「デザイン」から暮らしを学ぼう「Chicken Chapel」
Chicken Chapel は鶏小屋。アメリカ合衆国の北東部、バーモント州のNorwich で行われたプロジェクトでつくられました。
今回は鶏小屋とプロジェクトについて焦点を当てていきます。
プロジェクトは 、Moskow Linn Architects が新時代のデザイナーを支援しようと、Norwichにある農場に構えた施設のStudio Northで行われました。ちなみに農場は4700haで、北海道の半分を越える広さです。さすがアメリカ。
Chicken Chapel は、Studio North設立以来はじめてのプロジェクトで、Moskow とLinnは、農場で使えるかつワークショップとしても成り立つものとして鶏小屋をつくろうと決めていました。
MoskowとLinnは、5人の学生たちと共に、Chicken Chapelを作り上げました。デザインを考案するために行ったブレーストーミングでは、現実的でないものがたくさん上げられました。Moskowはこう言っています。「学生たちは誰ひとりとして建物をデザイン・施行した経験はなく、2人だけが建築学科出身だ。だから、複雑なものがたくさんあるのだ。」経験不問なプロジェクトなようですね。
Chicken Chapelの中に入ると、卵型の鶏の休息場所があります。木でつくった2本の足の上に正方形の部屋が8つあり、その裏側に大きな卵形の板を一枚貼付けた形です。鶏は巣箱が地面の上にあると卵を産み落とさないため、地面から浮かすデザインが学生から考案されました。
小屋全体の寸法は横幅が2.4メートル、奥行きが3.7メートル、地面から外壁の頂点までの高さが2.4メートル。
小屋の出入り口の一方は鶏サイズ、もう一方は、卵の収拾、掃除のしやすさを考慮し、人間サイズにしてあります。
以下、Moskow Linn Architectsのホームページからの引用です。
「Studio Northのプロジェクトは学生たちに田舎暮らしをイメージしやすくし、開発・製作を経て「デザイン」という解決策を考案する機会を与える。建築の教育は、「建てる」というプロセスをあらゆる角度から見る最高の経験となり、このワークショップはデザイン経験を積むもので、思い切りのめり込んで行うものだ。」
「暮らす」を存分に体験できる素晴らしいワークショップですね。
ワークショップは10名限定で、2014年のサマープロジェクトは現在募集中だそうです。ホームページから詳細をダウンロードできます。