湖の景観を積極的に取り込んだ、小さくても堅牢なコテージ「PETRA GIPP ARKITEKTUR LAKESIDE COTTAGE」
湖畔に建つコテージといえば、穏やかな木立の中にある木造のロッジというのがあまりにも一般的なイメージです。ところがこの小さなコテージは、スウェーデンで2番目に大きなヴェッテルン湖を見下ろす絶壁に腰を下ろすというダイナミックな佇まいを特徴としています。
建築家が自らのために設計したこのコテージは、116㎡の平屋建て。広々としたリビングを核として3つのベッドルームが、岩盤の輪郭に沿うようにして配されています。絶壁という地形を感じながらの居住空間は、そこからの景観とも相まって、大きな自然のダイナミズムを感じることでしょう。
木とコンクリートを巧みにコンビネーションさせながら、木々と岩、そして湖という環境の要素に自然に溶け込ませているのはさすが。絶壁に建設するという立地的な悪条件の中で、コンクリートを使ったスモール建築によって確かな堅牢性をも実現しています。
コテージの中からは、湖の雄大な景観を一望できます。高い場所からの景観は、水辺に建つコテージのそれとは一線を画し、まるで小高い山の上から見下ろすような快感を享受できるはず。
こんな空間で、何もせずに一日を過ごす。湖という自然のステージが演出する景観の移ろいを感じながら、お気に入りのワインでも味わい、いい音楽を聴いて過ごしてみたいものです。