に向けた動きやLGBTIQの社会的認知度向上が進む今、改めてジェンダーニュートラルなおもちゃと子育てのあり方について考えていこう。

「ジェンダーニュートラルなおもちゃ」の持つ意味合い

@via:unsplash

社会学的には、いわゆる「女の子らしさ・男の子らしさ」は、幼い頃から刷り込まれていくものだと言われている。子どもが触れる機会の多い “おもちゃ”も、そんな刷り込みを植え付ける大きな要因の一つ。

例えば、女の子向けのおままごとのおもちゃは「女性が家事/ケア労働をするもの」という性別役割を再生産しているとも言える。

また、LEGOのような組み立ておもちゃは男の子向けのイメージが強く、それによって女の子の空間認識能力が伸びる機会が奪われてしまっているのではないかとの指摘もあるのだ。

性別に関係なく遊べる “ジェンダーニュートラルなおもちゃ”は、子育てにおいて大きな可能性を秘めている。

男女の役割分担にとらわれず、子どもたちが自由に協力し合うことができる環境を作ることができるのに加え、LGBTIQの子どもたちがより自分らしさを表現することも可能になるだろう。

アメリカの大手小売業者であるTargetは、2015年に男の子用・女の子用と分けた売り場を廃止。

日本でも2021年に、業界団体が主催する「日本おもちゃ大賞」での「ボーイズ・トイ部門/ガールズ・トイ部門」の区分を廃止するなど、性別を問わないおもちゃの実現に向けた動きが進んでいるのだ。

ジェンダーニュートラルなおもちゃの実現に向けて

“Free Of Labels”を打ち出す、新しいバービー人形

@via:https://corporate.mattel.com/

1959年の発売以来、世界各国で人気を博してきたバービー人形。そんなバービーシリーズの生みの親・Mattel社も、ジェンダー規範に沿った子育てを脱しようと、積極的に動きを進めている。

着せ替えおもちゃとして長年人気が高い一方、近年では「過度に細身の体型を肯定することで、若い女性に悪影響を与えている」と、批判の声が挙げられてきた。

そんな中、Mattel社は2019年に新しい人形シリーズ“Free Of Labels(=ラベルのない)”を発表。人形のボディには、男性や女性といった区別はなく、髪型や服装などの外見を自由自在にカスタマイズできる。

またMattel社は、宇宙飛行士やエンジニアなど女性の職業選択に入りづらい職業をモチーフにしたバービー人形も発売し、ブランドビジョンである「You Can Be Anything=“何にだってなれる”」のメッセージを届けている。

“ジェンダーインクルーシブ”をモットーにするLEGO

@via:https://www.lego.com/ja-jp/

デンマークに本社を置くおもちゃメーカー・LEGOは、2021年10月の国際ガールズ・デーに際し、おもちゃを選ぶ時の性差について調査を実施。

その結果、71%の男の子が、女の子向けのおもちゃを使うことでいじめられるのではないかと不安を抱いていることがわかった。親世代においても、その不安は顕著に現れている。

調査を受け、LEGOは「女の子向け・男の子向け」といった性別を規定する商品への表記を撤廃。元々、男の子が遊ぶイメージが強かったLEGOだが、女の子も遊びやすくなるよう「Ready fot Girls」のキャンペーンを実施している。

LEGOグループは性別を理由に誰かを排除しない、 “ジェンダーインクルーシブ”の考えをもとに商品開発を行っており、「子どもたちが何の制約も受けずに創造性を発揮できる社会の実現に尽力する」としている。

男の子もお世話ごっこができる、赤ちゃん人形「あおくん」

via:@https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000045551.html

ジェンダーニュートラルなおもちゃを開発する動きは海外のみならず、すでに日本でも進んでいる。

お世話ごっこが楽しめる「メルちゃんシリーズ」を発売しているパイロットコーポレーションは、2016年にシリーズで初めてとなる、男の子の赤ちゃん人形「あおくん」を発売。

パッケージを水色にするなど工夫をした結果、購入する男の子の割合が、2%から15%まで増加したと言う。

これからの子育てを考える

おもちゃ

@via:https://unsplash.com/ja

子どもの健やかな成長を育むことのできるおもちゃ。

今まで無意識に「男の子向け・女の子向け」と、子どもの性別に合わせておもちゃを選んできた親も多いのではないだろうか。

しかしこの機会に、そんな先入観を見直すことはきっと意義があるはずだ。なぜなら子どもだけでなく、親にとっても新しい視点が得られる可能性があるからだ。

子どもにおもちゃを買ってあげる時は、まずは本人の好奇心のままに、欲しいおもちゃを聞いてみよう。そして「本人がなぜそのおもちゃを欲しいと思ったのか、なぜワクワクしたか」など、そのおもちゃが気になった理由や気持ちを聞いてみよう。

それによって「この子はこんなことに興味関心があるのか」「それなら、もっとこんな挑戦もさせてあげたい!」と、今まで似なかった気づきやアクションに繋がるかもしれない。

ジェンダーによる先入観を捨てることで、親の立場としても、より自由で可能性に溢れた子育てができるようになるはず。こんなワクワクする子育てを、ジェンダーニュートラルなおもちゃから始めてみてほしい。

満天の星空の下で眠ったり、朝の目覚めと共に、広い海の目の前で大切な人とコーヒーを飲んだり。
「場所」、「時間」、「お金」にとらわれない自由な暮らしを実現する手段の1つ、「バンライフ」。

車に住むという「可動性」を備えたその住まいの在り方は、好きなときに好きな場所で生活が出来るという自由さだけではなく、家賃や固定資産税などの当たり前のように住まいに発生しているお金からも人々を解放する点で魅力的なものだ。
しかしその一方で電気・ガス・水道などのインフラ設備が弱いという課題もあり、必ずしもどこでも好きな場所で寝泊りが出来るというわけではない。

そんな中、注目が集まるのが「オフグリッド」なバンライフ。
ソーラーパネルや、バイオトイレなどの、従来のインフラに頼ることなく自然の力だけで生活をすることのできる仕組みがあれば、たとえ山奥の電気がないところでも、無人島であったとしても生活が出来る。電気・ガス・水道、そのすべてから解放することは出来なくても、少しずつ、もしくは何か1つでも解放することが出来れば、あなたのバンライフは、他に類を見ないあなたらしいものになるだろう。

今回はそんなオフグリッドな暮らしを実現するためのツールの1つ、ソーラーパネルに着目する。これからのバンライフに最適な新しいソーラーパネル、「ウォーカブルソーラーパネル」の数々を見ていこう。

上で踊っても壊れない?ウォーカブルソーラーパネルとは?

ウォーカブルソーラーパネルとは、その名の通り、パネルを痛めることなくその上を歩くことの出来るソーラーパネルのことだ。キャンピングカー用のソーラーパネルといえば、硬質パネルを使用したものが主流で、耐久性への懸念を理由に、パネルを歩くことは出来なかった。しかし頑丈で効果的な半硬質パネルが開発された昨今、パネルの上に乗るだけではなく歩くことまで出来るようになったのだ。
このようなソーラーパネルを屋根に設置すれば、屋根の上の換気扇の調整や、収納ボックスへのアクセスなどが容易に出来るようになる。また、パネルを設置することによって出来なくなってしまいがちなバンライフの醍醐味、屋根の上に上って星空を眺める時間を失わずにいられるのだ。

ウォーカブルソーラーパネルの事例をご紹介

現在、利用されているすぐれたウォーカブルパネルの数々を見ていこう。

パネルの上でダンスも出来る?高剛性パネル

このキャンピングカーに設置されたパネルは、アメリカ、ミシガン州に本社を置き、ヨット用のソーラーシステムの開発で一躍有名となったCustom Marine Productによるウォーカブルパネルだ。
「ソーラーパネルの上で歩くことはもちろん、踊ることだって出来ることを伝えたい」という想いのもと開発されたこのパネルは、大人が上に乗って踊ることが出来るほどの耐久性があるという。サイズやも豊富に展開されており、消費電力量は多いもので330W。冷蔵庫やホットカーペットが使用できるほどだ。
その実用性から、ソーラーパネルを設置した歩けるデッキを求める多くのバンライファ―たちの間で人気を博している。

家族全員でも問題ナシ?驚きの耐荷重パネル

続いて紹介するのは、Tiny Watts社によるウォーカブルソーラーパネル。
このパネルの最大の強みは最大500ポンド(約230kg)の耐荷重を備えているということだ。写真のようにパネルの上に大人2名でつくろいだとしてもまったく問題がない。体格にはよるものの、夫婦と小さな子供2人など家族全員で屋根に上り、星を眺めるなんてことも出来てしまうのだろう。
さらに、最大消費電力量は最初に紹介したCustom Marine Product社のパネルを上回る500Wであることもこのパネルの強みだ。

お財布に優しい4万円ほどで購入できるウォーカブルソーラーパネル

ウォーカブルソーラーパネルなんて、簡単に買える値段ではないのでは?そう思う人も多いだろう。
しかし、4万円ほどで購入出来るものも豊富にそろっている。
こちらはRUGGED Products社によるウォーカブルソーラーパネル。
厚さは約3㎜で、通常のパネルよりも薄く軽いため、たくさんの荷物を積んで走るバンライファーにとってはありがたい。そして最大20年間使用することが出来るという。上に乗って踊れるほどの強さはないが、靴を履かずに歩くことは出来るほどの耐久性を兼ね備えたウォーカブルパネルだ。
消費電力は98W、スマートフォンやノートパソコンの充電が可能なほどだ。

電気・ガス・水道、そのすべてをグリッドから解放することが出来なくても、少しずつ、もしくは何か1つでも解放することが出来れば、あなたのバンライフはより一層あなたらしい暮らしをする手段になるだろう。
そんな想いで今回は、オフグリッドなバンライフを目指す方々にとっての第一歩となる「ウォーカブルソーラーパネル」を紹介した。
 
パネルの上で踊ってもびくともしないもの、パネルを付けた屋根の上に家族全員で上っても壊れることのない耐久性を兼ね備えたもの、手ごろな価格で購入出来るソーラーパネルなど、これまでのソーラーパネルの常識を覆すパネルばかりだ。

日中は電気を生み出し、時にダンスを踊る舞台になる。そして夜になると綺麗な星空を楽しむには最高の場所として日々の生活に彩りを与えてくれる。そんなルーフを持ったバンと共にある暮らし。
これは「バンライフ×ウォーカブルソーラーパネル」だからこそ実現出来る、オフグリッドな暮らしに向けた新しい住まいの在り方なのではないだろうか。

〈参考サイト〉
Walkable Solar Panels: Our Top Picks for an Off-Grid Van Life

一人暮らしにはメリットが多くあるが、課題もある。なかでも難しいのが家賃と孤独との向き合い方だ。

家賃に関しては、都内在住の方は特に「高い」と感じているかもしれない。23区内でもっとも高いのは港区の23.4万円、最安の足立区でも10.1万円ほどになる(2023年大和リビング調べ)。大卒の平均給与が23万円代であることを考えれば、給料の半分は家賃に飛んでしまうかもしれないのだ。

では、安くて手ごろなアパートを見つけ、十分な給与や年金をもらっていれば一人暮らしは快適だろうか?快適だと答える人もいれば、孤独に悩む人もいるだろう。一人暮らしをしていると、家に誰かがいる安心感や喜びを分かち合う機会が恋しくなることもある。

一人暮らしするなら、ある程度の出費と孤独には耐えるべき、なぜならどうしようもないから!と考えがちだが、実は家賃と孤独を一度に解決する夢の暮らし方が出てきている。それが、シニアと若者をつなぐシェアハウスだ。

シニアの孤独を学生で、学生の家賃をシニアの空き部屋で解決

60代といえば、子どもたちが家から巣立ち、家庭を持ちはじめるころ。同居していた親は逝去し、パートナーまたは1人で暮らし始める人が多い世代だ。かつて子どもたちや親たちと同居していた家の部屋が余りはじめ、掃除や管理のわずらわしさからアパートやグループホームに移る人もいる。

対して、10代から20代の学生は、都心の学校で学びを深めたいものの、都心の高すぎる家賃を払えず物件探しに苦しんでいる。学校まで数時間かかる下宿しか選べなかったり、家賃を払えず上京事態をあきらめることもあるだろう。

そこで、シニアの空き部屋と若者たちの家賃事情を組み合わせて、一緒に住みませんか?という新たな試みが生まれた。

例えば、アメリカのボストンに住まうある60代女性は、空いた部屋を月700ドル(日本円で約100,338円)で25歳の女子大学生に貸し出している。2023年時点のボストンのワンルーム価格が月2,300ドル(日本円で約329,682円)ということを考えれば、いかに安いかが分かるだろう。

via:https://www.washingtonpost.com/lifestyle/2022/07/15/multigenerational-housing-roommates-nesterly-senior/

同居の条件は、たまの買い出しとガーデニングを手伝ってもらうこと。一人暮らしだった60代女性は同居する若者から刺激をもらい、毎日が楽しいという。対して同居する若者も、60代女性を「本当の家族のよう」と述べ、かれこれ3年間同居しているのだという。

日本でも進んでいる「シニア×若者」のマッチング

シニア×若者のマッチングは、アメリカだけの話ではない。実は日本でもいくつか取り組みがおこなわれている。有名なのが、京都市内の銭湯に家賃・光熱費無料で住まいながら、番頭や風呂掃除をうけおう街銭湯の取り組みだ。

仕組みはシンプルで、銭湯は学生に空いている部屋を無料で提供し、学生は家賃を払わない代わりに風呂の掃除当番を受け持つ。毎日おこなうのではなく、住み込みしている学生数人でシフトを組み、週に2日ほど深夜帯の掃除を担当するのだという。

via:https://mainichi.jp/articles/20210622/dde/018/070/011000c

銭湯側の「深夜帯の風呂掃除のバイトを確保するのが難しい」という課題と、学生の「家賃の高い京都に住まうお金がない」という課題を掛け合わせて解決している。この取り組みは、銭湯が創業した20年前からおこなわれているというのだから驚きだ。

近年の物価高騰や後継者不足により、銭湯は姿を消しつつある。そんな日本文化としての先頭を守るという意味合いでも、シニア×若者のマッチングが役立っているといえそうだ。

京都に限らず、1サービスとしてシニアと若者をマッチングさせる全国サービスを展開する日本企業もある。高齢化が進む日本において、シニアの認知症予防や若者の固定費対策として、これ以上ない解決策ともいえそうだ。

住まいの悩みを掛け合わせて最高の解決策を生み出そう

一人暮らしのシニアはグループホームに入ればいいし、一人暮らしが難しい学生は奨学金を借りればいい…ひとつの問題だけにフォーカスすると、それ単体を無理やり解決するような考えしか出てこないことがある。

家が余ったシニアと、家を探す若者。それぞれの課題を組み合わせて考えたとき、問題解決以上の解決策を生み出せることがある。「一人暮らしはこんなもの」と決めつけず、柔軟な考えで住まいの問題に取り組んでいくことが大切だ。

参考サイト:
The Washington Post.”One roommate is 85, the other is 27. Such arrangements are growing”.
https://www.washingtonpost.com/lifestyle/2022/07/15/multigenerational-housing-roommates-nesterly-senior/

Your Stay.
http://your-stay.com/

D-room.”東京都の家賃相場”.
https://www.daiwaliving.co.jp/chintai/tokyo/souba/2/

エイブル.”ボストンの家賃相場について”.
https://able-nw.com/boston/guide/rent/

毎日新聞.”なにコレ!? 京都の銭湯、学生と共存 風呂掃除担当、家賃・光熱費は無料”.
https://mainichi.jp/articles/20210622/dde/018/070/011000c

家とは、箱か。否か。

マグニチュード6以上の地震が、全世界の20%も発生する日本。
さらに密集する木造建築は火災も起こりやすく、海や山に囲まれている場所では津波や土砂崩れももちろん起こるこの国では、家というものはいつか壊れるものとう印象が強い。

一軒家に関しては、新築が最も高く売り買いされ、中古の値段はかなり下がってしまう。どこかで、家は消費物としてのイメージを自然に持っている人も多いはずだ。適齢期になったら、買う。大学に通うために、借りる。その居住区で生きるための箱。

photo by Misa Sugiyama

日本に対し、欧州は古いまま残っている街並みに価値があるとされ、街の景観に対する意識が高い。
とくにフランス・パリにフォーカスすると、街を眺めることができるテラス・バルコニー付きの不動産がなんと全体の21%に及ぶ。これは、自分の買う家が街並みをつくるという意識が、街を眺めることができるテラスやバルコニーを生活の中で重要視するということに表れているように感じられる。
その窓辺で、朝食を食べたり本を読んだり、ワインを乾杯する。そんな暮らしの楽しみの一部には、街並みを眺められることも要素のひとつなのだろう。

photo by Misa Sugiyama

パリという街ができるまで

17世紀以前、パリでは現在と違ってほとんどの住宅が木造だった。
しかし、ロンドンの大火事などの影響で、「密集した都市部では木造建築が大火の原因になる」とされ、街路沿いの木造建築が禁止に。そのため、建物構造が木造から石造りやレンガ造りへと転換していき、現在のような石造りのアパルトマン(マンション)が街を占めるようになった。

photo by Misa Sugiyama

さらに、街の景観を維持する目的で道路幅に応じて建物に高さ制限が設けられ、屋根の傾斜や外観の規制も定められた。これにより、街の建物の高さが統一され、均整のとれた街並みが作られるようになったそう。
アパルトマンの階数は屋根裏を入れて7階建てが一番多く、ベランダは3階と5階のみに設置するという細かい規制も。美しく、今でも多くの観光客が訪れる街並みには、厳格なルールが定められている。

photo by Misa Sugiyama

パリをはじめ、そういった美しい街並みの中の不動産は、築50年、100年といった物件も売買されるなど、価値が認められている。
これらのアパートを購入し、DIYをしたり、ペンキで壁を塗り替えたり、と自分だけの家に変えていくのは、よくあること。

不動産だけでなくインテリアも同じで、イタリアやオランダ、フランスはアンティークの家具は高値で取引される。長年愛されてきたものというものは、その国の文化を残すことにもつながるのだろう。

photo by Misa Sugiyama

私たちの選ぶものが街をつくる

消費する対象としてではなく、日本の街並みを、自分が作るのだという愛着を持って暮らしていくこと。
これは、私たち日本人が取り入れるべき新しい形なのではないかと思う。

新型コロナウイルスの流行により、リモートワークは珍しい働き方ではなくなった。フルリモートで仕事をしている人も増えた今は、暮らしに関する意識が変わっていくチャンスなのかもしれない。
新しいものを安く買う。安ければ安いほどいいという消費活動ではなく、私たちや、私たちの子どもたちが生きる未来に、どういったモノを残していくのか。

それは、「どんなインテリアを使っていくか」なのかもしれない。木材よりも成長スピードが速く、エシカルな素材として注目されている竹や、何度も使えば使うほど味を増していく麻など、暮らしの道具の素材選びも、選択肢が広がる。
それは、「どんな家に暮らすのか」なのかもしれない。経済活動は数値化され、選ばれる確率の高いものが新しく作られる傾向がある。自分が選んだものは、そのまま時代を作っていく。

photo by Misa Sugiyama

街を、作っているのだ。誰もが。
私たちが暮らし、未来に残す街を作っているのだとしたら、どんなものに価値を感じ、どんなものを選んでいくのか。

パリでは、朝一番に窓を開け、街並みを眺め、つい笑顔になれるバルコニーというものが、過去の人々が選んできたものを見せてくれているのだろう。

 

参照元

https://wealth-park.com/ja/wealthpark-blog/20200604_parisian-real-estates/https://www.parisperfect.com/blog/2021/06/paris-balconies/https://www.jice.or.jp/knowledge/japan/commentary12https://laferme-online.com/2020/10/03/france-lifestyle/https://allabout.co.jp/gm/gc/29018/

人生で初めてモッツァレラチーズを食べた時。
人生で初めて海ぶどうを食べた時。
人生で初めてポン・デ・リングを食べた時。

“これを表す日本語を私はまだ習得できていない…”

となぜか味や食感への感動、そして衝撃を上回るスピードで自分の語彙力のなさを悔やんだものである。静かに味わってひと時を楽しめ、と言いたくなるものだが言葉で言い表したくなる性分がこれを邪魔した。兎にも角にも、今まで出会っていなかった食材を初めて口にする時のあの高揚感と想像以上の美味しさだった時の感動は記憶に残るものである。そう考えると、赤ん坊からすれば毎日が衝撃の連続なのかもしれない。

今回は「野草」の食材としての可能性がテーマだ。今回の執筆を以て、初めて野草ディナーを味わった私。おそらく読者の方々も野草を食卓に取り入れた経験のある人はなかなか少ないだろう。どうか、赤ん坊になった気分で新たな食材との出会いを楽しんでみてほしい。

そもそも野草とは?雑草との違いを考える。

「野草」と言えど、一体どの草が野草でどの草がそうでないのか。混在するであろう「雑草」との違いから、「野草」の定義を考える。

参考元:https://chigai-allguide.com/cw0186/#:~:text=%E9%9B%91%E8%8D%89%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E8%BE%B2%E8%80%95%E5%9C%B0,%E5%8C%BA%E5%88%A5%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%82を基に作成

雑草と野草を区別するにあたって着目すべき点として、発生場所における「人による管理の有無」がある。雑草は、庭などの「人の管理がある土地」において食用や観賞用など栽培以外の目的で発生している植物を指す。一方、野草はその他の「人が管理していない土地」において発生する植物を指す。このように両者の違いは発生場所における管理の有無であり、植物の種類によらない。つまり、下記の図のように同じ「タンポポ」であっても自宅の庭で発生したタンポポと土手で発生したタンポポは前者が「雑草」、後者が「野草」と定義される。

ライター作成

つまり、野草は植物の種類を問わず「人が管理していない土地に発生する」植物である。
しかし、同じ発生場所であっても人によってその植物に対する対処が異なる場合が存在する。例えば、自宅の庭で発生したタンポポを「邪魔だから引き抜こう」と考える住民もいれば「可愛いし、そのままにしておこう」と考える住民もいるだろう。

ライター作成

そう。管理の有無に加えて、もう1つ野草を定義する上でポイントとなるのが「駆除の対象となるか否か」である。これは個人の捉え方の違いと言えばそれまでだが、仮に人の管理のない土手で発生した植物。一般的には「野草」となるが、「他の植物や人間に有害」と判断された場合は「雑草」となる。草からしたら、一気に地獄に突き落とされた気分だろう。とはいえ、「駆除の対象か否か」は野草や雑草に対する知見の度合いによることが多い。野草研究者のように豊富な知識を持っている方からすれば雑草である草を知識のなさゆえに野草と判断する恐れもある。そのため、厳密にいえば「捉え方次第」な区切りではあるが、大まかにはこの2点で定義する。

参考元:https://chigai-allguide.com/cw0186/#:~:text=%E9%9B%91%E8%8D%89%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E8%BE%B2%E8%80%95%E5%9C%B0,%E5%8C%BA%E5%88%A5%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%82を基に作成

野草は「人の管理がない土地」で発生し、「駆除対象でない」と判断された植物である。

お金と時間をかけずに獲得できる食材は存在するのか、という疑問を抱いた。

今回、野草に着目したのはふと感じた疑問がきっかけである。普段、私達は食材を入手する際、当たり前だがそれが食べられると知った上で入手するトマトをスーパーで購入する時、家庭菜園で育てる時、「これは果たして食材になり得るだろうか」と考えてから購入する(あるいはしない)ことはなかなかないだろう。
そしてそんな食材として入手する過程で“お金”もしくは“時間”の消費は必要不可欠という観念を抱いていた。スーパーで食材を購入するにはお金が必要だし、家庭菜園で育てるにしろ時間とお金がかかる。

ライター作成

しかし、だ。まだ自分が食材と認識していないだけで食材となり得るものはおそらく沢山存在する。もしかすると食材と知っているモノを遥かに上回る量で存在しているのかもしれない。一体どのくらいあるのだろう。

ライター作成

そしてそんな未知数の、未だ出会えていない食材の中でお金や時間以外の手段を以て獲得できるものは果たして存在するのだろうか。

ライター作成

そんな疑問が、今回の野草GOならぬ野草を求めて三千里の旅へと誘われる発端となったのであった。

羞恥心を捨て、「食材となる野草」を探しに向かってみた。

野草と巡り合える場所は大きく3つに分類される。

ライター作成

林や森などの山間部、生活圏内ともほど近い道端や空地などの中腹地。そして用水路や川のほとりなどの水辺の3カ所である。私は新たなる食材との出会いの場として「水辺」を選択した。特段、大きな理由があるわけではないが、自宅周辺を流れる多摩川の近くに「新・食材候補」の可能性を感じたためだ。

今回、私に「食材となり得る草か否か」の助言をしてくれた存在を紹介する。植物判定アプリ「Picture This」と書籍「野草と暮らす365日」である。ものの数十秒で、植物の種類を判定し、名前や詳細を教えてくれるアプリに、季節ごとの野草とその調理法について示した書籍。この2つを使いこなせば怖いものはナシである。こうして、最強の相棒である書籍と携帯電話を手になんとも現代的な新・食材候補を探す旅に出掛けたのであった。

今回は、巡り合えた野草の中でも特に見分けがつきやすく、手軽に食材として生活に取り入れられそうなものを紹介する。私自身が見つけやすさを重視しないとまだまだ間違えそうな野草新参者であることもそうだが、仮にも読者の方々が安心して野草を暮らしに取り入れられるようにしたい。

巡り合えた「新・食材野草候補①」:ツユクサ

昼前の多摩川の河川敷。ゴミ拾いをして回る野球少年達の邪魔にならぬよう必死に野草を探し始めた私。まず目に飛びこんできたのは小さな青色の花が特徴の「ツユクサ」である。

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ツユクサは朝に咲き、昼過ぎには萎んでしまう。この特徴が朝露を連想させることから名付けられたそう。一年草ではあるが夏は新芽が柔らかくクセの少ない食材として暮らしに取り入れやすい。

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茹でると、色鮮やかな緑色になる他食感も柔らかく非常に食べやすい。調味料とも味が馴染みやすいのも嬉しい点である。今回私は、シンプルに胡麻和えにしていただいた。

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柔らかくシャキシャキした食感が、クセのない春菊を思わせた。この他にも、白和えや卵スープなど様々な料理に取り入れられそうな野草である。ちなみに「野草と暮らす365日」ではツユクサのシャーベットが紹介されている。夏場のお楽しみに最適なデザートに違いないと読みながら、次回試したい調理方法に胸が躍る。

巡り合えた「新・食材野草候補①」:ムラサキツメクサ

ツユクサをそそくさと持参したビニール袋に詰め、次に私が見つけたのは「ムラサキツメクサ」である。淡い紫色が可愛らしい花を持つムラサキツメクサは別名「アカツメクサ」とも言われる。

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幼い頃、友人と草むらでシロツメクサの花冠を作って遊んでいたことを思い出す。

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西洋ではハーブティーなどに活用され、女性の美容と健康に効果的であるとして広く食材として取り入れられていたそう。可愛らしい花を今回はガッツリと食材として取り入れるよりは、アクセントとして加えてみた。

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きゅうりとわかめの酢の物という“美味しいのに見た目の色味が地味すぎる料理”に加えることで気分も晴れてくる。

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また、同じ植物についていたと思えない程に様々な形の葉がついているムラサキツメクサ。少々、アクが強いのでアク抜きをして湯がいたらクッキーのアクセントにしてみた。アクセントのある見た目に女子力も上がったような錯覚に陥る。魔性の野草だ。

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手軽にこんなに可愛らしい一皿のアクセントになるのであるから、恐るべし野草である。

野草探しの旅に出て。

スーパーへ行くと“お金”がかかり、家庭菜園をするには“時間(というより歳月)”がかかる。自分の知っている範囲での「食材」を手に入れるためにはそれが当たり前だと思い込んでいた。しかし、「食材になり得るもの」に対する知識が広がることでお金や手間をかけずに手に入れることが出来る食材が増えることに気付かされた。今まで気に留めていなかった存在に急に焦点が当たり、食に対する選択肢がグンと広がったように感じた。開始20分間のみの羞恥心と引き換えに、新たなる食への知見とお金のかからない食材が手に入るならもっと食べられる野草について知りたい。そう思わせてくれる朝から河川敷で格闘した私の、夜の振り返りである。

(参考文献)
山下智道『野草と暮らす365日』山と渓谷社
「雑草」と「野草」の違いとは – 違いがわかる事典
野草はどこで採れる?身近にある野草採取場所を紹介
食べられる野草 | 日吉津村 ひとのえがおづくりができる村

 

今回は、横浜市弘明寺で小商暮らしをしながら夫婦で設計デザインに取り組む、神永侑子さんを訪ねました。

他者との繋がりの中で感じた好奇心

――現在の暮らしについて、軸になっているものがあれば教えてください。

侑子:いくつか軸はあるのですが、月1回から場所を借りて誰でも出店ができるシェア店舗「アキナイガーデン」を構えて商い暮らしをスタートさせたことは今の暮らしの中で大切な部分になっています。

――シェア店舗を運営しながら同じビルの3階でご自身も住んでいらっしゃるというなかなか珍しい暮らしの形だと思うのですが、そこに至るまでにどのような経緯や原体験があったのでしょうか?

侑子:元々シェアハウスに住んでいた時期があり、その体験は人生の中で大きなターニングポイントになっています。

例えばワイン好きな人が住んでいたことで、今まで全然知らなかったワインを自分も好きになるみたいに、趣味や興味の共有ができたり、そこに小さな社会性が存在するのがとても面白く感じていました。

――そもそもシェアハウスに住もうと思ったきっかけはどのようなものだったのですか?

侑子:シェアハウスにはポジティブな気持ちで入りました。元々一人で家にいるのが苦手なタイプで、すぐ不安になります。(笑) 誰とも接点を持たない状況が続くと、社会の中で自分の役割が分からなくなる気がしていて。
わたし自身が、代わりのきかない個性である「わたし」であれるのは、人や社会との関係性があるからこそだと思っています。

――誰かと住むこと自体ストレスもなく、居心地としてもコミュニケーションがあることで、不安な要素があまり引き付けられないようになっていたのですね。

侑子:そうですね。家でもシェアハウスでもそうですが、一人でいても誰かの存在感があることで孤独を感じなくて、それが私にとっては安心感になっていました。

街での出会いを循環させるための店舗付き住宅

夫婦で運営するシェア小商スペース「アキナイガーデン」

侑子:商い暮らしを始めようと決めたときも、自分の生活を住居で完結させるのではなく、他者との暮らしの中で起こる偶然性や刺激を取り込んで共有することで、小さい経済を含めた循環的なつながりが生まれたら面白いなと思ったのが最初のきっかけです。

梅ちゃん(ご主人)と二人暮らしを始めるときも「ちょっと変わった暮らしをやってみたいね」とは話していました。そんな中、商い暮らし不動産という店舗付き住居の物件だけを扱っている不動産サイトを知り、興味を持ったのがきかっけで本格的に調べ始めました。

旦那さまの「梅ちゃん」

――この場所はすぐに見つかったのですか?

侑子:当初は、いわゆる”住み開き”に近い感覚で、自分の家をちょっと開くぐらいの計画をしていたのですが、店舗を借りようと思うと初期費用が高かったり、見つけた!と思った物件がスケルトンで改修費が高すぎて、迷っているうちに違う事業者に借りられてしまったりと、実現までには2年ほどかかりました。

周りにも商い暮らしがしたいと公言していた中、前職(設計事務所)同僚で、現在も同じマンションに住んでいる塩脇くんがビルのオーナーの不動産会社と繋いでくれたことが、アキナイガーデンがこの場所に誕生するきっかけになりました。

――実際に始めてみて感じたことなどはありますか?

侑子:小商いは、例えば”建築家”という肩書きに関係なく、趣味や興味をきっかけにコミュニケーションが発生します。面白いのは、大人になってから仕事仲間以外に新しい友人が増えてなかったのですが、商い暮らしを始めてから圧倒的に出会いやつながりが増えたことです。例えば居酒屋のカウンター席に座って隣の人と楽しく話していたら、実はどこかの社長さんだった!みたいな出会いって、プライベート側から始まる、フラットで居心地の良いつながりだなと思います。アキナイガーデンはそんな機会に出会える場所かもしれません。
プライベートから互いを知り、仕事で協働することができたら、”はじめまして”からスタートする仕事と比較して、風通しの良い状態でクリエイティビティを発揮できそうですよね。

リラックスして冗談を言い合える人が身近に多くいるというのは、とても豊かで、以前より自分の性格も明るくなった気がします。(笑)

独りで完結するのではなく、誰かと物事を共有して生きることを選択してる訳ですが、後者において、一人ひとりの暮らしがどうやって重なり合い、循環型の関係性がつくられていくのかは、最近の自分の興味であり、シェアハウスで経た経験に近いものがあるのかなと思っています。

オープンにみんなが集まれる環境をつくりたい

――アキナイガーデンの場所の使い方もすごく素敵だなと思っているのですが、元々このような使い方を考えていたのですか?

侑子:そうですね。前段としてはいろんな人に自分の興味や趣味を共有できる場所を持ってもらいたかったのですが、棚貸しだと物がそこに置いてあるだけで、人と人のコミュニケーションはなかなか偶発的に起きにくいだろうなと思い、場所貸しで店舗に立ってもらう形になりました。

――2022年の夏に出産を経て、侑子さんの中でこれからの暮らしの開き方やライフスタイルは変わっていきそうですか?

侑子:この前子育て支援拠点に初めて行ったのですが、月齢の近い子どもとママがたくさんいて、今まで知らなかったコミュニティの世界がそこにありました。

一方で、子どもたちが自由に遊んでいる環境が、その場所に関しては外からどこにも見えない状態になっていることに違和感を覚えて、子どもに限らず、子どもはいないけど子育てに興味がある大人たちも、みんなが集まって暮らしの知恵を共有できるような、開かれた環境を作ってみたい気持ちが生まれました。

――子育て支援拠点で出会ったお母さんの中から侑子さんのこれから作るアキナイガーデンに出店する人が出てきたりするかもしれないですね。

侑子:商い暮らしもそうですが、私の活動の根底にあるのは、自分が楽しいと思えることを身の回りで共有して、関わり丸ごと豊かにしよう、ということです。
子育てが始まり、関わる人も変わるので、いわゆる“ママ友”がアキナイガーデンに出店してくれて、子育て以上の関係になれるとしたら、とても楽しみです。

私は建築の設計を主な仕事にしていますが、建築家だからこうあるべきだ、という考えはあまりなくて、自分の中にある建築というスキルももちろん生かして使いたいし、暮らしも開いてみたいし、社会を通して日常で生まれた好奇心や違和感は、できる限り何らかの形や行動にして実践していきたいなと思っています。

肩書きはいらない。個人で存在できる社会へ

――働き方や働くことへの思いがあれば教えてください。

侑子:当たり前ではありますが、組織でできることと個人でできることは良い意味で違っています。自分の思いをダイレクトに表現しやすいのはやはり個人単位の活動ですし、都市やエリアを動かすことに関わるような規模の大きさには、組織やチームで複数人で取り組み、異なる価値観が同居することで社会性を帯びるのではないかと。

働く時間は、生きる時間の大部分を占めますよね。例えばその時間を組織や会社に100%充てるとした場合、自分がやりたいことや思いが体現しきれず、「ほんとにこれで良いのか?」という疑問を持った経験があります。
そんな時、アキナイガーデンという個人で活動できる時間を持ち始めると、個人の意味や組織の意味も客観的に理解できるようになり、心のバランスも取りやすくなりました。

何かに属していると肩書きで見られることはもちろんあると思うのですが、それを取り払った個人の「わたし」として存在できていて、創造する価値を発揮できて、人生を歩んでいける状態になっているといいなと思っています。

――「働く」という言葉自体が侑子さんには似合わないかもしれないですね。

侑子:そうですね。生きる時間は有限で、みなさん働くために生きてる訳ではないと思います。日常の暮らしの延長線上にいろんな活動があるイメージです。

――アキナイガーデンを始めようと思ったのは入社してからどのぐらいのタイミングだったんですか?

侑子:入社7年目ぐらいだったと思います。新卒で入り、1、2年目はとにかくがむしゃらでした。プロジェクトをちゃんと動かせるようにならなきゃいけないなと思いながら3年目が始まり、後輩をひっぱる立場になりながら、自分も新しいことに挑戦したり、コンペに取り組んだり。当時設計を担当していた某大学の国際寮の現場が始まったのもその頃で、同時期にアキナイガーデンができました。

――会社に、モデルケースの先輩がいたんですか?

侑子:当時はいなかったと思います。なので一歩踏み出す時はドキドキしていて、社内の視線も結構気にしていました。今となっては、もっと堂々としていれば良かったよ、と当時の自分に伝えたいです。(笑)

――今の副業における働き方ってバランスを取らせてくれないことが多いですが、その中でそれを崩していく侑子さんの働き方はすごく未来があるし、社会としてもそういうことができる方がみんなにとって幸せですよね。

侑子:そうですね。ただ本業の仕事をしながらアキナイガーデンの活動も並行することは、余白の時間がうまく確保できないジレンマもありました。自由に個人活動をすることへの後ろめたさを感じてしまったり、自分自身の行動により慎重になった時期でもありました。

しばらくして、個人活動について自信を持って周りにも伝えていくようにしてからは、そうしたストレスは改善されたように思います。むしろ、個人活動を内に留めてしまうより、積極的に組織に共有した方が、ノウハウをフィードバックできて、組織が”個人”の集合である価値も享受できるのかもしれませんね。

YADOKARIのメンバーと。

――侑子さんのライフステージのタイミングも関係していますか?

侑子:振り返ると、大きく関係しています。社会人初めの3年程は個人での活動なんて考えてもみなかったし、仮に「自由に働いてください」と言われていたとしても、自分のコアスキルを社会に還元する視点を十分に持ち得ていなかったのではないかと思います。

一方で、贅沢なことではあるのですが、全然違うことをやってみたくなったのが7年ほど経った頃です。ライフステージという意味では結婚したことも大きく、二人三脚で”暮らし”に向き合う大きなきっかけになりました。

家庭を含む自分の暮らし、個人のプロジェクト、チームや組織での活動など、それらの時間のパーセンテージがライフステージによって変わるのは当たり前で、その変化も柔軟に受け入れられる余白はこれからも持っておきたいですね。

周りの人の幸せな気持ちに自分は生かされている

――居心地のいい1日の過ごし方があれば教えていただけると嬉しいです。

侑子:もちろん家族でどこかに出かけたり、そういう意味でのいい1日もありますが、この弘明寺というまちに住んでいることを、積極的に生活に取り込んで豊かにしていきたい思いがあります。純粋にアキナイガーデンで出店されているコーヒー屋さんで、コーヒー片手にたわいもないお喋りをしたり、時には刺激しあえる仕事の話に展開したり。
今回は盛りだくさんなのでまた機会があれば紹介したいですが、住居であるこの「洞窟のある家」で暗がりと外の光を感じながら過ごす何気ない時間もとても充実しています。

家族で暮らす神永さんの自宅。梅ちゃんと2人、アキナイガーデンスタジオで設計した。@SyuheiInoue

特徴の「洞窟」。@SyuheiInoue

光が差し込みどこか落ち着く「洞窟」は、集いたくなる空間。@SyuheiInoue

それから、家の前の商店街に出たときに、近くのマンションに住んでいる友人とすれ違って「やっほ〜、どこいくの?」と細かい日常の雑談ができることなど、本当に些細なことですが、近所の関係性が目に見えていて、そこにコミュニティや安心できる人との繋がりを感じられる1日は居心地がいいですね。

――アキナイガーデンを取り巻く地域の人たちとの関係性を大事にされているんですね。

侑子:例えば、意図しない場面で知っている人にすれ違って声をかけられたらなんだか嬉しくないですか?以前一人暮らしをしていた時は、近所に声をかけられる友人はいなくて、”住所”以上のまちとの関わりがなかったなぁと思います。

出会ったことのなかった人やモノが交わって循環することが、人間関係をより豊かに育むきっかけだと思いますし、庭のようにオープンで、押し付けがましくなく、適度な距離感が保たれた温かい場所にこのアキナイガーデンがなってくれたらいいなと思っています。

――最後に侑子さんにとっての「Life is beautiful」とは何でしょうか。

侑子:私は、ありがたいことに、身の回りの人の豊かな暮らしの中で、生かされているなぁと思っています。
人生は自分主観で物事を見がちですが、少し俯瞰して見たとき、自分と接点のある人たちが幸せであるように働きかけることができたら、それが結果的に自分の居心地に繋がるのかなと思います。

もちろんさっき話したように日常にある光を綺麗だと思えることや、新芽の息吹などの環境の恵みみたいなものに気づけるかどうかはすごく重要だなと思いながら生活しているので、それも「Life is beautiful」の一つかもしれないですね。恵まれた自然環境も人間関係も、自分がそれを享受できているありがたみを感じられることは大事だと思います。

侑子さんの「周りの人が幸せであってほしい、それに自分は生かされている」という考え方は、同じように周りをポジティブな力で巻き込み、循環させているように感じる。
アキナイガーデンを通して繋がった多くの出会いは、今後もきっとそれぞれの暮らしに豊かな彩りをもたらしてくれるだろう。


商い暮らしをテーマにしたシェアショップ、アキナイガーデンでは、出店してくれる仲間を募集中。
https://akinai.life/

設計デザインに取り組む、建築家ユニットAKINAI GARDEN STUDIOも弘明寺を拠点に活動を展開している。
https://www.instagram.com/akinaigarden_studio/?hl=ja

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